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2-10 朝市

予定してなかった舞台の移動に、予定してなかった新キャラ登場…。

このままですと、1章より長くなるかもです…(><)

まあ、いつものことですね。(^^;

「ハナナちゃん……スマン……止まって……」

「え? ああ、ワリィワリィ」


 息を切らしている私に気付いて、ようやく止まってくれた。ハナナちゃんの身体能力は、トップアスリートを遙かに上回る。運動不足&脂肪アーマー持ちには、付いていくだけでもキツ過ぎだ。


「なんなら、おぶってってあげようか?」

「や〜〜〜め〜〜〜て〜〜〜〜」

「あははは、冗談冗談。市場まであともう少しだからがんばろう♪」


 市場は毎日二回開かれている。早朝から昼頃までの朝市と、夕方から夜中までの夜市だ。

 朝市は野菜や魚介類など、食材を中心に売買されており、主婦はもちろん、個人経営の料理屋や、お屋敷で働くメイドさんなどが、新鮮な食材を求めて集まってくる。そう! ここだけの話だが、朝市はメイドさんウォッチャーにはたまらない穴場スポットなのだっ!! ナイショだぞ?

 一方、夜市は仕事上がりで懐に余裕の出来た労働者がターゲットなので、お祭りの出店のように様変わりする。飲み屋や立ち食い屋、玩具屋や装身具屋、武器屋や道具屋など、様々な屋台がひしめき合い、労働者の稼ぎを合法的に奪い取ろうとしのぎを削っているのだ。宵越しの金を持たない主義なら刹那に生きるのも悪くはないが、貯蓄をしたければ決して近寄ってはいけない。幻想的なライトアップと酒と肴が気を大きくしてしまい、気がつけばスッカラカンになってしまうだろう。


 もちろん私達は料理人ではないので、新鮮な食材には興味が無い。メイドさんウォッチに夢中になるのも素晴らしい時間の過ごし方だが、ハナナちゃんには退屈だろう。目指すは市場の外れ。入り口周辺だ。そこには食材を求めて集まった買い物客に、ついでに買ってもらおうと、生活用品や小物を出品している出店や屋台が並んでいるのだ。

 あくまでついでなので、大きな物は置いていないが、仕事の都合でこの時間しか外出できない人には重宝されている。ちなみに管理人さんが重曹や魔法紙を買ったのもここ。確か、家馬車に乗った旅の商人だったか。似たような特長の商人は……結構いるな。


「おっかしいな〜。ここら辺だと思うんだけどなぁ〜」

「場所がわからないのか?」

「いや、市場って基本、場所取りは早い者勝ちだからさ、いつも同じ場所ってわけじゃないんだよね」

「じゃあ、今日はお休みとか?」

「そんなことはないはずなんだけど……あ〜っ! いたいた! お〜〜い! ククルリおばさ〜〜ん!」


 見ると10メートルほど先で、出展準備中だろうか、荷馬車から木箱を降ろしている中年女性の姿があった。ハナナの声に気付いた女性は木箱を下に置くと、笑顔で手を振り返してくる。


「ハナナじゃないか〜〜〜。久しぶりだね〜〜〜」

「遅いじゃねーか! 何やってんだよ〜〜!!」

「いやぁ、昨日飲み過ぎちゃってね〜〜!!」

「寝坊かよ〜〜! も〜〜〜! しょうがね〜〜な〜〜!」


 ええっ! 君が言うの? と、激しくツッコミたくなるのは、まあいいとして…。二人とも声がでけぇ。何というか、豪快だ。特にククルリさんは男前すぎな気がする。もしかすると、職人気質な人は女性でも男前になってしまうものなのかな?


「それじゃ、行こうぜオトっつぁん」

「それはそうと、そろそろ手を離してくれない? 手がかなり痛いんだけど…」

「なんだよ〜。まんざらでもないくせに〜♪」

「手を握り潰されても嬉しくねーっての!」

「だったら後で回復魔法で治してやっからさっ♪」

「えええ~~~~~~」


 勘弁してくれ〜! 潰れそうな手も痛いんだけど、何より周囲の視線が痛いんだよ〜〜。

 しかし、かまわず歩き出すハナナちゃんは、何が何でも手を離したくないようで…。私も諦めて付いていくしかなかった。

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