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4-4 使い方

「それでそれで〜? お父さんがゲットした呪いアイテムには、どのような効果があるのですか〜?」


 気を取り直したナリザさんが、ワクテカ顔で聞いてくる。呪いアイテムに興味津々のようだ。


「いや、まだよく分からんのですよ。今分かっている事は、投げ捨てても戻ってくるって事くらいです」


 私はそう言いながら、ゴルフボール大の謎の球体をポイーっと捨ててみる。すると、球体は明らかに不自然な跳ね方をして私の左手に戻ってきた。それを見ていたナリザさんは怪訝そうな顔になる。


「ナリザどうしたのさ?」

「いえ〜……。確かに手放せなくなるのは〜、呪いアイテムの一番の特長なのですけど〜。その際、物の分際で生意気にも、人間様を支配しようとするんですよね〜」


 痛みや恐怖といった苦しみで屈服させるか、力や美で人の心に潜む欲望をくすぐって魅了するか。判りやすくいえば、DVと色仕掛けだな。


「ですけど〜、その球体からは邪悪な気配を感じないんです〜。無邪気とでも申しますか〜。例えるなら〜、人懐っこい子供か小動物って感じなんですよ〜」

「つまり、持ってても害が無い?」

「それは何とも言えませんね〜。子供はその純真さから天使に喩えられますけれど〜、純真故に善悪の区別がつかなかったりしますでしょ〜。ナリザも小さかった頃はイタズラしてましたよ〜♪ ハナナさんも覚えあるでしょ〜?」

「そりゃあ……まあ……、今思うと、結構えぐいコトしてたか……な? …って、そう言う話は別にいいんだよ!」


 幼い頃の二人は、一体どんなイタズラをしたのだろう。気にはなるけど、恐ろしくてとても聞けない。


「結局のところは〜、使ってみないと分からないんですよね〜♪ というわけでお父さん♪ 早速使ってみましょ〜♪」

「えっ、いや、そうは言いましても……大丈夫なんでしょうか」

「デストラップの心配はないと思いますよ〜♪ 『ハートブレイカー』みたいな即死系の呪いでしたら〜、容赦なく邪気を放ってきますからね〜♪」

「ただちに影響は無いってヤツですか……」

「あ、でも、イタズラめいた呪いなら発動するかもしれませんね〜♪」


 クスクスと嬉しそうに笑うナリザさん。イタズラ好き修道女ですか。危険なキーワードがてんこ盛りすぎて、麻痺してきましたよ。


「でもナリザさん、どうやって使うんですか? 使い方なんて知りませんよ、私」

「持っていれば、使い方も自然と頭の中に流れ込んできますよ〜♪ 呪いアイテムとはそういう物です〜♪」

「いや、そう言われましても…」

「それじゃさオトっつぁん、とりあえずその球を握ってさ、意識を集中してみなよ。目をつぶった方が集中しやすいんじゃないかな」


 私はハナナちゃんのアドバイスに従い、球体を握り、目をつぶると、意識を集中……あれ? 何に対して意識を集中すればいいんだ? とりあえず、手の中の球体にしてみるか。球体を子供に見立て、話を聞くようなイメージしてみる。

 ほ〜ら、オッサンに聞かせておくれ〜。君はどうやって使えばいいんだい〜?

 突然、脳内に使い方が湧き上がる。それは過去の記憶を思い出しすような、自然な感じだった。そうか。そうだったのか。これが……ゲッター!

 冗談はさておき、早速使い方を試してみる。


「ナリザさん、ハナナちゃん、見えてますか?」

「はい〜?」

「へ? 何が?」


 二人は辺りを見回す。見当違いの方角を探してるって事は、見えているのは私だけなんだな。


「ナリザさん、回収した小箱をください。荷物をまとめます」

「え? あ〜、はいはい〜♪」

「いきなり何だよ、オトっつぁん!」

「うん。実際に行ってみた方が手っ取り早いと思ってね。仕事も早く終わらせたいしさ」


 私は球体を手の平で転がしながら言葉を続ける。


「どうやらコイツ、ナビゲーターみたいなんだよ」

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