宰相の反省
宰相の反省
試練は浅間山の森の方からやってきた。とは言え、森からの訪問者ではなく、上田盆地から小諸を抜けて、浅間山のを見上げながら、佐久平に降りてきた者たちであった。
直江津王国の宰相が、家来を数人つけて、やって来た。
少し下り坂を降りると、佐久平が広がり、平地が広い。
宰相は立ち止まり、浅間山を見る。
青空に噴煙が白くヒョロヒョロと伸びていた。
土地の感じが直江津王国から来た感じが一気に変わる感じがした。
暫く、平らな大地を歩くと小高い丘に屋敷が立っている。
その先に刈り取られた田んぼが広がり、小屋が立ち並んでいた。
確か、かつては、百名ぐらいで移住したはずだった。四、五倍の小屋があった。
こんなに反映しているのか。
宰相は、再び足を止めて、ゆっくり考えていた。
すると、屋敷の方からかけてくる男がいた。海彦であった。
海彦が膝をついて、挨拶した。
「宰相様、こんな遠くの集落に直接お越しになるとは、何事でしょうか。」
宰相は、笑顔になって答えた。
「済まない、秋の収穫も落ち着いた頃だと思い、王の言葉を届けに参ったのだ。出迎、ありがとう。」
「見張りが知らせて来たので、参りました」
「知らせ?誰もいなかったが、何処に居たのだ」
「は、は、はご冗談を、見張りの位置は秘密です。すみません。生意気を言いました」
浅間山の自然の厳しさ、平地の広さ、そこに見張りか、、、
宰相は、直江津王国の仕組みの弱さを感じた。
屋敷は神殿だった。
侍女に迎えられ、宰相は神殿の祈りの間に入った。巫女が祈りの席を譲ろうとするので、宰相は遠慮し、下座に座った。
家来がその後ろに並んだ。
巫女が宰相に答えた。
「宰相様、佐久平集落は、喜んでお向かいします。何か問題でも起こりましてか?」
「巫女様、宰相です。様は入りません。今回は王が南の国の撃退に感謝の言葉をというので、私がきました。
この度は本当にありがとう御座いました。巫女様の御心だと海彦に聞いて、王は大変恐縮しておりました。」
巫女は大きく頭を下げてから、答えた。
「我らは直江津王国から来たもの、保倉川の小屋の者からの情報提供があり、時間がないと判断して、海彦を出しました。上手く出来て本当にようございました。」
「保倉川の小屋?そんなに遠くらの情報をつかんでおると言うのか?移動するグループの者じゃろ、我らには何の連絡もなかったが、、、」
「宰相様、たまたまですよ。我らは移動するグループの者との協力をしております。海彦もその関係です。
だから、たまたまです。直江津王国は、我らの出でありますから、後は当然の動きです」
宰相は、巫女の言葉に移動するグループとの関わりを感じた。
我らは気にしたこともなかった。
それにこの部屋は祈りの部屋。
我らの巫女は形だけだ。
それに見張りがいたり、この集落は、直江津王国とは違った。
違っていた。
佐久平は夕日で赤く染まっていた。
この地の冬は、早い。




