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隠し事とは案外すぐにバレるものだ

 窓から差し込む太陽の光で眼が覚めると見慣れた天井が一番最初に目に入った。目をこすりながらベッドから起き上がると完全に自分の部屋だと言うことがわかる。

 しかし、何故自分がここで寝ているのか思い出せない。昨日、王から招待された夜会に行きそこで色々と会ったがなんとか乗り切り父さん達と一緒にいたことまでは覚えている。その後のことはさっぱり記憶にないがな。

 うーん、なんでだろう?と頭をひねって考えているとドアがコンコン、とノックされた。


 「はい、どうぞ」


 そう答えるとドアが開きリリアが入ってきた。


 「おはようございます、アクシス様。もう、起きていらしたのですね」


 「ふぁ〜あ、おはよう。今朝は、なんか眼が覚めちゃってな。でも起きたのは本当にさっきだぞ」


 俺はベッドから起き上がるとあくびをした後にリリアの問いかけに答えた。


 「アクシス様、今日は午前中からまた王宮に行くので準備をしておいてください。」


 俺がベッドから降りているとリリアが今日の予定について話してきた。その話は昨日何故か聞いていたので知っている。


 「わかった。それより着替えるから先に父さん達の所に行っていてくれ」


 そう言ってリリアが俺の部屋から出ていくように促す。もちろん、着替えを見られるのが恥ずかしいわけではない。少し1人になりたいだけだ。ただそれだけ。別に特に理由があるわけではない。


 「わかりました。では、着替え終わったら玄関前へ来てください。それでは失礼します」


 リリアは、そう言って俺の部屋から出て行った。ただ、部屋を出ただけでもしかしたらこの間みたいに部屋の前で待機してるかもしれないからな。一応魔力を見えるように目を切り替える。特に人の形のオーラが出てるわでもないので本当に父さんのところに行ったのだろう。


 「とりあえず、着替えるか」


 俺は寝間着を脱いで外に出る時の格好に服を着替える。それからベッドの上に置いておいた寝間着を綺麗に畳み、ベッドの上に腰を下ろした。

 今日、王宮に行くんだったらまたルナと会うのか…だるいなぁ…

 そう思い部屋で時間を潰そうと思ったが、俺の今いる別邸の方の部屋には特に面白いものがない。本も俺が前世で読んだ時の童話っぽいのしかないし。まあ、まだ俺、5歳だから仕方ないか。


 「あ〜あ、暇だな。する事ないし、もう玄関に行くか」


 俺はベッドから立ち上がり部屋から出て、階段を降り、玄関前に来た。やはり、もうみんな揃っていた。


 「おはよう、アクシス」


 「おはようございます。父上、母上」


 「あら、おはよう、アクシス。それじゃあ、また金髪にするからこっちに来て」


 「はい」と返事して母さんの方に歩いていく。そして昨日みたいに目を瞑って母さんに髪の色を変えてもらう。今更だが、髪の色が寝ている間に元に戻っていたらしい。


 「アクシス、もう目を開けても大丈夫よ」


 そう声をかけられ俺は目を開ける。右手で前髪を目の前に下ろしてくると確かに金髪に変わっていた。


 「これで問題なく王宮に行けるな。それでは、出発するぞ」


 父さんがそう言いながら玄関から出て外に待機してあった馬車に乗る。

 30分くらいすると王宮に着いた。昨日は考え事しながらだったから気付かなかったが意外に王宮って近いんだな。

 馬車から降り、執事の人について行くと昨日の大ホールとは違う客室みたいな部屋に案内された。そこには、先客というか待っていたというような感じで王様と王妃、あとはその子供2人が座っていた。

 王様は父さんを見ると立ち上がり、


 「よく来てくれたな、ケイアス」


 と言って父さんと握手をした。王様と握手できる父さんは何者なのだろう?と思ったが今はそんなことを聞ける雰囲気ではないのでまた後で母さんあたりに聞くことにしよう。

 奥に目をやると凛とした姿で座っているルナの姿が見えた。やはり、見るだけなら美少女だな。俺と会話すると本性が現れるけどな。

 ルナは俺に気づくと小さく微笑んだ。俺は一応お辞儀をしておいた。その隣には第1王子も座っていたのでそっちの方にもお辞儀をしておいた。

 父さんとと母さんは既にソファーに座っていたので俺もその隣には座るが話す人も話すことも無いのでテーブルにあった紅茶をただ飲んでいる。

 そんな事をしていると全く喋っていない俺に気がついた王様がある提案をした。


 「アクシス君。ここにいても退屈だろう。ルナ、アクシス君と一緒にどこかで遊んできなさい」


 それを聞いたルナは一瞬「えっ」という顔をしたがすぐに微笑んで、


 「分かりました。お父様。それでは、行きましょうか。アクシス様」


 俺は一度父さんの方を見ると父さんは頷いてくれたので俺は既にドアの方まで移動していたルナのもとに行き一礼をして2人で部屋から出て行った。そしてルナの後について行くと昨日ルナと会った中庭に連れてこられた。そして互いに数分間黙っていたが流石にずっと黙っているのもあれなのでとりあえず、話しかけた。


