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漂流者  作者: 熊さん
第三章:弥生集落の陰
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近畿圏

近畿圏



奈良盆地の館は建物で囲んだようなもので、外側の門を潜ると大きな広場になっています。

周りは米などを置いておく、倉庫のようなもので周囲を囲み、その先に神殿があり、正面に入り口の扉があった。


俺と弓使いは、広場の黒い消し跡を見ながら入り口入った。


扉にいた侍女に小矛を見せ、浅間山のものだと伝えた。


侍女は、大将のいる部屋に案内した。


部屋の真中に机みたいのがあり、兵が両脇に立っていた。


弓使いが、小矛を見せると男が、俺が大将であると申し出て、大巫女の知らせを問うた。


「伊勢に九州勢力の船がやってきて、海辺に停泊している。大巫女が先触れの兵達に対応したが、たまたま来ていた我らに連絡を頼んだのだ。これを」


と言って、弓使いが紙を大将に渡した。


紙を見た大将が、兵のひとりに声をかけると、その兵が動き部屋から出ていった。


お主らは浅間山のものか。と問うと


「お前らには本当に世話になるな、浅間山の麓の集落は、直江津王国との関わりが深いのか?」


俺が、答えた。


「南の国の話をしているなら、力で来たものを潰したが、直江津王国とは、別に動いているが、出身の集落である」


南の国は、今後は、直江津王国には近寄らないと、伊勢の大巫女と同じ事を言った。

そして、深々と頭を下げて感謝を述べた。


俺と弓使いは、感謝されるような事はしてないと言うと、大将は、よしよしと頷き、他意はないと言った。


近畿圏の勢力の奥の深さを感じた。


部屋を出ようとしたら、近畿圏の巫女が入ってきた。


「浅間山のものか、我は近畿圏の巫女じゃ、よう来てくれた。我の部屋にも寄ってくれ」


というので、俺と弓使いは、おずおずと巫女に付いていく事になった。


御子の部屋には茅で編んだような四隅を豪華な布で留めている。敷物が引いてあった。


巫女が先に奥に座ると二人も座れと勧められた。


茅の乾燥した匂いがして、こんなものがあるのかと思った。


座ると、侍女が足つきの四角い膳を運んできた。

善には、器と白いツブツブが、乗せられていた。


まずは、酒からと言って、器を持ち、巫女がありがとうと感謝を述べ、器を飲んだ。

巫女が二人を促した。


「おう、身体が暖まるし、スッキリしてる」


獨酒なら飲んだ事があったが、スッキリしたの飲み口に感動した。

そして、弓使いが、白いツブツブの塊を口にした。


「何だこれは、美味いぞ、美味い」


俺は、巫女に失礼になるかと思ったが、巫女を見て食べることにした。


米の粒がしっかりとまとまっていて、噛めば噛むほど甘みが出て美味しい。


俺は、思わず


「美味い」


と言ってしまった。


巫女は大いに笑って機嫌が良さそうだ。

なら良いかと思い、パクパクと食べた。

腹持ちもするなと思った。


奈良盆地のこの屋敷はまるで異世界だった。


秋の夕日が沈もうとしていた。

空っぽの田んぼを赤く染めていた。


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