3日目 (ようやくの)夜明け
49話目です。少しずつペースを上げて執筆したい所存。
「で、これからどうするかだけど…」
引き剥がしたお嬢様方はすみっこで「ケンカしません」と書かれた看板(作:ベディ)を首から掛けて神妙にしている。あれなら当分大人しくしているはずだ。
掲示板はクエスト発生の影響でお祭り騒ぎだ。恐らく、これから本格的に攻略が始まるのだろう。そして、そうなった時…
「…」「ギ…」
恐らく、否、確実に女王は討伐される。それが本来は当たり前だから。少なくとも馬鹿でかい蜂を…倒すべき敵モンスターを目の前にして、友好的な態度を取ろうとする命知らずはほとんど居ない筈だ。
だが、それでも。それでも『命知らず』筆頭として、一度掬い上げた命を、みすみす投げ捨てるような真似だけはしたく無かった。…例えそれが、僕の矮小なエゴだったとしても。
故に。
「もし、だ」「ギ…?」
「もし、君が良ければ、君がそれで良いと思うなら、僕と一緒に来る気は…ないかな?」
事実は告げない。言えば、それは勧告では無く宣告となる。なら、最後の決断は彼女自身にしてもらうべきだ。
そう思いながら彼女に告げる。さあ、返答は如何に?
「ギ!」
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レギオンホーネット・クイーンがテイムを求めています。
テイムしますか? y/n
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…ならば、僕は応えるのみ。
「ありがとう…よろしくね」
《レギオンホーネット・クイーンをテイムしました》
《名前を付けてあげて下さい》
名前か…どうしよ。
「レギーナ、とかどう?」「ギ〜!」
ラテン語やイタリア語で女王を意味する『Regina』は、どうやら群を束ねる女王たる彼女のお気に召したようだ。これからよろしくね。
で、翌朝。
「すぴー…」「ZZZZ…」
散々夜ふかししたおかげで未だ夢の中なお嬢様方。一体いつベッドに潜り込んだのだろうか。…別にそんなに心配しなくても、一人で眠れるから大丈夫だって…
「ふわぁ…あ」
うん、大丈夫。多分。
彼女たちを起こさないよう、そろりそろりとベッドから降りて、備え付けの椅子に座ってインベントリを探る。…お、あった。
僕が探していたのは昨夜のクエスト報酬。あの後、更に森の奥へと分け入って行ったナオミさんと別れて直ぐに宿に戻って寝たものだから、報酬を確認する余裕が無かったのである。さてさて、今回の報酬は…?
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万力の蜜 レア度:レア
蜂系モンスターの中でも上位種のモンスターが生成可能な蜂蜜。料理の材料にすると筋力にボーナスが確定で掛かる。トロリと濃厚、それでいて潔い味わい。
如水の蜜 レア度:レア
蜂系モンスターの中でも上位種のモンスターが生成可能な蜂蜜。料理の材料にすると敏捷にボーナスが確定で掛かる。サラサラと飲みやすく、爽やかな酸味を持つ。
不撓の蜜 レア度:レア
蜂系モンスターの中でも上位種のモンスターが生成可能な蜂蜜。料理の材料にすると耐久にボーナスが確定で掛かる。かなり粘度が高いが、その分味も濃く、香りも強い。
超高濃度劇毒のレシピ レア度:エキゾチック
島の固有種である蜂の毒腺から採取される猛毒…を人の手で再現せんと生み出された覚書。オリジナルを超えた毒性は、山の如き巨大な獣をも沈めるほどの力を持つのだとか。当然、ただ所持しているだけで処刑されても文句は言えない代物である。
ドス黒い何かのかけら レア度:エキゾチック
森の大熊の身体にくっついていた赤黒いかけら。見ているだけで呪われそう…
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報酬として貰ったのは蜂たちの贈り物、そして、レア度:エキゾチック…?ああ、イベント限定アイテムなのね…納得。…………いやいや待て待て。なんだこの物騒な代物。どう考えてもアウトなシロモノじゃないの。特に最後。「見ているだけで呪われそう…」って何よ。どんな厄ネタかって話。ロイカさんなら何か分かるのかな…?あ、ダメ。島の外へのチャットが封じられてる。この分だと脱出も出来ないのだろうね。残念。
ま、気にしても仕方ない。イベント限定アイテムなら何かの意味があるってことでしょ。気を取り直し、僕は報酬のレシピを見た。
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材料(一つ分)
ドクツルタケ×5
パラライズッキーニ×5
即眠ゴボウの実×5
毒薬×2
ブラッドモス×4
保温草×5
工程
???(調剤スキル&???スキルLv.3以上で開放)
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幾つか見たことの無いアイテムを使うみたいだ。この島でしか手に入らないのだろうか…しかしスキルの有無で工程が分からなくなるのは予想外だった。あれかな?危険物取扱者的なヤツかい?
さてどうしたものか。スキルは今から取っていたんでは間に合わないし…そもそも二つ必要な内の一つは不明だし…普通に持ってるor持ってそうな誰かに事情を話して作ってもらうしか無いか…知り合いにいないかなぁ…
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