呪歌使い戦記番外編第四話
〇〇年、春
数えることも諦めた、何度目かの絶望の目覚め。
プイスに名前を与えた。十年後に、この子は死ぬと言うのに。
〇〇年、冬
久しぶりにあの呪歌の研究書を開いた。
先生の文字だけが並んでいるはずだった。僕の字が添えてあるのは何故。
あの子を弟子にしてからこの呪歌の解読を始めた。繰り返しはあの子を弟子にしたところから始まっているのに、どうして書き込みが残っているの。
研究書を前に首をひねっていたところをあの子に見つかった。こんなもの、あの子の生きる道に必要ない。
〇〇年、晩秋
使者が来た理由を問い詰められた。
ごまかしてもごまかされてくれない子だ。全てを話せば、無理にでもついてくる。何度も繰り返したからわかる。
また今回もあの子の死を見ることになるのだろう。いっそ悪夢でも見せた方が手っ取り早いだろうか。
悪夢を見せたはずなのに、とても張り切っている。
目覚めてすぐに本棚をひっかきまわしては、あれやこれやと手を出している。
あの研究書が見つかった時点で保管場所を変えておいて助かった。
〇〇年、冬
明日、決戦の時。
今度はどのような形で死ぬのだろう。嫌だ。出来ることなら今すぐこの天幕から二人で逃げ出したい。
それすらも許されない。
プイス。お前は今回も死ぬのだろう。お前を守れない非力な師を恨んでおくれ。
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