初めての夜会
父さんに呼ばれて門の前まで走って行った。そして俺が父さん達の場所まで行くと父さんが門番の人に招待状を見せて門番の人に誘導されて城の中に入れてもらった。中に入ると外で見えてた以上にキラキラしている。天井にはシャンデリアが何個もあり、昼間のように明るかった。長い廊下を歩いて行くと夜会をやるための大ホールみたいな場所にとうされた。
「うわぁ〜、広っ」
あまりの広さに思わず声が出てしまった。中には、オーケストラのような人達が賑やかな音楽を奏でている。他にも、たくさんの丸テーブルがあり、そこにはたくさんの豪華な料理が並べてある。どれも美味そうだな〜、と思いながら周りを見渡す。何がどこにあるのか、などなどを確認する。他には、オーケストラのような集団が何かしらの曲を弾いている。
父さん達は、知り合いの貴族に挨拶している。もちろん俺も父さん達には着いて行ってはいるが、会釈をするだけにしている。あんま知らない人間とは話したく無いからな。貴族の中には、俺と同じ歳くらいの子供がいるが向こうも特に話しかけてこないし。
「アクシス、とりあえず父さんの知り合いには大体挨拶出来たから、気になるところがあるなら行ってきていいぞ」
「本当ですか!それは行ってきます」
「ああ、ちょっと待て。リリア一緒に着いて行ってやってくれ。国王様が来たら、戻って来てくれ」
「承知しました。それでは行きましょう、アクシス」
まじかよ。出来れば一人で行きたかったが、まあ仕方ない。俺は、父さん母さんに軽い一礼をして、料理が並んでるテーブルに向かって行った。
近くで見れば見るほど美味そうだ。食っていいのか分からないので周りを見渡せば、誰も料理に手をつけていない。大体片手にワイングラスを持っているぐらいだ。俺と同じくらいの歳の子供もいるが全員家族のもとにいるからこっちに来る気配ない。まあ、たまに目が会う時があるが、すぐに逸らされる。
ま、そんな事はどうでもいい。今はこの目の前にある美味そうな料理をいただくとしよう。そう思い、ちょっといただこうかなぁと料理に手を出そうとしたら横から腕を掴まれた。横を見ると、リリアが目でダメって言ってるような感じで腕を掴んでいた。
「アクシス様、ダメです。それは、国王様が来てから全体で食べるものなので」
普通に言葉でも言われた…まあ、でも、ダメなら仕方ないか。そう思い手を引っ込めた。料理が食えないんじゃ、どうしようもないから父さん達のところに戻った。
「お、アクシス。意外に早かったな」
「ええ、まあ、つまみ食いしようと思ったんですけどリリアに止められてしまって…」
「ははは。それは、残念だったなぁ」
くっそ、笑い事じゃねぇぞ。俺今結構腹減ってんだからな。でも、このまま国王が来るまでここにいるのも退屈だな。探検でもしてみるか。
「父上、ちょっと城を探検してきます」
「ああ。だが、この城には入ってはいけない部屋などたくさんあるからな。リリアの言うことをしっかり聞くんだぞ」
「はい、分かってます。それじゃあ、行こう、リリア」
「はい、承知致しました」
父さんからの許可は取ったので、俺は、この大ホールから出て行き、ひたすら長い廊下をリリアと一緒に歩いていた。俺から見て左側には中庭らしき場所になっている。花やら木やらが大量に植えてある。その中にはベンチが何個か置いてあった。
キョロキョロしながら歩いていると何か木の隙間に動くものが見えた。もうすでに夜になっているので目視では何がいるのか見えない。ここ最近やっと魔力の流れを見る感覚と通常の目の使い分けができるようになった。一応流れは全身で感じていることらしいが脳で全部見ているので視覚と見ている感じは変わらないのだ。まあ、そういうことで魔力の流れを見ることにした。
うーん、見た感じ女っぽいな。腰の辺りまで伸びた髪を見る感じだがな。しっかしなんでこんなとこにいるんだ?少し近づいて話しかけてみるか。そう思い、中庭の方に歩いて行こうとしたらリリアが
「アクシス様、どちらへ行かられるのですか?そちらは、王宮の中庭ですよ。」
「ああ…ちょっとこういうのいいなと思ってな。リリアは、そこで待っててくれ」
「しかし…」
「大丈夫大丈夫。なんかあったら大声で助けて〜って叫ぶから。それとも俺の頼みは聞けないのか?」
そう聞くとリリアは一瞬考えたような顔をしたがすぐに返答がきた。
「いや、そういう訳では…」
「じゃあ、待ってくれ」
そう言って俺は、女がいる方に走って行った。
魔力の流れを見ながら木々をかき分けて進んで行った。この辺にいるはずなんだが、と思いながら歩いて行くとガサガサと聞こえた。俺は聞こえた方を見ると金色の頭が見えた。それで隠れてるつもりかよ、と思いながら近づき声をかけた。
