浅間山へ
浅間山へ
朝早く、諏訪湖の前の祠に人々が集まってきた。
夏のひとときの慰労する催しらしい。
祠の前の櫓に火が灯された。
段々と燃え広がる櫓。
楽団か?
見慣れらにい服装に太鼓や笛や弓矢のようなものを持った者が祠と櫓の間に出てきた。
何だ?
巫女が侍女を引き連れ、祠から出てきた。
巫女はひとり、燃える櫓の前に来て、手を差し出した。
すると、バァっと音が出て、炎が青く燃え上がった。
巫女の気合の声が響くと、楽団が動き始めた。
ドン、ドン、チャン、
侍女が櫓の周りに踊り始める。
足を踏みしめ、ドン、ドン、ドン
俺は、何が起きてるのか、分からなかった。
周りの民衆が拍手をしている。
一緒に足を踏みしめてるものもいる。
凄い。
俺は圧倒された。
移動するグループは、催しが終わり、巫女が祠に入ると、祠を訪ねた。
「夏の踊りは、元気が出るよ」
「移動するグループのリーダーよ。久しぶりじゃな。祭りは派手な方が良いのじゃ。」
リーダーが、そうだなと返し、今後の予定で八ヶ岳から浅間に向かうことを告げた。
巫女から、何か告げれれたが、俺には聞こえなかった。
ここでも紹介されたが反応は同じだった。
縄文の世界が広いことを思い知った。
気が付くと山に入っていた。
険しい山が続いた。
空は、青空。
足元に吹く風は、涼しい。
急に山が高くなってることに気がつく。
岩肌の崖を登っていると、平な部分があって小屋が幾つか見られた。
リーダーが着いたぞという。
小屋に入ると、壮年の親父が、石を握り、削っていた。顔を空けで、挨拶を交わしていた。
「何じゃ新入りか?」
「こいつは保倉川の小屋で助けられた、渡来人じゃ。いまは仲間として動いている」
「ほう、頑丈そうだ。頑張れよ」
親父は、俺の顔のことは何も言わない。
あれ、巫女たちの反応と違う。
「石は、色々に使える。包丁や火打ち石になる。ここはそういう土地なんだ。」
親父が説明してくれた。
夕方になり、我らの獲った肉を捌き、食べた。火を囲み夜遅くまで、山の静けさを教えてくれた。
自分で石をいじって見たが、親父のようにはいかなかった。
技術なんだと思った。
翌朝、歩き始めると、山越えをしてることに気がついた。
下に広がる草原が見えた。
こんなに広い平野は初めて見た。
風が山の上から吹き付けてくる。
気がつくと、その先に山から噴煙を出してる浅間山が見えた。
あれが浅間山か。
山を下った。
立科辺に、集落が幾つかあったが、通過した。
川を渡り、草原に出た。
身体よりも高い草が茂ってる。
道がないのに、移動するグループは、迷わなかった。
草原を抜けて岩がゴツゴツ出てくると森が始まる。
いきなり獣道に入り、急に獣の気配を感じた。
シュ、
バタン、キツネが倒れた。
あれ、と思ったら、リーダーが叫ぶ。
「俺は移動するグループのリーダーだ。敵じゃない」
俺は敵か?分からなかった。
すると大きな声の笑い声が聞こえた。
「知ってる。婆様が待ってるぞ」
何が起きたのか、想像出来ない。
森の木々の間から噴煙が登る浅間山が見えた。




