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オトギ生活 〜オッサンだけど異世界《トンデモナイトコロ》に来てしまった。どうしよう〜  作者: 風炉の丘
雄斗次郎の長い一日 第3章 王国内地下迷宮にて全滅した探索者の定例回収業務
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61/126

3-27 第1階層

■6/4 第1階層のマップ画像を追加しました。

挿絵(By みてみん)

 なんと言えばいいのだろう? とにかく迷宮はとてもシンプルな作りだった。

 通路の横幅は目測で5メートルくらい。高さも大体5メートルくらい。そして5メートルほど進むと床や壁に区切りが現れる。つまり、床は5×5メートルの正方形が連なり、壁もまた正方形が連なっている。そして天井も同じく正方形だ。つまり、5×5×5メートルの正六面体の空間が連なっているのだ。

 壁の区切りをよく見てみると、薄い紙をぎりぎり通すような細い隙間があった。ランタンで照らしてみると、隙間の突き当たりが見えない。もしかしてこの壁って……固定されていない? ただ並べているだけじゃないのか?


 私はナリザさんから借りた迷宮地図を見ながら、この迷宮の構造を推測してみた。地図を見る限り、通路の幅と四つの柱の大きさはほぼ同じだ。正六面体のブロックと見て間違いない。つまりこの壁は、正六面体のブロックを並べて造ったのではないだろうか。

 一つだけなら柱となり、並べれば壁になる。1ブロック開けて左右に並べれば通路になるし、ぐるっと囲めば広間になる。複数の正六面体を地下に広がるフィールドに置き並べる事で、この迷宮は構成されているのだ。

 なんだか、マインクラなんとかみたいだな。

 一体誰が造ったのか? どんな技術で造ったのか? 何のために造ったのか? いやぁ〜〜。なんだか盛り上がってきましたよっ♪


「んなこたぁどうでもいいから、早く行こうぜ」

「そうですよ〜♪ とっととお仕事終わらせましょうよ〜」

「君ら、悠久の昔に思いを馳せたりとか、太古の遺跡にロマンを感じたりとか無いのか?」

「う〜ん…無いっ! 腹の足しにもなんねぇし、酒の肴にもなんねぇし」

「ありませんね〜♪ この程度の遺跡なら冒険者時代に散々見てきたので、ナリザお腹いっぱいです〜♪」

「つまんね〜〜〜! あ〜〜、つまんねぇ〜〜〜!

 分かりましたよ! 行きますとも! 仕事しますともさ!」


 私はふてくされながら、ナリザさんの後をついて行く。やがて中央の十字路に近づくと、人影が見えてきた。

 しかしすぐには駆け寄らず、ナリザさんは1ブロック前で立ち止まる。


「ちょっと確認ですけど〜、お二人ってグロ耐性あります〜?」

「いや、ホラー映画とかでしたら大好きな方ですけど、リアルでグロいのはちょっと……」

「アタシは平気だよ。血反吐だったらもう散々吐き尽くしたからね」

「ふむ…そうですか〜。……とはいえ、お父さんを一人残すわけにもいきませんしね〜♪ ハナナさんはお父さんと待っていてください〜♪ ナリザちょ〜っと確認してきますので〜♪

 こんにちは〜♪ 大丈夫ですか〜? ご無事ですか〜?」


 ナリザさんは声をかけながら、十字路へと近づいてゆく。 だけど人影はマネキンのように動きがない。

 少ししたら駆け足で戻ってきた。


「あれは後回しです〜♪ かなりグロイので〜、十字路には入らず迂回しましょう〜♪」

「で、誰だったのさ。やっぱりきんにくん?」

「そうです〜。多分悲鳴を上げた張本人でしょうね〜〜♪ でも回収はしませんよ〜♪ 全滅が確認できてませんからね〜♪」

「それってナリザさん…棺の小箱の予備が足りないからですか?」

「それもありますけど〜、そもそもが対象外なんですよ〜。全滅してませんから〜」

「どういうことよ? 全滅してないって事は、あそこに生存者がいるんだろ? だったら助けなきゃ。例えむかつくヤツでもさ」

「いえ〜、そういうわけでも無いんですよ〜」

「んじゃ、どういうわけよっ」

「一人足りないんです〜。三人チームでしたのに〜、十字路には二人分の固まった死体しかいないんですね〜」

「ってことは一人は逃げ延びたのか。でもどこに? ……ああ、そういうことか」


 二人の会話で私も察した。一人生き残っているが、出入り口には戻っていない。つまり、奥へ進んでしまったのだ。

 チームの生存者が迷宮に残っている以上、自力で仲間を回収する可能性がある。我々の仕事は全滅したチームの回収なのだから、彼らを勝手に回収するわけにはいかないのだ。


「彼らの事は〜、とりあえず放置で良いと思いますよ〜。ナリザ達は、本来の目的を果たしましょうね〜♪」


 私達は、十字路を避けると右折して、右側の降り階段にたどり着いた。

 生き残った筋肉さん。無事だといいんだけどな…。

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