↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
漂流者  作者: 熊さん
第五章:縄文の理
PR
67/68

真田の領地

真田の領地



角間の里では、既に南北朝になった時から、吉野には、薬問を扱う商人風な者や京都にも行商人を置いて拠点を作っていた。

彼らは長野盆地の善光寺辺と往復する形を作っていた。


さらに祢津氏を見張るために東御辺りに農民を配置していた。

世の中の混乱が激しく、豪族がバラバラに動く社会に対応していた。


真田頼綱は、真と話すために、彼に着物を渡し、昼間に二人で真田の領地を見回った。

川の水の扱い、農具等の不足を感じた。


「失礼ながら、水利の管理と田んぼの拡張をされるのがよいと思う」


「分かるか。俺もそう思う。」


「一度、我が里に来てますか?」


真田の領地の頼りなさを感じていたので、行ってみたいと感じた。

そこで、山に入った。

川を過ぎて山に入ると、木が茂み、道の気配がない。

掻き分け、山を登ると、暫くすると平らな部分が見え、その手前に水田があった四段の棚田だったそれをさけるようにまた登ると、岩の上に舘が立っていた。


「沙羅、お客様じゃ」


中から綺麗な女性が出て来た。

こんな山奥に、、、頼綱は、仰天した。


「どうぞ、お座りください」


頼綱は、凝縮し座った。


「早かったですね。来られるかもとおっしゃてたので、用意はしてあります。沙羅と申します。真の妻です。」


沙羅が、挨拶した。


「釜の方にも話はしてあるな。」


はいと沙羅が答えた。


「頼綱殿、我らの里は、もう何百年もここにいます。それなりに開拓しております。」


なるほどと頼綱は思った。我らよりもずっと古い事が理解出来た。


外に出て、山を登ると煙が立ち上っていた。小屋が幾つか重なって立っていた。


真が先に端っこの小屋に入り、見せてもらうぞと声を掛けた。


すると鉄を火の中から出して、大きな石の上に置いて、キン、キン、キンと、叩き出した。


流石に鉄を加工しているのが分かったが、こんな山奥に加工できる職人がいることに驚いた。


しばらく見てから、山を下った。

湧水田んぼの一枚目に草をムシってるオヤジがいた。


「オヤジ、ご苦労さまです。話した通り、この方が真田の頼綱様だ。」


オヤジは、陸に上がり、布で手を拭き、挨拶した。

頼綱は、憮然としていた。

真が続けた。


「このオヤジは、水利の事や米作りの事に詳しい。彼を利用されたらよい」


田んぼの米がこの山奥でしっかり根付いてる事に二の句がつけなかった。


真田頼綱は、帰ると、屋敷の家来に、協力者が出来たことを告げ、オヤジの役割と里からの行商の形で鉄で加工された農具を運んでもらうことを告げた。


春の初めの事で苗床の準備から田んぼの耕作のし直しを含め集落の者は、的確な話で、進んでいった。


真が、直に行商人の格好して屋敷を訪ね、農具などの加工品を置いていった。


真田と角間の里の共闘が始まった。

平地の動きに角間は声を出さないが、情報を提供し、真田の里への技術提供をした。

山の入り口をわざと真田側に作り、他の場所を徹底的に潰した。


連絡は、真が行い、行商人に扮するつなぎは、若い里の者が担当した。


混乱した社会に対して、この共闘は、頼綱にとって、とても助かった。

時代の動きは見えない。何が起こるか心配なだけではなく、情報をもらえた。

角間の里は、入り口をしっかりと守ってもらい、山への侵入は、少なくなった。


こうして、内向きの抵抗が始まった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。