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王都に着きましたー!

 少し揺れる馬車の中で酔いを誤魔化すために寝ていた。そしたら、


 「アクシス様、起きてください」


 リリアに軽く揺さぶられながら声を掛けられたので目をこすり、あくびをしながら起きた。あたりは少し暗くなり始めている。


 「もう、着いたのですか?」 


 一応、両親がいるので敬語にしながらリリアに問いかけた。


 「はい。もう、そこに王都が見えています」


 そう言われて窓から顔を出すと外はもう夕方だった。そして、そこに見えたのは、城壁だった。なるほど、王都は城壁に囲まれているのか。街道の先には王都の中に入るための門があった。俺は、窓から顔を戻して再び座った。いや〜、王都か、楽しみだなぁ〜。


 「アクシス、どうした?そんなにそわそわして?初めての王都でワクワクしているのか?」


 「はい!それはもちろんです!」


 俺は勢いよく答えた。どんな物があって、どんな食べ物があるのか、それだけで頭がいっぱいになる。

 そして、門の前まで来て止まった。通行許可とか言うものだろう。父さんが窓を開けて兵士と話し始めた。


 「王都には、どう行った用事で?」


 「ああ、王様に夜会に招待されていてな。その件だ。これがその招待状、確認するか?」


 とか、そんな話してる。門の前の兵士って貴族でも念入りに確認取るんだな。あ、終わったっぽい。

 ついに初めての王都だ、と思い窓を開けて外を見ようとしたらリリアに、止められた。


 「アクシス様、少し外を見るのはお控えください」


 あ、そうか、俺って珍しい髪の色なんだっけ。確かに貴族の馬車から白髪の子供が見えたら誰でも狙うか。


 「わかったよ。今はまだやめとく…」


 俺は心の中でため息を吐く。なんで髪の毛白いんだよ。これじゃあ、普通に外も歩けないじゃないか。

 ところで、今どこに向かってるんだろう?父さんに聞いてみるか。


 「あの、今ってどこに向かわれているんですか?」


 「そうか、アクシスは知らないんだったな。今向かっているのは王都にあるガーディナ家の別邸だ」


 なるほど、俺が住んでいたのが本邸で今向かっているのが別邸だと、ちょっと金持ちすぎじゃあ、ありませんかね。いや、俺が知らないだけで貴族っていうものはこれが普通なのか?分からん。はあ、王都の街並みも見れないし、貴族の感覚ってよく分かんないし、国王とかが開く夜会とかめんどくさいし、なんか楽しいこと起きないかなー。ていうか、自由が欲しい。とかスキルや魔法のこととかその他いろいろ考えていたら、馬車が止まった。そして、すぐに扉が開いた。開いた扉から外を見ると門の前に止まっていた。

 父さん、母さん、俺、リリアの順番に降りた。そして、リリアに促されるように門の中に入った。見た感じ、領都の本邸より小さいがそこら辺の家に比べればやっぱりでかい。


 「アクシス、着いたぞ。ここがガーディナ家の別邸だ」


 「すごいですね。初めて来ました」


 とりあえず感想を言う。みんな「そうだろうな」という目で見てきた。そりゃあ、王都に来たことない奴が別邸に来たことあるわけないんだから…もっと別の感想言えばよかった、と思いながら、別邸の中に入っていた。

 中に入るとここの執事とメイドが横並びで出迎えてくれた。


 「お帰りなさいませ。旦那様方」


 出迎えてくれた執事長っぽい人が挨拶してきた。見た目は、整えられた白髪に、いろんなところにシワがある。優しそうな目をしているが物事はキチッとやりそうな雰囲気がある。服装は、定番の燕尾服だな。隣にいるメイドさん達も美人だ。そんな事を観察していたら、


 「うむ、出迎えご苦労であったな」


 「いえいえ、主人を出迎えるのも我々の仕事なので。」


 父さんと執事長が話してる。多分、この後の予定のこととかに着いて話しているのだろうが、待っているこっちは暇なんだよなぁ。早く部屋に連れて行って欲しい。と思っているとリリアが、


 「アクシス様、お部屋にお連れ致しましょうか?」


 「いいの?」


 「はい、大丈夫です」


 「じゃあ、お願いするよ」


 「では、ご主人様に許可を得て来ます」


 そう言ってリリアは、父さんの方に行き少し話をして戻ってきた。


 「それでは、行きましょう」


 おう、と言ってリリアに着いて行った。

 階段を登り、少し歩いた所でドアの前でリリアが足を止めて、


 「ここが別邸でのアクシス様のお部屋です」


 そう言ってドアを開けて俺に入るように促す。せっかく開けてもらったのだから遠慮なく入った。特に本邸と変わらぬ間取りで早く部屋に慣れそうだ。ただ、少し質素だな。急いで用意した感じだな。


 「それでは、何かあったらお呼びください」


 「わかった。案内ありがとう」


 「それでは、失礼します」


 そう言ってリリアは出て行った。さて、王都の街並みを眺めるか。そう思って窓を開けて外を眺めた。窓を開けると、気持ちの良い風が入ってきた。そして、ここに着いたのも夕方なのもあって夕焼けが綺麗だ。

