6話 新しい拠点
翌朝。クランの登録の為、ギルドに行く。今日のミイは秘書風の服装だ。(また目立つ服装だなぁ、可愛いけど……)
「おはよう、メリッサさん。今日はクランの登録に来ました」
「おはようございます。分かりました。手続きしておきますね」
メリッサさんにクランの登録のお願いをして、不動産課に向かう。途中薬剤室の前を通るとモーリーさんに会った。
「お、どうした。クロフト君」
「モーリーさん、おはようございます。新しい家が欲しくて不動産課に行く所です」
「なら、僕に任せろ」一緒についてきてくれる事になった。
「クロフト君、ここで待っててくれ。僕が話しをつけてくる」
不動産課の部屋の外で待っていたるとモーリーさんと不動産課の担当者が揉めだした声が聞こて来る。
「いくらモーリーさんの頼みでも、まだFランクの駆け出しの方にはそんなにいい物件は駄目ですよ」
「彼の高級ポーションを知らないのか!彼は大化けするぞ、先行投資と思え!」
「そんな事言っても駄目ですよ」
「頭が固いな!いいか!未来がある若者には投資が必要なんだよ」
これはちょっとヤバそうだ。急いで部屋に入った。
「ちょっとモーリーさん、大丈夫です。程々の家があれは、いいですよ」
大事になりそうなので慌てて間に入る。しかし、モーリーさんは納得がいかないみたいだ。
「妥協は駄目だ!ポーション作りの工房がいるだろう。広い方がいいからな」
そう言って物件の資料を眺め、
「ここだ!少し中心街から外れではあるがこの物件はどうだ? 中古だかしっかりした造りの屋敷だ」
モーリーさんはよっぽどあのポーションが気に入ってるみたいだな。悪い人ではないんだけど少し強引なんだよね。
「俺はいいと思うけど、ミイはどうかな?」
「いいですね。工房も出来ますし、広さも十分です」
「この物件お願いします」
中古の屋敷でも広い為、5万ゴールドだか、モーリーさんが強引に決めて2万5千ゴールドにしてくれた。この人はどんな権限があるんだか。不動産課の担当はずっと困惑していた。
「それではこの屋敷は君の物だ。リフォームでも何でもしてくれて大丈夫だ。後、空き瓶は運んでおくからポーション頼むよ」
この人は本当に薬剤師なのか?お礼を言うとモーリーさんは笑顔で去っていった。
不動産課の担当者に支払いを済ますと鍵をくれた。
ギルドはいい人ばかりだ。
メリッサさんの所に戻るとクランの登録が完了していた。俺達はそのまま新しい拠点に向かう。
「ここなの?めっちゃ広いじゃん」
中心街から離れているが静かで良さそうな所だ。
屋敷は平屋で古いがかなり広い物件だ。屋敷の周りは柵で囲まれている。
中に入ると管理されていたのかあまり汚れてはなかった。家具も有りこれなら直ぐに住めそうだ。
「この広いスペースは工房だね。こっちが住居スペース。ここはリビング兼クランの会議室だ。なんだかワクワクするね」
「新しい拠点ですね、まずは住めるようにしましょう。私は掃除から始めますので、トーヤさんは宿屋から荷物を運んで貰っていいですか」
ミイからの提案で宿屋から荷物を運び入れた。ミイの服装は秘書風から作業がしやすいオーバーオールに変わっていた。工房には薬研や薬草、空き瓶を整理して並べた。庭には井戸もあり作業しやすい工房が出来そうだ。
二手に別れて掃除をし、生活に必要な物を買い出しに行く。
(なんかまるで新婚生活じゃないか)
顔がニヤけてしまう。
「トーヤさん、どうしました?」
「な、何でもないよ」
ごまかしながら隣を歩く。
「ふふ、そうですか、新しい生活楽しみですね」
買い物を終え、帰宅。
「これで今日から住めるぞ。所々古くなっているけど少しずつリフォームしていこう。モーリーさんには感謝しないといけないな」
「そうですね。ポーションを調合して届けないといけませんね」
早速、工房の使い凝地を確かめる為、ポーションの調合を開始した。宿屋とは違って部屋が広く作業がしやすい。更に効率が上がり、1時間前程で40本完成させることが出来た。
ギルドに行き、ポーションを納品しながらモーリーさんにお礼を言いにいく。
「モーリーさん、とってもいい家でした。ありがとうございます」
「気にするな。先行投資だ。その代わりポーションの納品はこれからも頼むよ」
と、気さくに対応してくれた。本当にありがたい。
拠点のリビングに座りくつろいでいると、
「トーヤさん、明日からどうしますか?」
「お金に余裕が出来たから、ダンジョンに行ってみたいな。【疾風の剣】も使いたいし、出来れば魔法も覚えたい」
「そうですね。まずは【岬の迷宮】の1階層からスタートしましょう。魔獣のレベルも低いです。まずは剣の基礎をマスターしましょう。ついでに何か素材の採取をしていきましょう」
「よし!クラン【月夜の猫】の活動開始だ!」
読んでいただきありがとうございました!
次回 11/3 7時 投稿予定
少しでも楽しんでいただけたら、ぜひブクマや評価(★)で応援してもらえると嬉しいです!




