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【8章】人間
道真が都を離れた後。
藤原一派は、さらに策を巡らせた。
朝廷内で不幸が相次ぐ。
太政官の不審死。
天皇の不調。
その他の官職の者たちにも、次々と不幸が起きる。
それらは藤原一派による仕込みだった。
しかし朝廷は、別の答えへ誘導されていく。
「菅原道真が呪っているのではないか」
龍を調伏した道真。
その力は、以前とは比べ物にならない。
だからこそ、その噂は人々の中へ広がった。
そしてついに。
菅原道真征伐隊が編成される。
その知らせを知ったヒメは、怒りに飲まれた。
「道真を殺す?」
声が震える。
「……許さない」
ヒメは朝廷そのものを滅ぼすつもりだった。
まずは道真を殺そうとする征伐隊を皆殺しにする。
それがヒメの答え。
しかしミコトは反対した。
「駄目だよ」
「何で!」
「道真の教えに背く」
「道真を殺そうとしてる奴らだよ!」
「それでも」
「そんなこと言ってる場合じゃない!」
二人の考えが、初めて完全に食い違った。




