京さんはご満悦である
「お母さん!!」
「ママァ!!」
娘二人は私の前で土下座をしていた。どうやらお零れを貰う為に頭を下げているらしい。実の娘達とは言え滑稽な姿だ。
(うふふ、だけど嫌な気持ちではないわね。)
そう。これは勝利者の特権なのだ。雅が掲げる『幼馴染の鉄則』など『人妻三ヵ条』に比べれば幼児のようなもの。
(人妻三ヵ条第一条_____真の恋は『浮気』とはならない。)
そう。彼こそが私の運命の人なのだ。
(人妻三ヵ条第二条_____寝取り・寝取られは『罪』に値しない。)
愛するのならば手放すなと言う話だ。故に私に罪の感情はもとよりない。
(人妻三ヵ条第三条_____人妻は必ず幸せな結末を終えなければならない。)
浮気して復讐されるようでは三流。そもそも全ての芽を潰して、浮気とならず幸せとなるのが一流の流儀なのだ。
「このご時世、男も女も貞操は軽すぎる。私の経験人数、何人か分かる?あの人と『彼』だけよ。」
そう。41と言う年齢で経験した人数が旦那と『彼』だけなのだ。
「私はね、一途なの。そもそも旦那には一定の愛はあったけれど心の底から愛していたかと言われると否定せざるをえないわ。」
私は娘二人を見下げる。この哀れな敗北者達に。
「お母さんは恋する乙女なの?その慈悲が欲しいと言うのなら、それをした上で私にどう得が出るのかを説明しなさい雅」
夜桜家長女である雅へと問う。その答え次第で私は慈悲を与えても良い。実娘故に私も甘いのだ。
「うん..............彼の周りに敷いた監視網の共有、数々の秘宝、そして学校内に置ける外敵の排除を約束する。」
この子は変態ストーカーだ。私に似て美人に育ったとは言え、雅がしている事は完璧なる犯罪である。だが、彼女の持つ『力』は私にとっても有用だろう。
「雅、貴方への共有権は認めて上げるわ。それじゃあ、月花は何をしてくれるのかしら?」
次女である月花には『脅迫の才能』がある。まぁ簡潔に言うのなら小悪魔系かつ手癖の悪い悪女の才能がある。ただ、彼女はまだ八歳であり、若い。末恐ろしくはあるが私の『敵』とはなりえない。
「月花はね....................習い事と宿題がんばる!!」
「うん、しょうがないにゃ〜月花わ〜もぅ♡」
はい、可愛いが正義。慈悲を与えましょう。て言うかそんな目で私を見るな、雅。




