千城島さんは夏になると褐色ギャルになる
「おお!薫ちゃーん!今日も可愛いねー!」
パシャ パシャ
フォトスタジオにて雑誌の撮影をする千城島薫。
「たりまえっしょ↗」キラ☆
親に一流企業の社長を持つ令嬢であり企業の広告塔でもある千城島。順風満帆であり困り事など一つもなかった。
_________彼と出会うまでは。
「ウチカレが↗ちょーかっこよくて→マジテンションアゲアゲって感じ↑」
「ねぇ、その『ウチカレ』って人が入るならあまりひっつかないで貰えるかな?」
腕に腕を絡めてくる千城島。それも昼休み、教室。山田にヘルプの合図を送る。
「ちょー照れてるやんwwウチカレww」
案の定、山田は教室から出て行った。中指を此方に立てながら。
「そのウチカレ、俺を指してるの!?」
それにクラスメイト達の視線が凄く痛いです。
「じー」
(まぁ何はともあれ問題はもう一つある)
隣で自分達の行動を凝視する幼馴染さんだ。
「離れろよ、売女?」
(口悪!?)
「あ?ストーカー女は黙ってろよ。」
すると雅さんはヤンキーの様に机を蹴り上げ、千城島を自分から引き剥がした。
「邪魔しないでくれる↑メンヘラとかウチカレくんかわいそーなんですけど→」
千城島は掴まれた裾を直すように叩く。そして再び自分の隣へと腰を下ろした。
「私メンヘラじゃないんだけど。」
「ウチも売女とか言わんでくれん↑」
「ヤリマンのお前には分かんないんでしなょーけど、彼一筋だし。」
「とか言って彼氏作ってたじゃんw」
「彼の気を惹くためだから。キスも何にもしてないし。」
「でも手くらいは繋いだんでしょ、『売女』ちゃん。ウチはアンタと違って男と付き合ったことないんだけど→」
「会社の広告塔として色んな雑誌の表紙に出てるけどどうせ枕なんでしょ?」
「「はぁ?」」
(山田ぁーーー!!)
自分を挟んでこのお二人方、喧嘩し始めたんですけどぉ!!
「うわ、また修羅場してるよ」
「前髪くんも早く決めちゃえばいいのにね。」
止めて!火に油を注ぐのは!
「「そうだよ!今すぐに決めて!!」」
グイグイと身体を押し付けてくる。
「うっ」
彼氏先輩と付き合う前であれば雅を即決していただろう。しかし、未だに心にしこりの様なものがある。だからといってギャル子を選ぶ訳にはいかない。
(生半可な気持ちで選ぶ奴は_______)
「あ、薫ちゃん!やっと見つけました!もう、いきなり転校して心配したんですからね!」
眼つきが狐のように鋭い龍城ヶ崎さんが廊下から嬉しそうな声を上げ手を振っていた。
「私もこの学校に今日から転入する事になりましたから幾久しく、ですよ。はぁ、どれだけお父様達を説得するのに「はい、幾久しく!」」
彼女の手を握る。
「え?」
素っ頓狂な声を可愛らしく上げる龍城ヶ崎。
(うん、生半可な気持ちで選ぶ奴は最低な奴がする事だよね!)