 「おい、なんでここなんだ?」


 「え、特に意味は無いですけど。あなたと一緒にいるならここが一番最適かと思いまして」


 「あ、そうですか」


 「そうだ!あなたがこの王宮で行きたい場所に案内してあげます!」


 行きたいところか、王宮って一体何があるのか分からないからな。顎に手を当てながら考える。


 「なぁ、王宮って何があるんだ?」


 想像だと、ただただ無駄に部屋が多いだけという事しか出てこない。まあ、考えても分からないので直接聞いてみた。


 「そうですね、例えば、魔法の訓練場とかですかね。まあ、私は魔法は使えないので行かないんですけどね」


 「じゃあ、ひとまずそこに行くか。魔法だったら俺は使えるし」


 「えっ、あなた魔法が使えるんですか?」


 「ああ、使えるぞ。人並みにはな」


 多分と心の中で付け足しておく。テオスのせいなのか、おかげなのか、馬鹿みたいに強い魔法が使えるから気をつけなければ。人並みも分からないし、また家で起きたいみたな騒動は面倒だ。

 そんな事を考えていると隣から視線を感じたのでそちらの方を見ているとルナが少し頬を膨らませて睨んでいる。俺の視線に気がつくとすぐに顔をそらした。まあ、いいや。


 「よし、じゃあ案内してくれ」


 「あの、一応私王女なんですけど…」


 そんな事を言いながらも案内をするためにルナは歩き始める。俺はその後をついて行く。五分ほど歩くとルナは訓練場みたいな場所のドアの前で立ち止まった。


 「着きましたよ。ここが王宮の魔法の訓練場です」


 そう言ってルナは訓練場のドアを開ける。中にはローブを羽織った如何にも魔法使いみたいな人達が数人いた。彼らはこっちに気がつくと一旦詠唱を止めてルナに挨拶をする。ルナは続けるように言うがそれでもまだ騒ついている。邪魔にならないように端の方に移動し、全体を眺める。一応『魔力感知』を使いここの人間のレベルを見る


 「ここが王宮の魔法の訓練場か。俺の家のよりかなり広いな」


 「そんなの当たり前ですよ。ここは王国で最大の大きさの魔法の訓練場ですよ。ここより大きい所はこの国にはありません」


 すごいドヤ顔で言ってくる。でも確かにこの大きさは他の場所にも多分ないだろう。色んな魔法が使えるみたいだし。魔法の命中率を上げるために木の的が用意されている場所もあれば飛距離を上げる為に的までの距離が無駄に長くなっている場所もある。他にも沢山ある。これだけの設備だったら大きくなるのもわかる。

 俺はとりあえず他の人がどの程度なのか観察する。ルナはあっちこっちキョロキョロと色んなところを見ている。

 観察を続けて十分くらいでなんとなくの実力はわかったが、とてつもなく威力や飛距離がない。多分俺が前世で派手なのを見すぎていたせいかもしれないが…でもこれで人が殺せるとも思えない。俺は疑問に思いルナに聞いてみる。


 「なあ、魔法ってこんな程度なのか?」


 「あのですね、あなたがどれ程のものを想像していたかは知りませんが、これでも十分凄いのですよ。そもそも使えない人の方が多いのですから」


 「あれ、誰でも魔力は見えるんだろ?なら魔法は使えるんじゃないのか?」


 「確かに魔力は見えますよ。でもだからといって使えるわけではないんですよ」


 まあ確かに想像力がなくちゃ魔法は使えないってテオスが言ってたしな。だからスキルなんてものこの世界にあるのか。

 あれ、でも待てよ。今の言い方だとルナも魔法が使えないみたいな感じだな。よし、聞いてみるか


 「そういえば、お前は使えるのか?」


 一生懸命魔法の訓練を見ていたルナに聞いてみるとこっちに振り返り少し怒った顔で、


 「私は使えませんよ!」


 と、かなり大きい声で叫んだ。例えるならこの訓練場に響くくらいの大きさだ。あまりにも大きな声を出すので少し動揺した。


 「うるさいな。そんなに怒ることじゃないだろ。」


 「私以外の王族はみんな魔法を使えるんですよ!なのになんで私だけ…」


 ルナはそう言って下に俯いたまま黙っている。かなりそのことで悩んでいるらしいな。だが、俺はこういう時の人を慰めるなんていう高等テクニックは持ち合わせてはいない。とりあえず、ほっとくか。

 俺はルナから少し距離を置くと少し先にある的に向かって一つ魔法を打つイメージをする。簡単な火魔法、もちろん威力はここの人間と同レベルのものをイメージした。手を前に突き出し、


 「ファイアボール!」


 と、叫ぶとバレーボールくらいの大きさの火の玉が的に一直線に飛んでいき、的を花火のように弾け飛ばした。

 あれ?おかしいぞ。威力はここの人間と同レベルのはずなんだけどな。魔力核の大きさが関係しているのか?

 色んな可能性を考えているとみんなが俺を見ていることに気がついた。音に驚いたルナももちろんこちらを見ていたが、何か別のことに驚いているようだった。


 「う、嘘…でしょ…。その髪の色、まさか…あなた呪い子(イクス)ですか!?」


 俺を見て驚いてるルナにそう言われて前髪を手でひと摑みしてを目の前に引っ張ってくると金色だったはずの髪が白色に戻っていた。

17話目の投稿になります。作者の霊璽です。

今回から展開が変わり始めてきました。ついにバレてしまったアクシス君がどう対処していくのかに注目してみてください!

余談ですが、本当だったら夜会のあたりでやろうと思っていたんですが伸ばしに伸ばしまくっていたらこうなりました。なのでもしかしたら話が噛み合っていない部分もあるかもしれないので、その時はツイッターやここの感想で書いてください。

あとがきが長くなってすいませんでした…

それではまた次回の話で……

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