↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
花の想ひ出  作者: 栖旅アヲ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
90/94

奥の方

二人はさらに奥へ進んだ。


木々の間を抜けるたび、神域特有の静けさが濃くなっていく。


キヌヤが足を止めた。


「……ここから先は、少し気をつけてください。」


「何かあるのか。」


「以前、ここであの人を見ました。」


玄灯が周囲を見渡す。


「近くにいる可能性は?」


「分かりません。」


キヌヤは慎重に歩を進める。


しばらく進んだところで、ふと立ち止まった。


「……ここです。」


「何じゃ?」


キヌヤが指差した先には、小さな石碑があった。


苔に覆われていて、長い間誰にも触れられていないようだった。


玄灯が近付く。


「これは?」


「分かりません。」


キヌヤも石碑の前にしゃがみ込む。


表面を覆う苔をそっと払う。


すると、その下から古い文字が現れた。


「……かなり古いですね。」


「読めるか?」


「一部だけなら。」


キヌヤは文字を目で追っていく。


「『第七区画』……。」


玄灯が眉を寄せる。


「昔からこの場所は第七区画と呼ばれていたのか。」


「そのようです。」


「では、この石碑は何のためにある。」


「それが分かりません。」


二人は石碑の周囲を調べる。


裏側にも文字はない。


特別な仕掛けもない。


ただ、古い石碑がそこに残っているだけだった。


「……これ以上は分かりませんね。」


キヌヤが立ち上がる。


「神殿へ戻って、記録を調べてみましょう。」


玄灯も頷いた。


「そうするか。」


二人は来た道を戻り始める。


しばらく歩いたところで、キヌヤがふと振り返った。


「……。」


「どうした?」


「いえ。」


キヌヤは石碑のあった方向を見る。


「なんとなく。」


「誰かに見られているような気がしただけです。」


玄灯は周囲を見渡す。


「気配はない。」


「はい。」


キヌヤも頷いた。


「気のせいでしょう。」


二人はそのまま神殿へ戻っていった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。