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漂流者  作者: 熊さん
第4章:豪族の世界
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桜の帰還

桜の帰還



寒冷化どころか浅間山の噴火で森も佐久平も住めなくなった。

いまは、ここで暮らすしかない。


巫女が小屋ぐらしをしていたので、長も管理者たちもそのままにしていたが、伊勢に行くという巫女を見て、皆は考えた。


この地を我らの土地として住むなら、神殿を作るべきだと。


夏になり、手も空いている。しかも侍女たちはここにいる。


広場を作り、その奥に神殿を建てることにした。


巫女が出てからひと月が経った。

巫女が戻ってきた。


三人は、千曲で川を渡り、歩いてきた。夕方だった。


新しく整えられた広場に人が集まり、長や管理者たちも待っていた。


皆が巫女に向かって、お帰りなさいと声をかける。

桜は、海彦と顔を見つめて何事がという感じで、広場の中央に到着した。


長が、発言する。


「巫女様、お帰りなさい。新しい神殿をお使いください。侍女が待機しています。お疲れさまでした。」


桜はこの地の、この民の巫女なんだと実感させられた。

その覚悟で戻っては来た。

しかし、嬉しかった。


「ありがとう。こんな事があるとは思ってもいなかったから、驚いたけど、本当に嬉しい。ありがとう」


海彦もリコも、一緒に喜んだ。

長が話した。


「皆、巫女様は旅をされてきたんだ。今日は、これで解散してくれ」


「皆さん、本当にありがとう」


桜は皆に帰るように伝え、手を振り感謝を伝えた。


長が促し、新しい神殿に入るよう伝えた。

神殿に入ると広い部屋がまずあった。

祈りの部屋にする予定だ。

そこに長が桜を奥に促し、周りに管理者たちが座った。

海彦だけが残った。


桜は、皆を見渡し、話し始めた。


「長をはじめ、私のわがままで席を空けてしまい、すみませんでした。そして、神殿まで作ってくれてありがとございます。

私は、桜として、この地の巫女を続けるたいと思います。伊勢の大巫女様にも支持されました。」


皆はオーッと喝采を上げた。

大巫女様の支持されたことに驚いた。


「それも浅間山の森の民が、我らを守ってくれてるからです。海彦、本当にありがとう」


オーッと海彦に向かい、皆が感謝の言葉を投げかけた。


海彦は、頭を下げて、感謝を伝えた。


「我らはこの集落の利にかなうやう、これからも動く、よろしくお願いする」


皆も、こちらこそよろしくと伝えた。


この後、森の民の一部は、桜の警護の形をとるようになった。

また、桜を中心とした支配の構図がハッキリでき、独特な豪族化の形が見えてきたのである。


まだ暑い日が続いていた。

秋の収穫が楽しみであった。


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