表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/38

まさかの王女⁉︎

 「えっ⁉︎」


 思わず声が出た。なぜなら王様の後ろにいたのが先ほどまで中庭で会話していた少女だからだ。


 「まさか、あいつって王女だったのか?」


 小声でそう呟いたら、隣に立っていたリリアが、「えっ、知らなかったんですか?」っていうような呆れ顔でこちらを見ていた。いや、俺生まれてから1度も王族の話なんて聞いたことなんてなかったんだから仕方ないだろ、と心の中で呟きつつ王様の方を見る。

 王様って見た目おっさんなんだよな。年齢も三十後半から四十手前くらいに見えるし。渋めのイケメンだ。立派に生えた顎髭がさらにそんな感じに見せてくる。だからこそ、王の威厳ってものが漂っているんだろう。

 その横に並んで王妃様が歩いてきている。こっちは年齢がわからないほど美人だ。多分王様と年齢は近いのだろうけど歳を感じさせないほどだ。美しいという言葉がこれ以上似合う人を俺は前世でも見たことがない。髪の色は王様と同じ金色だが瞳の色は宝石のサファイアのような青色だ。ブラウンのロングドレスがよく似合っている。

 その後ろには、この国の王太子らしき人が歩いている。年齢は、7、8歳くらいだろう。その割にはしっかりとした感じの雰囲気を醸し出している。髪の色と瞳の色は王妃様と一緒だが、顔の輪郭とかは王様似だな。そしてとてもイケメンだ。服装も夜会に合わせてネイビーのスーツを着ている。

 そして最後に出てきた少女はやはり先程中庭で何かから隠れていたルナだった。まさか王女だったとはな…もしかして、あいつ夜会に出たくないからあんなところに隠れていたのかよ…

 しかし、明るいところで見るとさらに美少女だな。なんだこの王族は?全員、美男美女じゃねぇかよ。くそ、羨ましい。どうせ、全員モテるんだろうな。他の貴族のガキなんかみんな王太子と王女しか見てないもんな。そんな事を思いながら王族の連中を見ていたら王様が前に出てきて口を開いた。


 「皆の者よくぞこの場にきてくれた。今回の夜会は、年に一度の他の者との交流の場だ。会話を楽しみながらこの夜会を大いに楽しんで過ごしてくれ。」


 そういうとすぐにこちらに歩いてきた。爵位が高い貴族はすぐに媚を売りに行った。おっと、言い方が悪いな。挨拶をしに行った。父さん達に着いて行き王様のところに向かった。すでに長蛇の列が出来ていたが、挨拶を済ましているだけなので進むスピードは結構早い。すぐに順番が来た。


