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メイカーズ  作者: あおの字
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11/12

【10章】飛梅伝説

翌朝


再編成された征伐隊が、菅原道真の屋敷へ踏み込んだ。


そして


中庭へ出たところで、兵たちは足を止めた。


「……何だ、あれは」


そこには、巨大な梅の大樹があった。


季節外れの白い花を、枝いっぱいに咲かせている。


しかし


そんな木は、昨日までなかった。


誰も、そんな木を見たことはない。


それなのに


今は、そこにある。


風が吹く。


梅の花が、静かに揺れる。


その根元。


大樹に背を預けるようにして、一人の男が座っていた。


菅原道真。


すでに事切れていた。


その顔には、穏やかな笑みが浮かんでいる。


それは、かつて三人で過ごしていた頃と同じ――


優しい笑みだった。


誰も、何も言わなかった


ただ、満開の梅だけが


静かに風に揺れていた。

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