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これまでと、これからと

33話目です。ついに!初めての感想が来ました―――!!!!イャッフ―――!!!!!ええ、もう返信は済んでいるので、ええ!皆さんもレビューや感想お待ちしてまーす!!…そういう訳で、今回はいつもとちょっと毛色が違います。

 「ううん…」あれ、わたし、どうしたんだっけ…確か、あれだけ騒がしかった子供たちが急に静かになって、それで様子を見に行って、そしたら…って、何でわたしベッドに⁈ていうかここって、「あ、起きましたか。心配したんですよ、なかなか起きないものだから」


 その聞き覚えのある優しい声に、わたしは思わず自分の身体を見る。服装はいつも着てる白の寝間着(パジャマ)。でもいつもと違って、右腕に、包帯、が…


 「ゔっっ⁈」現実に引き戻される。思い出される情景。音の消えた教会、唐突に現れた町の新任の司祭。そして…「落ち着いてください。もう、大丈夫ですから。もう、おびえる必要は無いんです。だから、安心して」…ありがとうございます。でも、私はもうここには…


 「?何故です。何故あなたがここから出ていかなければ…」ベディさんは知らない。わたしがここに来る人たちを治す魔法が属するスキル、《神聖魔法(ディバインスペル)》は非常に強力な代わりに使用者に条件として《五体満足であること》などを要求する。神に対する盟約なのだそうだ。つまり、今の私には、もう、価値がな「何寝惚けたこと言ってんだアンタ。…んんっ。まず…何か勘違いされてるようですが、貴方の腕はとっくに治ってますよ?」え。


 思考が追いつかないわたしを尻目にベディさんがわたしの右腕の包帯を取る。そこにはぷっつり途切れた右腕が…「あ、れ…?」


 …「治って、る…?」「ええ。まだ治りたてなので動きはぎごちないかもしれませんが、訓練すれば追々」なんで?なんでわたし、あれ、うそ、どういうこと…?


 「まあ色々あって…神様の気まぐれ、程度の認識で構いません」絶対嘘だ。わたしの心は穏やかではなかった。一体全体どんな方法を使ったんだろう。目の前の彼が《神聖魔法》スキルを取得しているとは思えない。それに彼は…真っ当な人間ではない筈だ。少なくとも人間でなければあのスキルは発現しない。それも条件の一つだから。となれば一体、どんな方法を…

 まさか。まさか、噂で聞く、《代償魔法》!?でもあれは、絵物語のような途方もない効果をもたらす代わりに、途轍もない代償を支払う必要が…まさかあなた…


 「あー違う違う。あなたが心配してる方向性の事は一切ない。断じてないです」え、そうなんですか⁈「色々秘密ってだけで、正当な働きに対する正当な権利を行使しただけですよ」そう、ですか……よかったぁ…


 「何ホッと一息入れてんですか。まだ話は終わってませんよ…自分に価値が無いだぁ?(なぁに)寝惚けたことを」そう言って、彼はいきなりわたしを横抱きに抱き上げた。


 「ふぇっ⁈ちょ、ちょちょちょベディしゃん⁈なななななに何して…」「…どの口が言う、か。確かにそうかもね、アキ」「誰と何を話してるんですかぁぁぁ⁈早く下ろしてくださいっ、子供たちに見られでもしたら…」でも彼はいくら言っても下ろしてくれません。うわーん!…ん?(…あれ?この状況…)

 …子供の時。まだ神官としてはひよっこで、半人前扱いもしてもらえなかった下働き時代。ようやくもらえたお小遣いという名のお給金を持って、よく通った図書館。入館料を払って読んだ絵物語。一番好きだった、カエルに変えられた王子様とお姫様のお話…


 (この状況…あのお話の最後とおんなじ…)人間に戻れた王子様がお姫様を抱っこして、自分のお城に帰るラストシーン。そう、配役が違うけど、ちょうどこんな感じに…それで、この後…


 「?どうかしましたか?顔赤いですよ?」「へっ⁈いえいえいえいえっ!なんでもございませんことよ⁈」「…?ほんとに大丈夫ですかぁ?ま、大丈夫って言うならそれでいいんですけどね…はい、着きましたよ」そこにいたのは…






 「おおー!嬢ちゃん復活か!」「やっとかい。心配させてくれるねえ」「あ、ロイカ姉ちゃん起きた!」「おきた-!」「やれやれ、一時はどうなることかと…」「うわ…すげえ美人…」「なぁ、スクショしていいかな?」「バカ。許可位貰え」「つーかあいつ誰だ」「お姫様抱っこ…いいなぁ…」「くっ、リア充め…」「「「「爆発しろ…」」」」「アンタら…」


 この人たちって…「あなたが倒れたって聞いて、みんなあなたが心配だったから来てくれたんですよ。…異邦人(プレイヤー)混じってますけどね。それに、ほら」わたしを降ろしたベディさんが指差す先にいたのは、「あ、あ、ああああ…」赤ん坊の頃からわたしの親代わりになって、わたしを育ててくれた、「マザー…」


 「たまたま近くにいたらしいですよ?なんでも、久しぶりに『娘』の顔を見に来たんだそうで…って泣いてるぅ⁈」…何でだろう。さっきから涙が止まらない。感情が堰を切ったようにあふれ出てくる。


 「うああああ…うわあああん…」「え、ちょ、あの」気がついたら、みっともなく彼に縋りつくようにわたしは泣きじゃくっていた。「あの、人目があるんで、ね?」「うっ、ぐすっ、ヒック…」…うう。やっちゃったぁ。こんな大勢の前で大泣きしちゃって…


 「ふう…だから、話戻しますけど、例え治すチカラが無くなっても、あなたは此処にいていいんですよ。ここはあなたの住む町で、あなたの居場所は此処にあるんですから」そう語りかけるベディさんの目は、どこか嬉しそうで、どこか悲しそうだった。「ほんと、に…?」「ええ勿論。だから早くみんなところに行ってあげて」これだけ人が集まってるんだから、流石に何か言わないと。そう言って彼はわたしの背中を軽く押してくれた。


 …そうですよね。もう、元気になったんですからね。「スウッ…みなさーん!ご心配をおかけしましたー!わたしはもう、大丈夫でーす!」その後聞こえる、拍手と近所の皆さんの歓声、そしてほんの少しの口笛。


 振り返ると、そこにはベディさんの笑顔。…あれ?なにこれ。あれ、何でベディさんの顔、直視できないの?あれ??「ほら、マザーさんが来てますから。積もる話もあるでしょうから僕らはこの辺で」え、あのちょっと…ああ、行っちゃった。あれ、何でベディさんに「もっと傍に居てほしい」って言えなかったんだろ。…んん?なんでこんなこと考えてるの、わたし⁈


 「ロイカ…ほんとうに、本当に立派になって…」ごめんなさいマザー。話はあとで沢山するししたいんですけど今ちょっと…あ、ちょっと待ってください。ちょっと聞きたいことがあるんですけど、なんか急にベディさんの顔を直視できなくなって…わたし、どうしちゃったんでしょうか…?

いかがでしたでしょうか。皆様の応援がこの作品の養分となります。良かったらブックマーク等していっていただけると幸いです。

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