 「久しぶりです。王様」


 父さんが声かけると王様がすぐに応答した。


 「おお、ケイアスか、久しぶりだな。二年ぶりくらいか?」


 「はい、夜会には何度も招待をいただいたのに行けず申し訳ございません」


 どうやら俺が生まれる前にも何度か夜会に呼ばれていたらしい。それに二年ぶりということは結構昔からの知り合いなのだろう。


 「いや、気にすることはない。何か事情があったのだろう?」


 「はい……そうだ。息子を今日連れてきているのです。ほら、王様に挨拶をしなさい」


 そう言われて前に押し出される。


 「初めまして、王様。アクシス・フォン・ガーディナです」


 俺は挨拶をして貴族式の一礼をする。頭を上げると王様がジッとこっちを見ていた。そして口を開き、


 「ちゃんと挨拶のできる子だな、ケイアス。そうだ。私の挨拶がまだだったな。知っていると思うが、私が、このレギンス王国の11代目国王レウス・フューリア・レギンスだ」


 穏やかな声で挨拶をしてくれた。話した感じいい人そうだ。王様は父さんと喋っているのでジッと顔を見て観察していると俺が見ているのに気づいてこっちを見た。


 「そういえばアクシス君。君は年はいくつだね?」


 「はい。今、年は5歳になります」


 「そうかそうか。実は、私にも君と同じ年の娘がいるのだが、恥ずかしがり屋でな。先程皆の前に顔を出したっきり部屋に戻ってしまったのだ」


 「いえいえ、お気になさらずに」


 俺は両手と頭を横に振りながら答えた。実際さっき会ってるし、別に挨拶する必要もないからな。会ったら会ったで王宮の衛兵になんで言ったんだとか文句とか言われそうだし。

 そう思いながら本当にいないのか確かめるためにあたりを見回した。そしたら奥の柱の方に何か出たり隠れたりしている。ん?なんだアレ?今なんかいたよな?魔力で見てみるか。俺は魔力を可視化できるようにし、さらに『魔力感知』で魔力核を見た。アレって多分ルナだよな?さっきの中庭で見た魔力核と大きさが同じだな。よし、確認しに行こう。しかしこの状況、どうやって抜け出すか…父さんと王様は喋りっぱなしだし、母さんは王妃様やら他の貴族の奥様方と井戸端会議してるし。そうだ!気になるものがあるからって言って抜け出せばいいんだ。そうと決まれば、


 「すいません、父上。気になるものがあるので見に言っていいですか?」


 「ああ、いいぞ。だが、リリアは連れて行きなさい」


 そうだった〜。普通に忘れていた。まあ、仕方ないな。リリアなら問題ないだろう。


 「はい、分かりました。よし、行こうリリア」


 「はい。承知致しました」


 俺は早速ルナらしき人物がいる方へ小走りで向かった。もちろんリリアも早歩きかつ周りに迷惑のかからない程度のスピードで着いてきている。

 ルナの隠れている柱に辿り着くと気付かれないようにそっと覗き込んだ。案の定、そこに居たのはルナだった。体勢を低くして。俺が見ている逆側から夜会を見ていた。気付いている様子もないので声をかけた。


 「おい、そんなに気になるならお前も行けばいいだろ」


 「へ?……って、うわぁっ!いてて…もう!急に驚かさないで下さい!」


 ルナに声をかけると驚いて尻餅をついてしまった。さっきまでの王女の態度とは全然違うな。これじゃ、残念王女だな。


 「いや、悪りぃな。ずっとこっちを見ていたから気になってな。で、こんなとこで何してるんだ?」


 「ちょっと、こっち来てください!」


 ルナはそう言って俺の腕を引っ張って夜会をやっている部屋から出て行った。

 部屋を出て少し廊下を走って俺とルナが会った中庭に来た。


 「いい加減、放せ」


 俺は、ルナに掴まれていた手を振りほどき、服のシワを伸ばしながら言った。


 「ああ、ごめなさい…」


 ルナは軽く礼をしながら謝罪する。王女に謝罪をさせるなんてとんでもない事だと思ってるかもしれないが悪いのは全部向こうなんだから仕方ないだろう。とりあえず、近くにあった柱を背に中庭の方を見ながらしゃがみ込む。突っ立ったままのルナに気になった事を聞いてみる。


 「そういえば、お前なんで俺をこんなとこに連れてきたんだ?」


 「あなたに文句を言いたくて隙あらばここに連れてこようと思っていたの。でも、まさか気付いているとは思いませんでしたけどね」


 「で、その文句とは?」


 「あなた、よくも城の衛兵に言ってくれましたね!」


 怒鳴るようにデカイ声でルナが叫んだ。


 「っう…お前、うるせぇな。んなデカイ声出してるとまた衛兵が寄ってくるぞ」


 そう言うとルナは慌てて口を手で塞いだ。ルナは辺りを見渡し誰もきていないことを確認して口を塞いでいた手を外した。そして、今度はルナもしゃがみ俺に近付き小声で話してきた。


 「あなた、言わない約束って言いましたよね」


 「いや、お前が勝手に言わないでって言っただけだろ。約束はしていない」


 「それでも、あなたは私の言葉に、わかったよ、と返事しましたよね?」


 「簡単に人を信じるなって事だ。これでひとつ勉強になったな。それと、」


 俺はずっと気になっていた質問を投げかける。


 「リリアはどこいったんだ?」


 そう、リリアが見当たらないのだ。一応部屋を出る前は側にいたと思うんだが、ルナに手を引っ張られて部屋を出てからよくわからなくなった。


 「リリアってあなたに着いてきていたメイドのことですか?」


 「そうだ。さっきから探しているんだが見当たらなくてな。ついてきてると思ったんだが…」


 「それなら、部屋を出る前からあなたを見失っていましたよ」


 な、なんだって?口には出さないが心の中で叫ぶ。まさか、俺がルナを見つけて走った時から見失っていたと、そういうことか?着いてきていると思っていたんだが…そういう事なら早く戻らねば、リリアが心配して父さんに言ってしまう前に。


