王都に行けるようになったぜ!
翌日、朝食を食べ終わった後、俺は自分の部屋にいた。俺は今問題にブチあったている。そう、その問題とは、別邸からどう王都に出るか、という事だ。それに、髪の色の事もある。うーん、どうするか、と悩んでいると、コンコン、とドアが叩かれた。どうぞ、と声をかけると、失礼します、という声と共にドアが開かれた。振り返るとリリアがドアの側に立っていた。
「どうした?」
「はい、旦那様がアクシス様をお呼びになっていました」
父さんが俺を呼んでいた?なんか裏がありそうだな。いや、ただ単に話があるだけかもな。
「わかった。すぐに行く」
そう言って椅子から立ち上がった。そして、部屋を出て父さんの所に向かった。まぁ、場所はわからんのでリリアに案内してもらったけど。
父さんの部屋に到着したのでコンコン、とドアをノックして開けた。そしたら、部屋の中から、
「入れ」
という声が聞こえてきた。俺は、失礼します、と言いながら部屋に入った。部屋に入るとソファに父さんと母さんが座っていた。そして、父さんがこっちを向いて、
「おお、アクシスか。今日呼んだのはな、お前の今後についてはそうと思って呼んだんだ」
「今後の予定ですか?」
俺はまだ5歳だぞ。こんな子供の今後の予定ってなんだよ…もっと年齢を重ねてから考えるもんじゃないのかよ。
「ああ、お前の髪の色についてどうするかって事だ。選択次第でお前の今後に関わるからな」
そういう事か。それなら、納得だな。でもどうすんだ?髪の色なんか変えられないだろ。
「でも、どうやって髪の色のことを解決するんですか?」
「その解決法なんだが、シイラが魔法を新しく作ったんだ。お前のために髪の色を変える魔法をな」
「そうなんですか?」
母さんの方を向きながら、聞いた。実際、髪の色を変えられる、という事はなんてことないかもしれないが今の俺にとっちゃかなりありがたいものだ。前みたいにどこぞの馬鹿が襲ってくるかもしれないしな。
「ええ、昨日ようやく完成したのよ。でも、まだ試作段階だから、色が変わっている時間が短いと思うけど、許してね」
「魔法を作るなんてすごいですね!さすがです!」
いや、本当にすごいな。この世界の人間の想像力からしたら、魔法を作るなんてかなり大変なことだよな。本当まじで尊敬するわ。
「じゃあ、早速やるわね」
「はい、お願いします」
「えっと、とりあえずアクシスは目をつぶってて。」
「わかりました」
俺は、母さんに言われたとうり目をつぶった。まあ、目をつぶっても魔力の流れは見えるから意味ないんだけどね。そんなことを考えていると母さんが俺の頭の上に手をかざした。そして何かブツブツと詠唱をし始めた。
そうだ!ただ目を瞑っててもあれだしこの2人の魔力核でも見てみるか。そう考えた俺は『魔力感知』を使って2人の魔力核を見る。父さんは結構小さいな。普通の人の2分の1くらいか。それに比べて母さんの方はそれなり魔力核が大きい。普通の人の1.5倍くらいか。2人の魔力核を観察していると母さんの方に気になることがあった。母さんの腹にかなり小さいが魔力核が出来ていたのだ。
これは…もしかして妊娠しているのか。しかし腹はまだ大きくなっていない。多分、母さんすら気づいていないのだろう。まあ、その時になるまで言わないようにするか。
そして、魔力の流れを見ていると母さんの手に魔力が集まっている。そして魔法陣が構築されている。母さんが詠唱を終えると魔法陣が発動した。
「よし、できたわ!アクシス、もう目を開けても大丈夫よ。」
そう言われたので目を開ける。よし、体に特に異常は無さそうだ。そう思いながら、手を握ったり、開いたりを繰り返している。そんな事をしていると母さんが鏡を持ってきて、
「アクシス、ほら見て」
と、俺の前に鏡を持ってきた。鏡を見て驚いた。
「おお、金髪になってるっ!」
俺の髪の色が白色から父さんや母さんと同じ金色に変わっていたのだ。
「これで、あなたも外に出れるでしょ。多分、魔法の効果はもって1日だと思うから気を付けてね」
「はいっ、わかりました」
「アクシス、今日これからな父さんと母さん仕事があってな。だから今日はリリアと一緒に王都でも観光してくるといい。せっかく外にも出れるようになったんだしな」
「良いんですか?」
「ああ、構わないぞ。ただし、日が沈む前に帰ってこいよ」
「はいっ、わかりました。ありがとうございます」
よっしゃぁ。ついに念願の堂々と街を歩ける。これも母さんのおかげだ。だがしかし、リリアと一緒っていうのがちょっとなぁ。まあ、何とかなるだろう。でも1人で行きたかったなぁ。とか、考えていると父さんが、リリアを呼んだ。
「はい、お呼びでしょうか、旦那様」
