幼馴染は負け犬なんかじゃない、ハッピーエンド(上)〜夜桜雅編〜
最近の物語では幼馴染は結ばれない。
ポッとでの美人にその立場を奪われ我が物顔で幼馴染と仲睦まじく日常を過ごす。
反対に幼馴染を奪われた幼馴染はどうなるのだろう。
ただ、その場に立ち尽くし彼等の姿を傍観するしかない。時折此方へと意識を向けてもらう為色々と試行錯誤をするが無駄だ。
何故なら彼の心は既に幼馴染から離れつつあるのだから。
「私、何してるんだろう......」
三日月先輩から告白された。即座に断るべき事なのに其れをしなかった。何故なら、此れはいい起爆剤になるかも知れないと内心に感じたからである。
(君との関係を前進させたい......けど)
単純に気持ちを打ち明け振られればどうなる?私は恐らく彼を襲い既成事実を作るか、最悪の場合、自殺をする可能性だって低くない。
「_____きみが好きだよ」
部屋中に飾られた彼の写真や動画類を見て頬を染める。そして目を閉じ再び考える。
(どうすれば彼から私に告白してくれるのだろう?性格は元々長い付き合いで合ってるし、私の顔立ちは悪くないと思う。其れに料理も出来るし........えっちな事だって彼が望むことなら全てをしてあげられる。)
だけどやはり振られるのが怖い。元の関係に戻れなくなるのがどうしようもなく怖いんだ。
「うぅ........」
そして目を再び開け、覚悟を決める。
「_________良し」
此処は賭けに出るしかない。
(三日月先輩が告白した事実をチラつかせて動揺を誘うんだ。)
そうすればきっと彼はこう言ってくれるだろう。
【付き合って欲しくない________俺は雅の事を愛している】
と。付き合うか否かの質問を明日の登校時に聞いてみよう。
(拒絶的な対応をした場合はそのまま私の気持ちを伝える。そして反対に肯定的だった場合は先輩と付き合ったふりをして様子を伺う。)
「むふ.....むふふ......むははははは!」
完璧な作戦に思わず笑い声を出してしまった。
「あぁ......もうすぐ君が私のものになるよ」




