I have a bad feeling about this.
27話目です。2話投稿の2話目です。タイトルは基本適当なのでその辺はご容赦くださいませ。
まあ、有用なスキルは大歓迎。とりあえずサブに回しておく。
…で、さっきから視線を感じるんですが。「いえいえ、どうぞお気になさらず」いや気になるわ。どうも以前の騒ぎが尾を引いてた模様。また騒ぎになる前に消えるとしますか。撤収撤収。さいならー。
さて、これから何しよう?適当に町をほっつきまわるも良し、外に出てモンスターに喧嘩を売るも良し。やるべきこと、やりたいことは多々あれど、どれをいつ始めても構わない。そんなのんびりとした時間がここでは流れていた。
だが、現実はそう甘くない。すぐに彼は騒動の大波に流される運命にあった。
(おや…?)彼が目を向けた先にいたのは、ちょうど町の中心部にある教会。しかしそこは町はずれの教会と比べて遥かに豪華だった。(全面金張りって…悪趣味だこと。どんだけ寄進もらってんだか)
教会の前では誰か高位の神父と思しき人物が観衆に向けて何やらありがた~いことを言っていたがここからではよく聞こえない。
(…そういえばここの宗教とか、神話ってどうなってるんだろ)
「どうかされましたかな?」
声のしたほうへ振り向くと、これまたいかにも徳の高そうな格好をしたご老人がベディに笑いかけた。
「いえ、たまたま通りがかったらなんか演説みたいなことしていたので、そう言えば珍しいな、と」「そうかそうか、お主は…異邦の人かの?」
いきなりそのことを言い当てられ、内心動揺しつつもベディがその問いに頷くと、老人は満足気に頷いた。
「あの、そういうあなたは何者なんですか、御老体」「儂か。ただのそこらにいるような爺じゃが」
そう言うには若干苦しい気がする、という台詞を飲み込み、十中八九宗教関係者であろう老人にベディは先程感じた疑問をぶつけてみた。
「ほうほう…その歳でそういったことに関心があるとは…感心、と言った方が良いかの?いらない?あそう…まあいいんじゃけども。さて異邦の方に話すとなるとどこから話すべきか…」
御老体の話をまとめるとこんな感じだった。
-曰く。
-何もなかったこの世界に、とある神が降り立った。
-神は自らを4つに立ち割り、そのうち3つから己を補佐する3人の神を造った。
-3人はそれぞれ、大地、生命、知恵を生み出した。
-最初の神は創造主として、この世界を見守ることにした。
-そして3人の神は創造主の下、各々が産み出したものを今でも見守っている。
…こんな感じらしい。
「ここの神殿は生命の神を祀っておってな。ほれ、あそこの尖塔にヤドリギの紋様が彫られてるじゃろ」
んん…あ、言われてみれば確かに。
「ヤドリギは生命神様の象徴でな。生命神様を祀っている場所にはああやってヤドリギをモチーフにした装飾がよく使われておる」
なるほど…そう言えば、ロイカさんとこの教会にはヤドリギそのものが置いてあったっけ。
「ほう?この町にはもう一つ神殿があるのか。その者、ぜひ会ってみたいのう…じゃが…あそこにいる者は敬虔な信徒、という訳では…無さそうじゃな」
あの者?それっていま演説している人ですかね?なぜそう言い切るので?
「左様。儂はそういうのを見分ける『眼』を持っとる。まあ具体的には『二心あるかどうか』位しか分からんのじゃが」
いや十分でしょうよそんなん。
「お前さんもじゃ。何かしら良く無い物を抱えとるのう…それも一つや二つではない…」
…そんなことも、分かるんですか。
「亀の甲よりなんとやら、てとこじゃな」おい良いのかそれで。「ほっほっほ。それはそれとして若者よ…」
そう言うなり老人は急に好々爺めいた笑みを捨て去り、真面目な顔で僕に話しかけた。
「ここ最近、ここらの精霊が騒いでおる。儂の『眼』はそういうのもついでに見えるのでな、分かるんじゃ。何か心当たりは無いかの?」
…んん~?何か、ですか…強いて言うなら、否、強いて言わなくとも、
「『アレ』、かな」「『アレ』とは?」
いや、実は…
「むむ…」
まあそうなりますよね。ここ最近通り魔が跳梁跋扈してると聞けば精霊も安心できないでしょうよ。
「いや、彼らは基本我々の生活には無関心じゃ。儂らが何しようが彼らにとってはどうでもいいんじゃよ。となると…その者、察するになにかかなりよろしくないことを成そうとしていると見た」
…ッ!それって、つまり…
「要するに超ヤバイという事じゃな」
…台無しだよ。空気が。
「まあ急いては事をし損ずる…聞く限りあまり悠長に構えてられんじゃろうが、事を成すなら冷静さを欠かぬようにな」
…もし、もしだ。もしもご老体の言っていることが当たっているとしたら、奴がやろうとしていることは相当に厄介な事態を引き起こすことになるだろう。だが、未だに奴の目的は杳として分からない。情報収集に走った方が良いか…と言うか、
「なぜ僕に?」
ちょっと疑問だった。なぜこんな事を彼は僕に教えてくれたんだろうか。
「さてな。爺の気まぐれといったところじゃのう。ほーれ早よ行った行った、時間はあまり残されとらんぞ!」
ご老体の言う通りか。ここからだと、ギルドに行った後、衛兵の詰所の順で行くと最短距離だ。まずは、ギルドで例の通り魔の情報がどの程度集まっているか聞いてこよう。
「……行ったか」
老人、否、老賢者はその場を全力疾走で後にする青年の背を見、ひとり呟いた。
「すまんなぁ、儂が動いても良かったんじゃが…口惜しいが、今の儂では後手に回りかねん…それにもし儂の予想が正しければこの事件…いずれにしても、儂はその時まで動けん。…頼むぞ、かつての勇者同様、アルカナと共にある者よ。今は…お主達が頼りだ」
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