4 因果応報
和室に入って俺は布団を敷いた。ベッドでも良かったんだけど、俺が布団の方が良いって彼女を説得して、和室を寝室にしたんだ。
布団に潜り込んで彼女を待つ。遅れて入ってきた彼女の姿はネグリジェをまとった、ではなくてスウェットだった。折角色っぽい肢体をしているんだから、AV女優さんが身に着けるようなイヤらしい下着やら、Tバックやら、ガーターベルトで吊った黒のストッキングやらを見せて欲しかった。
セレはそんな俺の願望など知りもせず、布団に入ってきた。待ってましたとばかりに、俺は彼女の太腿に手を這わせた。膝頭から鼠径部までの太腿を軽く触っていると、彼女が俺に背を向けた。
それではと、俺は彼女のヒップを撫でまわす。臀部のプリッとした肉付きがたまらないなあ。一通り撫でまわしたが、肛門部へのタッチは流石に自粛した。だってもし事の弾みで彼女が失禁したら、後始末は誰がするの? 俺だよね。そこは我慢すべきか。
俺は次に彼女の胸に手を伸ばした。たわわに実った胸を軽いタッチで揉むと、
「止めて」
彼女に拒否られたが、そんな事お構いなしに俺はタッチを続けた。推定叡知カップはありそうな乳房は、片手で掴めないほどの逸材だから。
「ネックが駄目になるから止めて」
「大丈夫だよ」
「明日仕事だから」
「俺も仕事だよ」
セレは黙った。俺は手先に適度な力を入れてタッチを繰り返した。次に彼女の手を取り、俺の股間に導いた。
「優しくだよ」
そう言って、俺はセレの手の動きに身を任せる事に・・・ そうしたら、いきなり彼女、俺の急所を力任せに鷲掴みにしたんだ。
思わず腰が引けてしまった。
「イテェ。何すんだ」
元気だった急所を思い切り握り潰された痛さと言ったら、想像を絶するよ、分かる?
「折れたらどうすんだ」
「折れはしないでしょ」
「物の例えだ。男のアレはデリケートなんだからな」
「そうなの」
「優しくしろ」
「はあい」
アレの痛みが治まるまで静かに横たわり、回復を待つ。待つ事2分。カップ麺より早い。
俺は中断された行為を再開した。そうしたところ、
「バシッ」
目の前が急に明るくなった。そして顔が痛い。どうしたの?何が起きたの?事態が呑み込めない・・・ だが顔の痛みは・・・ 彼女に殴られたのだ。俺の顔をセレが張ったのだ。
俺は布団を跳ね上げて起き、彼女に文句を言った。
「ふざけるな。痛いじゃないか」
「そう?」
「何? その言い方。謝れ」
「何で?」
「お前が殴ったんだぞ、謝れ」
彼女、何も言わない。
「いきなり殴って良いのかよ」
「良いんじゃない」
「そんな言い草あるか」
「そお?」
俺は殴られた事に腹を立ててセレを責め続け、謝罪を要求したんだけど、彼女馬耳東風。上の空だよ。その態度を見て、猶更腹が立ってきた。
「ふざけるな。謝れ」
「なら、アジメは何故、私が『止めて』と言っても止めなかったの。普通なら止めるでしょ、違う?」
「五月蝿い。つべこべ言うな」
「随分な言い方ね」
「お前が悪いんだ」
「元は貴方でしょ」
「五月蝿い」
「呆れた」
「どうしても謝らないんだな」
「どうして、謝らなきゃいけないの?」
「お前が殴ったからだ」
「原因は貴方でしょ。因果応報よ」
俺はカッカして喧嘩腰に言ってたけど、彼女は至って冷静だった。そりゃ、そうだよ。俺は日本語で捲くし立てていたが、彼女は自分の考えを一旦、日本語に翻訳してから喋っていたからね。その時間と翻訳行為が気持ちを落ち着かせたんだと、今では思っているんだ。だけどその時は、そんな彼女の態度が逆に、無性に腹立たしいものに見えたから。
俺が幾ら謝罪を要求しても、セレは応じなかった。俺が悪いという態度に終始していたんだよ。
俺の女房はフランス人で、キャメロン・ディアス似の美人。髪はブルネット、瞳はブルー、身長180cm、体重70kg(推定)。




