不人気の理由
大変遅くなりましたがこれにて完結です。
もし、待っていてくれた方がいたらすいませんでした!!
「ちょっと、これはどうなっているのよ。ジェイク!!」
午後の政務の休憩時間。
ジェイクは目の前に座り声を荒げているリディアを横目で流しながら優雅に紅茶を飲んでいる。
二人で城に戻り半年間、色々なごたごたがあったもののジェイクはリディアを王妃にすえたのだが…
「どうして私はこんなにも不人気なの?」
ジェイクはテーブルに手をつきうなだれるリディアに嘲笑をくれる。
「何?その笑い方は…喧嘩でも売っているのかしら、この私に?」
「いやいや、今更な話だろうと思ってな。なんたってお前はイシュベルであり王と男爵令嬢の身分違いの恋を引き裂いた悪女だと巷では有名な話だ」
ジェイクがしたり顔で語る内容にリディアは否定の声を上げた。
「私がイシュベルというのは許容範囲としても身分違いの恋を引き裂いた悪女っていうのは許容できないわ!ジェイクが最低の男として語られるのなら納得だけど」
なんといっても大勢の臣下が集まる会議でアンナとの関係を解消し、リディアとの結婚を決めたのはジェイクのはずだ。
「ははは、リディア。俺は王ぞ?」
紅茶を飲み終わったジェイクは行儀悪くテーブルに肘をつき顔を乗せて、リディアに微笑みかけてくる。
「臣下に緘口令をだし、巷にあらぬ噂を流すなど朝飯前だ」
「な、なんて王なの!!屑だわ」
リディアのジェイクを見る目が非常に冷たい。
そんな視線を受けてもジェイクは気にしていないようだが…
「それにしてもここのところ、生家のイシュベルの好感度の鰻登りはすごいところだな。リディアとは大違いだ」
「……そうね、計画通りゲイルを次期当主に控えて正解だったわ。なぜか憎まれない男なのよね。うちの血筋のくせに!だけどお父様もよ、あれだけ嫌われていたのに、部下や貴族に慕われているなんて…何で私だけ」
家族だけが慕われていく姿に孤独感を感じるリディアだったが、いつの間にかリディアの隣に移動してきたジェイクが肩に手をまわした来た。
「大丈夫だ、リディア」
優しいその言葉にリディアもゆっくりとジェイクに体をゆだねた。
「ジェイク…」
「俺の目が黒いうちは決してお前の好感度をあげたりはしないぞ。ずっと嫌われていればいいのだ」
「…んっ??」
なにやら聞き捨てられない発言にリディアはジェイクから離れようとしたが、強い力で抱きしめられ逃げ出せない。
「リディアを好きでいるのは俺だけでいいだろう?だからずっと嫌われていろよ」
そう嬉しそうにささやいてくるジェイクに嬉しいと思う反面、重いなって思うのは幸せなことなのだろうか?
こうして遅れてきた妃候補のリディアが王妃となりめでたしめでたしなのだろう。
けど、その生涯、王は不動の人気を誇っていたのに、なぜその王が悪女と結婚したのかはこの国の歴史家は頭をひねらしたとか…
ジェイク「つまり、お前は俺だけのものなんだよ」
リディア「最初と人格変わった?結婚誤ったかしら…」




