罠
罠
直江津王国の執務室は混乱していた。
海彦は、構わす、事務室を出た。
春日山に向かう。
途中に、かつての縄文巫女の小屋があった。人影がなく、淋しげであった。
族長が山の奥に入り込み、春日山の反対の海側を見張った。
まだ来てないみたいだ。
海彦たちは、打ち合わせ通りに罠をいくつか作って、その後、谷になっている所を上手く隠し、準備を進めていた。
夕方になり、縄文巫女の小屋に戻ると、食料が置いてあった。
海彦たちは、小屋で焚き火を起こし、食料を食べた。
族長が戻ってきた。
海彦が告げた。
「族長、罠は準備できました。落とし穴用の谷もを塞ぎました。」
族長はよしと頷き、食料を食べて、見張りに戻った。
翌朝、南の国の兵たちがやってきた。
二十名ぐらいいた。
皆で、小屋作りが始まり、落ち着くまでと待った。
その間に海彦に連絡して、二人を連れて族長が、南の国の小屋づくりを見ていた。
兵が準備を始めた。
族長が、動く合図を出し、兵達の前に出た、パンと手を叩く。
南の国の兵達は、森に人がいると気がつく。
追いかけて森に入る。
森に入ると、ワッと声を出し倒れた。
足が穴に落ちたのだ。
周りから人が弓で仕留めた。
バタッと倒れる。
おやと思った兵がまた森に入る。
すると、ワッといって倒れる。弓が飛んでくる。
流石におかしいと思って二人一組になって森に入る。
隊長が気がつく。
「おい、待て敵だ。五人組で迎え」
兵達は戻って五人組で、森に入って行く。族長と仲間が南の国の兵達の前に出て、からかうように誘う。
すると五人組つづ、森に入って追いかける。
逃げていると、急に縄につかまり、消える。
五人組が、次々と谷間に落ちる。
後の四人は、次々に弓でやられた。
南の国の隊長と二十名の兵は全員倒れた。
あっという間であった。
全員殺されてしまった。
海彦たちは、よしっと声をあげた。
縄文巫女の小屋を過ぎ、広間には帰ってきた。
海彦が執務室に入り、王と宰相に報告した。
「南の国の兵たちは全員殺しました。」
王と宰相は、何も言えなかった。
「後片付けをお手伝いしてもらって良いですか?」
宰相は、頷くと、海彦は出ていった。
管理者に頼み、手伝ってもらった。
後片付けは、落とし穴を埋め直し、死体を片付けた。
後片付けが終わると、屋敷の前の広場に集まり、海彦がでは失礼しますと言った。
王が質問してきた。
「何故、佐久平の者が助けてくれた」
海彦は、巫女様のご意思ですと答えた。
夏の日差しが眩しく、爽やかな風が吹いていた。




