状況の確認
状況の確認
洞穴を出ると、太陽が眩しかった。
海彦は、小屋に向かって息子を呼び出した。
「息子よ、婆様からのお望みだ。今日からお前が海彦になれ、そして、巫女様の警護につくのだ。」
俺は、息子に申し付け、ナイフを出した。
「このナイフは、海彦の証だ。これからは、俺は族長だ。よろしく頼むぞ」
海彦になった息子が巫女に向かって深々と頭を下げる。
「これから俺が海彦です。警護しますので、よろしくお願いします」
巫女はいきなりの事で返事のしようがない。
俺が切り返した。
「俺は、これから族長とお呼びください。佐久平の集落の為に動きます。」
巫女は全てを納得したような顔になり、大きく頷いて答えた。
「よろしくお願いします」
木々の間から見る空は青空で、太陽が眩しく光っていた。
風が巫女の足元にサーッと通っていった。
海彦を息子に渡した族長は、保倉川の小屋にいた。
「俺だ、叔母さん元気か?」
「あれ、早いね。まだ南に移動するグループは、いるわよ」
良かった。俺は座って話しかけた。
「海彦は息子に代替えした、これからは族長で、よろしく」
あら、そうなのね。と叔母さんは代替わりを納得していた。
すると、小屋がバアっと開いた。
「おお、居たのか。」
「佐久平の洪水は何とかなったぞ。息子が海彦として巫女の警護につくことになった」
「そうか、分かった。長岡の洪水では米が大分とやられたらしい。直江津王国が助けに入るみたいだ。」
南に移動するグループは、北側にも繋がりがある。
「長岡と王は親戚で、力関係は分からんが、そうなるらしい」
「そうか、南の国は、どうしてる」
「そうそう、それじゃ。南の国は直江津王国に探りを入れてる。俺たちにも聞かれた」
「何を答えたんだ」
「長岡の動き等かな、、、そうだ。柏崎が南の国の事を聞いてきた。動きを察しているようだ。」
俺は、直江津王国の動きと、南の国の動きを確認できた。
今度は保倉川から妙高に抜け、戸隠によって、千曲川の大きく蛇行している所を抜けて、諏訪に向かった。
諏訪では、巫女に佐久平での顛末を話、諏訪の状況を聞いた。
そして、八ケ岳を通過し、千曲川の上流を確認して佐久平に戻った。
神殿に到着した俺は、巫女に挨拶し、報告を始めた。
佐久平は、赤く夕日に染まっていた。