 王都の街並みもすげぇな。領都とは、かなり賑わいが違う。王宮の夜会かぁ。めんどくさいなぁ。途中で抜け出して、王都でも観光するか。ってなると今やることないな。

 そうだ。『超越』を少しだけ改良するか。そうだなぁ、この世界にはスキルっていうものがあるからそれに対応できる効果でも付け足しとくか。そうと決めれば、すぐにやろう。善は急げってやつだな。


 「『スキル生成』」


 そう言って、ピンク色のパネルを出した。文字入力の下をスクロールすると今まで作ったスキルが出てきた。そこから『超越』を選ぶ。選ぶとそのスキルについての詳細が出て来る。俺は、そこに一つの文を付け足す。内容としては、簡単に言うと『相手がスキルを使った時点で俺に干渉する効果だった場合その効果が効かなくなり、相手以上の効果を使う事が出来るようになる。』というものだ。

 まあ、スキルなんて1人一つしか持ってないらしいからそのスキルさえ封じてしまえば、必然的に俺の勝ちになるってわけだな。たまに2つ持ちもいるらしいがな。

 さて、する事が無くなったな。どうするか。とか今後の事を考えながら、椅子の背もたれに寄りかかる。そうだ。リリアにさっきの事どこら辺から見ていたのか聞かなくては、そう思いリリアを呼んだ。


 「リリア、ちょっと聞いてくれ」


 「はい、お呼びですか?」


 はやっ、ドアの前で待機していなくちゃここまで早く来れないだろう。もしかして…ずっと待機していたのか?これは聞かなくてはならないな。


 「リリア、お前に聞きたい事が二つある。一つ目は、お前ずっと俺の部屋の前で待機していただろ」


 リリアはそう聞かれるとビクッと体を少し震わせて、


 「い、いえ。そんな事は有りません」


 あれ、今完全に動揺していたな。そう思い、ジト目でリリアを見つめると視線を僅かにズラした。つまり、図星かぁ。怖いなぁ。あれ、じゃあ『スキル生成』って言ってたのも聞かれてたって事だよな。マジかぁ、最悪だ。俺もスキルを改良していて気付かなかったし。まあ、もう、聞いてしまったなら仕方ない。それよりも問題は二つ目の質問だ。


 「まあ、ドアの前で待機していた云々はいい。いやよくはないが…。それより、俺がオークと戦っていた時、いつからあそこにいた?」


 「はい、そうですね、アクシス様が一体目のオークの頭を吹き飛ばした辺りからでしょうか。」


 うわぁ、結構最初の辺りから見られていたんだな。戦ってるのに夢中で周りの魔力核をよく見ていなかったからな。結局、全部俺の不注意かぁ、今度から気を付けよう。


 「そっかぁ。リリア、誰にも言ってないよな?」


 「はい、それはもちろんです。アクシス様の命令なので」


 「まあ、命令って言うよりかは、言わないっていう約束だけどな。なぁ、リリア。少し暇だから話相手になってくれないか?」


 「はい、仰せのままに」


 そして、俺はリリアと夕食の時間になるまで他愛の無い話をして過ごした。

 そして夕食を食べ終わった後、俺は新たな自分の部屋に戻り、明日の予定を考え始めた。

 明日は特にする事はないらしいのだがどうせ俺は外には出られないんだろうから困るよなぁ。王宮の夜会も明後日だしな。そうだ!新しい魔法でも考えてみるか。イメージで魔法が使えるんだから好きな魔法とか自由自在に使えるだろう。よし、明日はどうにかして王都の外に出て魔法の訓練だ。

 まず、なんの魔法を使うか考えるか。どうしよう?うーん、そうだ。転移魔法とか使ってみたいな。ちょっとやってみるか。えーっと、魔法陣を展開して行きたい場所を想像して、とりあえず、玄関前に行くか。よし、玄関前を想像して、


 「転移」


 そう叫ぶと一瞬目の前が真っ白になり、景色が見えてくると玄関前に立っていた。


 「よっしゃ〜、成功した!いや〜、これで行きたい所を想像すれば行けるようになった。よし、戻ろう」


 そして、さっきと同じ手順で(想像する場所は自分の部屋です。)転移魔法を使い、戻った。誰にもバレなかったのが一番いい事だな。しっかし、いちいち行きたい場所を想像するのは面倒だな。なんか記憶力をよくするスキルでも今度作るか。

 まぁ、あとは明日にやるとしてもう寝よう。そして俺はベッドにダイブし、数十分後には寝息を立てて寝た。

10話目の投稿です。作者の霊璽です。

今回でついに二桁になりました。いや〜、二桁も投稿しているのに全然話が進まないっていう問題。そろそろ大きいイベントが来てもいいと思うんですけどね〜。

まぁ、そういうことは後々の話に期待して下さい!

また、ここまで読み続けてくれてありがとうございます。これからもよろしくお願いします!

長くなりましたが、また次回の話で……

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