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呪歌使い戦記番外編第三話

三回目

 兄さんの赤い槍はプイスの胸を正確に貫いた。

 僕にそれを止める手立てはない。


四回目

 また何も変わらなかった。変えられなかった。

 唯一の救いは、プイスが痛みを感じる前に神の御手に逝ったこと。ただそれだけ。


五回目

 五回目、まだ、五回目。次こそは。


八回目

 兄さん、どうして。


十五回目

 何をしても変えられない。

 今回は遺髪すら持ち帰れなかった。


二十回目


三十回目


四十回目


 もう何度目だろう。

 数えることも疲れた。


 プイスと二人、竜の国の捕虜になった。

 口にするのもおぞましいほどの拷問の末、プイスは処刑された。

 僕の最期はどうなっただろう。思い出せないだけ、幸運か。


 どうして、戦場で死ぬのが僕じゃなくてプイスなの。

 プイスの代わりに僕が死ねたら。


 死ぬことすら、許されない。

 即死を免れたプイスを、僕はこの手で。僕自身も、この手で。

 なのに僕はまだ生きている。幼いプイスを抱いて、生きている。

 これ以上何をすればいい。僕にはわからない。


 助けて。プイス先生、助けて。


ここまで読んでくださりありがとうございます。

よければ評価や感想いただけると嬉しいです。

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