「おい、そんなとこで何してんだ?」
「ひぅ、えっ、あ、あなたこそ誰ですか?」
声をかけるとビクリと震えながら振り向いた。振り向いた女は俺と同じくらいの歳の少女だった。腰より少し上の辺りまで伸びた金髪に翡翠色をした綺麗な目をしている。典型的な美少女だ。だが、そんな事はどうでもいい。そもそも質問は質問で返すなよ。ここにいるなら貴族かなんかだろ。それならそれくらい分かるだろ。躾がなってないな。
「おい、質問してんのはこっちなんだよ。それに答えたら俺が誰か話してやる。」
「あなた偉そうですね。私が誰かわからないのですか?」
「ああ、知らんな。ていうか、興味もない。俺が知りたいのはこんな所で何をしていたのかだけだ。あと、めんどくさいから自己紹介とかも要らねーぞ。」
そう言うと少女の方は一瞬驚いた顔したが、すぐに諦めたような顔をして口を開いた。
「はぁ、分かりました。でも、一応名前だけは言わさせてもらいますよ。私は、ルナ・フューリア・レギンスです。それでは、あなたの名前を教えて下さい?」
「ちっ、仕方ねぇな。俺は、アクシス・フォン・ガーディナだ」
「あなた、貴族ですよね?もし貴族ではなくても口が悪いですね。もう一度ちゃんとした教育を受けた方がいいのでは無いのですか?」
「うるせぇ、そんな事よりお前がこんな所で何をしていたのかを言え」
「……誰にも言わないで下さいよ」
「それは話を聞いてからじゃないと約束できないな」
「えぇ…それじゃあ、私も言いません」
はっきりとし断られた。だがこんな所で何をしているのかなんて大体わかるけどな。多分、誰かから隠れているんだろう。少女、もといルナ見ているとずっと辺りをキョロキョロしている。
「お前、ずっと辺りを見てるけど誰かからか隠れてんのか?」
「なっ、なんで分かるのですか⁉︎」
「いや、なんとなく。まあ、これでお前がこんな所で何してんのか分かったからもういいや。じゃあな」
「えっ、ちょ、ちょっと待ってよ。お願いだから私がここにいるって事は誰にも言わないで」
「ああ、わかったよ」
俺はそう言ってそこから立ち去った。ルナの方はまだキョロキョロしている。まあ、誰にも言うなって言われたがそんな事誰が守るか。リリアにでも伝えておけばすぐに連れていかれるだろう。困った顔を想像すると腹の底から笑いがこみ上げてくるわ。そう思いながら木々の隙間を通りながらリリアと別れた廊下に出た。
そこには、リリアがかなり心配そうな顔をしながら待っていた。そして、リリアは俺を見つけると急いで駆け寄ってきた。
「アクシス様、ご無事で何よりです」
「ああ、心配をかけた。すまない。あ、そうだ。さっきそこに金髪の少女が隠れていたんだ。あとでリリアの方から衛兵の人に言っておいてくれないか。」
「金髪の少女ですか…承知致しました。あとで王宮の衛兵に伝えておきます。あの、一応名前のほうをお聞きしてもよろしいですか?」
「ん、ああ、名前か。えーっと、確かルナなんとかって言ってたよ」
「ルナですか…分かりました。では、ひとまず戻りましょう」
「そうだな、行こう」
そう言って廊下を歩いて父さん達のいる大ホールに戻った。
父さん達のとこに戻るとリリアはすぐに衛兵の所に行き中庭にルナがいると言うことを報告しに行った。衛兵がリリアに感謝をしていたが、なんでなんだろう?と思ったが、そんな事よりアイツが悔しがる顔のほうが俺は楽しみだ。
しかし、王の夜会って言っていたが肝心の王様がいないんじゃ始まらないじゃないか。はぁ、何をしているんだよ。と思っていたら、階段の上から声が聞こえた。
「皆の者静かに!王様の御成り〜」
大ホールの奥にある扉が開かれ、中から金色の髪と髭、翡翠色の目をしている結構歳をとったおじさんが出てきた。でもなんでだろう?なんか見たことあるな。あの雰囲気誰かに似ているんだよな。誰だっけ?そう考えていると王の後ろから、3人ほど出てきた。1人は、王妃様らしき人、1人は10歳くらいの男の子、まあ第1王太子だろう。そして最後の1人は、さっき中庭であった少女、ルナだった。
「えっ⁉︎」
14話目の投稿になります。作者の霊璽です。
投稿が遅くなってすいません。書きたいことはたくさんあるのですが、なにせ自分の語彙力がないので大変なんですよね。まあ、こればっかりは自分でなんとかしないとですね。
それより、今回は、アクシス君の初めての夜会です。そして、ヒロイン(仮)の登場です。これからのポジションもお楽しみにしてください。
長くなりましたが、また次回の話で……




