組み手
「よし」
玄灯が杖をつく。
コツン。
「次じゃ」
全員嫌な顔をした。
まだある。
絶対ある。
「今度は二人一組」
「組み手をする」
案の定だった。
「組み手?」
桜子が聞く。
玄灯は頷く。
「実戦では敵しかおらんと思うな」
「仲間の動きも見ろ」
「その練習じゃ」
組み合わせが発表される。
桜子と椿希。
菊音と丹奈。
朝佳と梅依。
紫陽と蓮唯。
そして。
雪羽と柳羽。
「双子だから有利じゃない?」
雪羽が言う。
「それも実力じゃ」
玄灯は即答した。
最初に始まったのは桜子と椿希。
刀と細剣。
椿希が先に動く。
速い。
一直線だった。
「だからせっかちじゃ」
玄灯の声。
その直後。
桜子の細剣が椿希の刀に触れる。
勢いが逸れる。
椿希が目を丸くした。
「え?」
「真正面から受けるな」
玄灯が言う。
「流せ」
その隣。
丹奈の大槌が振り下ろされる。
どん。
地面が揺れる。
菊音が慌てて横へ飛んだ。
「ちょっ!?」
「ごめん!」
「今の絶対ごめんじゃない!」
朝佳と梅依。
こちらは逆だった。
動かない。
二人とも様子を見ている。
「おぬしら」
玄灯が言う。
「考えすぎじゃ」
図星だった。
二人とも顔をしかめる。
紫陽と蓮唯。
鎌と刃鞭。
距離感が難しい。
蓮唯の鞭が伸びる。
紫陽は最小限だけ動く。
避ける。
また避ける。
「攻撃せんのか」
玄灯が聞く。
紫陽は答える。
「見てる」
「見すぎじゃ」
即返された。
そして。
雪羽と柳羽。
開始と同時だった。
ワイヤーが飛ぶ。
柳羽が薙刀を構える。
雪羽は木へ。
岩へ。
ワイヤーを張る。
柳羽はその下を駆け抜ける。
息が合っている。
玄灯は腕を組んだ。
「ふむ」
初めて少し感心した顔をした。
しばらくして。
全員が再び集められる。
疲れていた。
今度は走った時とは別の疲れ。
頭を使う疲れだった。
玄灯は全員を見る。
「今のままでは弱い」
全員が沈む。
だが。
玄灯は続けた。
「じゃが」
少しだけ笑う。
「最初にしては悪くない」
その言葉に。
ほんの少しだけ。
みんなの表情が明るくなった。