「早速で悪いんだが、アクシスに王都を案内してやってくれ」
「はい、分かりました」
いいんだ…なんか疑問とか持たないのか。いや、たとえ疑問を持ってても言えないよな。自分の主人には。まあ、それよりも早く準備して王都を観光だ!そう思い、父さん達の方を向き、
「準備を整えたらまた声をかけます。それでは、失礼します」
そう言い、部屋を出た。もちろん、リリアも一緒に部屋を出ている。そして、階段を急いで駆け上がり、部屋に入った。ふと、今疑問に思ったことがある。俺、なんか持っていくものってある?と。そうだ、リリアに聞けば良いか。そう思い、リリアに声をかけた。
「リリア、ちょっと良い?」
「はい、何でございましょうか?」
「これから王都に行くじゃん。そのために、俺って何か持っていくものってある?」
「いえ、特には、ございません。必要なものは、全て私が持っていくので、安心して下さい」
「そっか。じゃあ、任せるよ」
「はい、承知致しました。それでは、私も準備してきます。準備が終わり次第またこちらに来ます」
「わかった。じゃあ、待ってるよ」
そう言ってリリアは部屋を出て行った。ああ、とりあえず、今はやる事がねぇな。んー、どうするか。そうだ。今わかってるこの世界についての事をまとめよう。本に書いておくか。そう思い、机に向かい椅子にに座ってノートを開いた。ひとまず、書くことはこの世界に、魔法というものがあるという事、あとスキルというものがあるという事だな。
魔法に関しては、自分の魔力を起源に周りの魔力を使うって感じだな。そして、その周りの魔力を流れとしてこの世界の人間は見る事が出来るらしい。魔力は全ての生命が持っている。そしてここ最近気づいた事は、人によって魔力を外に放出している量が異なるって事だ。これによって俺は、魔力の流れによって人を見分けられるってわけだ。くっきり形がわかるのもこれのおかけだと思う。
あとは、魔法を使うためには、明確なイメージが必要だって事だ。まあ、この世界の人間は、詠唱しないと魔法を使えないと思い込んでるけどな。まあ、多分詠唱することによってイメージを明確にしているのだろう。
スキルについてこの世界の人間は、この間読んだスキルについての本によれば、神様からの贈り物だと思っている。さらに一人一つ、スキルを持っている。極たまに二つ持っている人間もいるらしいがな。ん、待てよ。じゃあ、俺はどうなるんだ?俺『スキル生成』でかなりぽんぽん作ってるじゃん。まあ、周りの人間にスキルを知る方法は無いだろうから大丈夫だろう。
よし、このくらいで良いだろう。そう思いノートを閉じた。そして椅子の背もたれに体を預ける。
「あ〜あ、リリア、遅いなぁ。王都の観光早くしたいのに」
* * *
私は、アクシス様の部屋から出て行くと急いで自分の部屋に戻りました。遂にやっと、アクシス様と一緒に外へ出かけることができます!今までは、アクシス様が小さかったり、髪の色の関係で外へ出ることは禁じられていましたが、奥様のおかげでやっとアクシス様が外に出られるようになりました。おっと、こんな事にかまけている暇はありません。急いで準備しなくては、アクシス様を待たせるわけには行きませんからね!なので、私は急いで準備を整えていきます。そして、ある程度準備を終えたところでベッドに座り、少し休憩します。
「はあ、アクシス様可愛すぎませんかあぁぁっ!」
私は、ベッドの上で悶えながら外には聞こえない程度の声で叫びます。ダメです。アクシス様の近くにいるだけで、顔がにやけてしまいそうになります。まあ、いつも我慢してますけど。
「はっ!こんな事してる場合ではありません。アクシス様を待たせているのですから、早く向かいましょう!」
そう思いアクシス様の部屋に向かっていきます。
* * *
特にすることも無いから一人でブツブツぼやいていると、コンコン、とドアを叩く音が聞こえた。俺は「どうぞ。」と言うと、「失礼します」と言う声と共にドアが開いた。もちろん、声の持ち主は、もちろんリリアだ。
「準備できた?」
「はい。大丈夫です」
「じゃあ、早く王都の観光しに行こう!」
俺はそう言って駆け足で部屋を出て行く。もちろん、リリアも後ろからついて来ている。スッゲェ楽しみだ。何があるのか…ワクワクするぜ!そう思いながら俺は、リリアと一緒に家の門から出て行った。
11話目の投稿です。作者の霊璽です。
今回は、アクシス君に転機が訪れる話になっています。まあ、金髪になるなんて普通は染めない限りはあり得ない話ですからね。しかし、それを可能にするのが魔法というものですからね。
次回からは、アクシス君が王都を観光する話だと思います。
それでは、また次回の話で……




