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異世界転移なんてありふれている  作者: たかしゅー
ラントヴァッサ王国
12/36

トリフト領にて9

 ゴブリンを討伐した場所から少し離れた場所で休憩を取り、街が見える所まで戻ってきた。

 休憩中にユキトはサンドイッチを食べていたが、さすがに俺は食欲がなくて食べなかった。そのため、街が見えて気が緩んだ俺は猛烈に腹が減っている。

 ベジタブルで朝飯を食べたのが遠い昔のように感じる。

 実際、昼飯を抜いて現在は夕方、朝から行動しているにもかかわらず十二時間近く食事をしていないのだ。我儘な俺の食欲は我慢の限界を訴えている。

 少しそこらでサンドイッチの一つでも与えてはくれんでしょうかご主人様、とユキトに泣きつこうとしたところで変な物が視界に飛び込んできた。


「ギブミーベジタブル!!」


「ベジタブルがどうした?」


 驚きすぎて直前まで考えていたことが咄嗟に出てしまった。確かに、腹があの食堂の野菜を求めていることには違いないが、俺の我儘な食欲は再び深い眠りについた。


「なんだアレ!?」


 変な物―――巨人のように見える何かが街の門の手前にそびえ立っていた。


「魔導騎士のことか?」


「魔導騎士…」


「魔術具の一種、いや、魔術兵器か。シーアという国で作られ、同盟諸国へ貸与されている兵器だ」


 門の前にそびえ立つ巨人は魔導騎士というものらしい。見た目からはロボットアニメを彷彿させる。

 夕日に照らされながら佇むそれは街を守る守護者のようで、何とも言えないカッコ良さを醸し出している。

 魔導騎士を呆然と見つめる俺の横で、ユキトもまた、何とも言えない顔で見つめていた。


「シーアって国以外じゃ作れないのか?」


「ああ、シーアでしか製造されていない。学術都市国家シーア。この国は魔術具、特に魔術具の中でも神々の時代に作られたと言われている神器を収集、研究している。その研究成果の集大成、それがあの魔導騎士だ」


 そう言ったユキトの表情は相変わらず何とも言えない顔をしており、何か嫌な思い出があるのかと勘ぐってしまう。


「なあ、さっきからすごく微妙な顔してるけど、魔導騎士絡みで何か嫌なことがあったのか?」


「すまない、そういう訳ではない個人的な事情だ、どうしたものかと思ってな」


 苦笑いしながら否定する。

 嫌な思い出があった訳ではなさそうなのでまあいいかと流すことにする。

 興奮が少し落ち着いた俺は、腹ペコキャラじゃねーよと思いながら空腹感と再び戦う。


「立ち止まった俺が言うのもなんだが、じゃあさっさと帰ろうぜ。飯食いながら魔導騎士について詳しく聞かせていただこう!」


 好奇心と空腹感を満たすために早く戻ろうと催促しながら歩き出す。それにユキトが続こうとした瞬間、俺の目の前が光出す。

 光に驚き思わず後ろに倒れ、尻餅をつく。少し痛いが騒ぐほどではなく、むしろ現在進行形で光が地面に模様を形成していく様を、その場に座り込んだまま見届ける。

 光が現れて模様が完成するまで僅か数秒。完成して光が消えると同時に女の子が現れた。

 尻餅をついたままの姿勢だったため、目の前に生足だ。そしてパンツは見えそうで見えない。異世界でもスカートは強かった。


「エロ奴隷さん退いて下さい」


「ゴヘッ」


 まじまじと生足を見ていると頭上から聞こえて見上げようとした瞬間、腹に衝撃が走った。

 恐らく風の初級魔術の1つ、エアバレットだろう。そこそこ重めのそれが腹に直撃し、後ろにいたユキトの側まで転がっていった。


「ま、マサキ大丈夫か?」


「エロ奴隷さん大丈夫ですか?」


 片方は心配そうに、もう片方は少し適当に声をかけてくる。


「大丈夫ですよー」


 そう言っていきなり現れた女の子の全体を初めて見る。

 俺を転がした張本人だろうその子は、一言で言うなら美少女だった。

 短めの金髪に青い瞳で優しそうな顔立ち。身長は俺やユキトより少し低いくらいだろうか。

 そして紺のブレザーにチェックのスカートという学生服のような服装。

 こんな美少女がクラスに転校生としてやって来たら、我先に声を掛けようとする男共が大量に押し寄せるだろう。


「男性が初対面の女性をジロジロ見るのは宜しくないですよ」


 こんな転校生が来たら、というお題で軽い妄想していたら叱られてしまった。

 そういえばこちらの美少女はどちら様なのだろう。ユキトの表情をチラ見した感じではよくわからないが、知り合いではあるのだろう。急に美少女が現れても動じないということは、きっと知り合いなのだ。


「ジロジロ見てしまってすみません」


「はい、謝罪は受け入れます。いきなり現れた私にも落ち度はありましたので」


 いきなり腹にエアバレットを撃ち込み、呼び方がエロ奴隷さんという辺りに、キツい感じの女の子かと思ったがそうでもなかったようで安心する。


「ありがとうございます。はじめまして、マサキって言います。よろしければ、どちら様か教えていただければ嬉しいなと」


「はい、はじめまして。私はエレナ。エレナ・ルーデンドルフです。そちらのユキト様の婚約者です」


 それを聞き、もう一度チラ見したユキトの表情はどうしたものかと悩んでいるように見えた。

メインキャラの三人目!!


30.1.15

マサキがユキトと名乗っていたので訂正。

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