↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イノセント・スカイ  作者: もちもちな魔族
Part2

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
17/38

#カイ8

 カイたちはアリサを連れてシオ医官に会いに病院まで行ったのだが、診察中だったため、しばらく待たされた。やっと診察が一段落したのか、三人はシオ医官がいる診察室に通された。


「やあ、カイ君以外は久しぶりだね」


「なあ、シオ医官。この子をどうにかしてくれ」


 挨拶をするまでもなく、カイは要件だけを伝えた。


「この子って?」


 惚けるでもなく、シオは訝しんでいた。


「目の前にいるだろう」


 とカイは言いつつ振り返ったが、アリサの姿はどこにもなかった。


「あいつ、どこに消えた?」


 アイカとマリナも一緒になって、視界に入るあちこちを探したが、アリサは影も形も見えなかった。


「ありゃ、逃げちゃったんですかね」


「病院って、幼い子には印象悪いもんね」


「いや、そういう問題かよ?」


「酷い言われようだなあ」


 三者三様、いや四者四様の反応を示して、困惑がまた彼らのところにやって来た。


「シオ医官、確かに俺たちは幼い女の子を連れてきたんだ」


「そう言われてもね、実物を連れてきてくれないと反応に困るよ」


 カイの主張にも、シオは暖簾に腕押しという態度で接していた。


「以前、幻覚の相談をしたときに言っていたよな。そのことは、シオ医官以外に言っちゃ駄目だけだって」


「確かに言ったけど、だからといって『僕に言え』とは言っていないはずだよ」


「関わりたくないのか?」


「そんなことはないよ。実物がいないと、関わりようがないだけさ」


 シオ医官の言い分もわからないではない。だが、なんと不親切な態度なのだろうか。カイの内心を察したのか、シオ医官は少し不機嫌になった。


「あのね、僕は医官なんだ。つまり、医者だよ。エデンの陰謀だとか、都市伝説だとかは扱ってない。憲兵が相手にしてくれないなら、素直に司令部に報告すればいい」


 正論ではある。だが、カイたちも深入りはしたくないのである。


「司令部に報告するとしてさ、俺たちになにかマイナスになることはないかな?」


「いや、むしろ、感謝されるんじゃないかな? エデンにはいないはずの幼女だからね、きっとなにか重要な意味があるんだよ。少なくとも、司令部にとってはね」


 司令部は、アリサのことを知っているのだろうか。カイはしばし逡巡した。


 アリサは一体、何者なのだのだろう? 疑問は解消されないどころか、段々深くなっていくのが微妙に不快だった。


「まあ、でも。どうしても、僕を頼りたいなら一つ条件がある。実物を連れてきてくれればいい。それなら、なにかしらやりようはあるかもね」


「わかったよ」


 カイたちはとりあえず、引き返すことにした。その前に念のために、病院内を軽く見回ったが、アリサの姿はどこにも見つけられなかった。


 アリサはシオ医官に会う気はないだろうと、カイはどうしてか確信していた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。