真田頼綱
真田頼綱
角間の里は、隠れていた。
義仲の戦いは、平家を潰して、源氏の政権が鎌倉にできたようだ。
武力を持つ武士が豪族となり、その力をつけると、戦いで勝つことが上下を決めるような社会になり、混乱が収まらなくなった。
そこに北条氏が台頭し、中央集権化が始まり、反対する豪族の切り捨てが始まりました。
地方の豪族が分散化し、混乱がさらに進みました。
長野盆地でも上田盆地でも佐久平でも、それは同じで、混乱が争いを生んでいました。
そうしている内に、南北朝の時代が始まっていた。
角間の里では、この混乱で里が明かされそうになった。
逃げる農民ばかりか、豪族の武士も山に入ろうとしてくる。
里の見張りが何とか追い出していた。
そこに、上田盆地をまとめようとしている真田という人物がいた。
上田盆地のまさに真田に屋敷を構えていた。
角間の里では、真と沙羅が話し合いをしていた。
「沙羅、もう考え直さないと、隠れ里がバレてしまう。」
「有力な人はいないの?」
「有力って、どうするんだ。」
「その人を助けるのよ。助けて、隠れ里の秘密を守るのよ」
真は考えて、上田盆地の真田に屋敷があって、そいつなら、何とか出来るかも知れないと考えた。
真は、上田盆地で、農民になり、情報を集めた。
そして、真田の屋敷に忍び込んだ。
真は、膝まついた。
「夜分、失礼します。私は、真と申します。お話が出来ないでしょうか。」
その屋敷の当主は、度胸があったようだ。
「真殿、私は真田頼綱と申す。お話とは、何でしょうか。」
「我々は、このように賭けに隠れて情報を取ることをしています。あなた様のお役に立てればと思っています。」
「それは、凄いな。俺はこの混乱の中で上田盆地をまとめるだけが望みだ。お前たちは何が望みた。」
「角間の里というのをご存じですか」
頼綱は、小さく頷いた。
「角間の里の棟梁をしています。我らはこの混乱で山を隠していたいのです。その手助けが欲しいと思っています」
「何故、真田なのだ。」
「はい、見たところ、真田様は、上田盆地をまとめようとされ、山には興味を持たれてないと感じました。」
「ほー、何故そう思う。」
「我らは見ることを続けて里を守って来ました。しかし、この混乱は収拾をつけてもらわないといけない。そう感じております。」
「なるほど、どうする?」
「我らは長野盆地や佐久平に味方がいます。南北朝にも味方をつけ、見たことをご報告します。それだけです。」
頼綱は、山の民に違和感を持っていなかった。
真の言葉に賢く生きる決意が見えた。
使えると感じだ。
「うむ、賢いな。分かった。頼むとするか」
「今日は、これで失礼します」
と、姿が消えた。
頼綱は、面白いと思った。度胸は大いにあった。
屋敷の外は、月が隠れていた。
真っ暗な闇は、静かに闇が広がっていた。




