近畿圏
近畿圏
奈良盆地の館は建物で囲んだようなもので、外側の門を潜ると大きな広場になっています。
周りは米などを置いておく、倉庫のようなもので周囲を囲み、その先に神殿があり、正面に入り口の扉があった。
俺と弓使いは、広場の黒い消し跡を見ながら入り口入った。
扉にいた侍女に小矛を見せ、浅間山のものだと伝えた。
侍女は、大将のいる部屋に案内した。
部屋の真中に机みたいのがあり、兵が両脇に立っていた。
弓使いが、小矛を見せると男が、俺が大将であると申し出て、大巫女の知らせを問うた。
「伊勢に九州勢力の船がやってきて、海辺に停泊している。大巫女が先触れの兵達に対応したが、たまたま来ていた我らに連絡を頼んだのだ。これを」
と言って、弓使いが紙を大将に渡した。
紙を見た大将が、兵のひとりに声をかけると、その兵が動き部屋から出ていった。
お主らは浅間山のものか。と問うと
「お前らには本当に世話になるな、浅間山の麓の集落は、直江津王国との関わりが深いのか?」
俺が、答えた。
「南の国の話をしているなら、力で来たものを潰したが、直江津王国とは、別に動いているが、出身の集落である」
南の国は、今後は、直江津王国には近寄らないと、伊勢の大巫女と同じ事を言った。
そして、深々と頭を下げて感謝を述べた。
俺と弓使いは、感謝されるような事はしてないと言うと、大将は、よしよしと頷き、他意はないと言った。
近畿圏の勢力の奥の深さを感じた。
部屋を出ようとしたら、近畿圏の巫女が入ってきた。
「浅間山のものか、我は近畿圏の巫女じゃ、よう来てくれた。我の部屋にも寄ってくれ」
というので、俺と弓使いは、おずおずと巫女に付いていく事になった。
御子の部屋には茅で編んだような四隅を豪華な布で留めている。敷物が引いてあった。
巫女が先に奥に座ると二人も座れと勧められた。
茅の乾燥した匂いがして、こんなものがあるのかと思った。
座ると、侍女が足つきの四角い膳を運んできた。
善には、器と白いツブツブが、乗せられていた。
まずは、酒からと言って、器を持ち、巫女がありがとうと感謝を述べ、器を飲んだ。
巫女が二人を促した。
「おう、身体が暖まるし、スッキリしてる」
獨酒なら飲んだ事があったが、スッキリしたの飲み口に感動した。
そして、弓使いが、白いツブツブの塊を口にした。
「何だこれは、美味いぞ、美味い」
俺は、巫女に失礼になるかと思ったが、巫女を見て食べることにした。
米の粒がしっかりとまとまっていて、噛めば噛むほど甘みが出て美味しい。
俺は、思わず
「美味い」
と言ってしまった。
巫女は大いに笑って機嫌が良さそうだ。
なら良いかと思い、パクパクと食べた。
腹持ちもするなと思った。
奈良盆地のこの屋敷はまるで異世界だった。
秋の夕日が沈もうとしていた。
空っぽの田んぼを赤く染めていた。