 「じゃあ、俺はもう戻るからな」


 俺はそう言って立ち上がり、夜会が行われているホールに戻ろうとする。


 「あっ、ちょっと待って」


 ルナが急に俺の腕を掴んできた。


 「なんだよ」


 「あなた、また誰かに言いに行くつもりじゃないでしょうね?」


 「あ?そんなに心配なら着いてくればいいだろ。ていうかこの手、早く離してくれないか?」


 「ああ、ごめんなさい…」


 そう言うってルナは掴んでいた手を少し、躊躇いながら離した。


 「それじゃあな」


 俺は、ホールに向かうために歩き出そうとした。


 「やっぱり、待って下さい!」


 今度はかなり大きな声を出しながらルナは俺の手を掴んできた。いや、それ以上に抱きついてきた。身長的にはギリギリ俺の方がデカイが、すごい顔が近い。ルナは気にしてないようだったが、こっちは前世でもこんなに女に近づいた事ないし気が気ではなくなりそうだ。なんか、ふわりと甘い匂いが鼻を刺激する。気を紛らせようとルナに話しかけた。


 「おい、どういう事だ?そんなデカイ声出したらお前の嫌いなお城の衛兵が来ちまうぞ。」


 嫌味を含ませながら、ルナに言った。少し、ビクリとし顔を下に向けたがすぐに顔を上げた。だが、顔には少し不安の色があったので俺は、辺りを見渡し、誰もいないことを確認し


 「大丈夫だ、誰もいない」


 そう伝えるとルナの顔には安堵の色が浮かんだ。


 「ところで、そろそろ離れてくれないか?キツイんだが」


 「え?あっ、えっと、ご、ごめんなさい!」


 顔を真っ赤にしながら全力で謝ってくる。


 「それで今度は何だ?あと、急に抱きついてくるな。びっくりするわ」


 「ホント、ごめんなさい…」


 「謝罪はもういいから、何の用か早く言え」


 「えっと…その……私も、一緒に行っていいですか……?」


 何か言ったようだったが声が小さすぎてよく聞こえなかった。


 「すまん、よく聞こえなかった。もう一度言ってくれ」


 「だからっ、その……私も、一緒に行っていいですかっ」


 今度は、ちゃんと聞こえた。俺は少し考えるようなフリをする。まあ、別に問題はないんだが、部屋にいると思われてるルナが俺と一緒だったら色々と誤解を招くんじゃないか?そう一瞬思ったが、こいつなら何とかするだろ。


 「別に構わない。おい、そうと決まれば早く行くぞ」


 「はい」


 そして、2人で歩き出した。歩きながら俺はふと疑問に思った事があったのでルナに質問した。


 「そういえばお前、何で俺に抱きついてきたんだ?別に何かあったわけじゃないんだろ」


 「いや、えっと、咄嗟にだったのでよくわからないです。強いて言えば、同じ年の人とこんなに喋った事なかったので、その…ちょっと嬉しくて」


 つまり、ただ単に寂しかっただけかぁ…そんな事でいちいち抱きついたりするなよ。紛らわしい。


 「そんだけかぁ〜」


 「それだけとは何ですか!私はずっと城で1人なんですよ。それをあなたは…


 「ああ〜、はいはいわかりましたよ」


 「ちょっと、ちゃんと聞いてくださいよ」


 そう2人で喋っているといつのまにか大ホールの部屋の扉の前に着いていた。まあ、正面から入る扉ではなく飛び出してきたときと同じ扉だけど。


 「よいしょっと」


 俺は、掛け声とともにとびらを開けた。

15話目の投稿になります。作者の霊璽です。

いや〜今回は、いつもより少し長めに書きました。特に意味はないんですけど、こうなんていうかアイディアがポンポンと出てきてですね〜ゴホンッ、まあ、自分のことわこれくらいにして。

今回は、またルナちゃんとおしゃべりする話でした。サイコパスでもドキドキしますよ!

いや〜次回はどうなるのか楽しみですね!

今回は全部長くなってしまいましたが、また次回の話で…………

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