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32 シナリオ


 大井から告訴すると脅されて、暫く待ってみたが一向に弁護士からの内容証明や警察からの呼び出しはなかった。名誉棄損で警察が告訴状を受理するかも怪しいから、俺は捨て置いたけど、良いのかな?

 万が一、があるかも知れないので、俺は事務所の斎藤さんに告訴状について尋ねてみたけど、ここだけの話しと言って教えてくれた、警察は余り告訴状を受けたがらないと。彼の説明で俺は安心した訳です。


 日中、建設業許可申請の書類作成に携わり、帰りには雀荘で数半局遊んで店屋物で夕食を済ませ、自宅に帰る日々を過ごしていた俺に、自宅パソコンへロバートからのメールが届いた。添付資料が付いていたので開いてみると。彼の言っていた映画のシナリオの一部だ。英語で書かれていたので、セレに頼んで日本語に翻訳してもらい、一部を紹介します。



※セイラム市予備審査にて

登場人物 判事役、A

サラ・グッド役、B

アン・パットナム役、C

マーシー・ルイス役、D

ジョン・ヘイル牧師役、E

カット1

判事「サラ・グッド。貴女は魔女として告発されました。貴方

    はこれを認めますか?」

サラ 「私は無実です」

判事「アン・パットナムやマーシー・ルイスが貴女の使役霊で

    操られたと証言していますよ」

サラ 「私は魔女ではありません」


   ・・・・・ 中略 ・・・・・

カット2

判事「貴女は悪魔の名を聞いたのですね?」

アン 「サラが降霊会でルシファの名前を呼びました」


    ・・・・・ 中略 ・・・・・

カット3

判事  「貴女は悪魔の名を聞きましたね」

マーシー「はい。サラが降霊会でオロバスの名前を呼びました」


    ・・・・・ 中略 ・・・・・

カット4

判事「ジョン・ヘイル牧師に聞きます。悪魔祓いは成功しまし

    たか?」

牧師「失敗しました。アンやマーシーに憑いた悪魔は彼女達

    を苦しめました」

    ・・・・・ 中略 ・・・・・


 シナリオの抜粋だったが、降霊会、悪魔憑き、悪魔祓い、ルシファ、オロバスとおどろおどろした単語が目に入る。


 俺はセレに、シナリオで描かれている魔女裁判の事について聞いてみた。

「モン・シェリ教えて。この魔女裁判では何が裁かれたの?」

「ご免ね。アメリカの一地方で起こった魔女裁判なので、詳しく知らないの。フランスの魔女裁判は、この頃には沈静化していたし。アメリカのものは、ブゥドゥーが関係していたとか・・・ それ位かな?」


「ありがとう」

 私は関係ありません、知りませんの態度を明確に示した返答だ。


 俺は確か、ベルナール大司教が主催したサンジェルマン・アン・レイでの悪魔召喚儀式で、召喚したオロバスから聞いた事を思い出した。セイラムの魔女裁判で、魔女にされそうになった娘の一家をオロバスが助けた事を。

 娘の子孫が後に、映画関係者で事件を映像化したと言っていたな。それで、何でオロバスがエドと呼ばれるようになったのかな? 聞いたような、聞かなかったような。


 俺はお礼の返信を書き、セレに英文に訳してもらって返した。


 彼女に翻訳で助けてもらったので、少しでも彼女の疲れを癒そうと、マッサージをしてやると言ったら、喜んで寝室に向かった。前に彼女が言ってたんだよ。車で事故って、むち打ちになったとか、左脚に違和感があるとか。

 うつ伏せに寝る彼女の首、肩、腰、左右の脚を順に揉んでいき、最後に足裏のツボを指圧する。それだけで彼女が歓喜の声(悲鳴?)を上げた。俺はこのままなら大丈夫かなと思い、仰向けになった彼女にキスをした。

 拒否されなかった。次に右手を彼女の右胸に持って行き、軽く添える。OK。軽く周囲を揉む。OK。

 矢張り受け入れOKだ。

 俺は右手を下半身に滑らした。そうしたら、彼女が急に起き出し、俺の横っ面を思いっきり張った。所謂横ビンタをもらった。


「モン・シェリ。おやすみなさい」

「マ・シェリ。おやすみ」


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