巫女の入植
巫女の入植
佐久平を見に行った。
神殿の形が出来ていた。
これで巫女を迎えに行けると考え、弓使いと一緒に直江津王国に向かった。
我らは、ゆっくりと三日かけて直江津王国に着いた。
王の執務室に挨拶して入った。
「王、婆様から一緒にと、今回から移動するグループに入った弓使いです。俺は、海彦と言ってください。巫女様を連れて行きます。」
王は、それは心強いとし、歓迎してくれた。と、広間に出た。
巫女は軽装で、足腰を布で包むような格好で、侍女を3人連れて行くようだ。荷物を担ぐ男が付いてきた。
王と宰相達管理者が立ち並び見送っていた。
いつものように妙高に出て、塩尻湖へ夕方に到着。
巫女の歩きは、特に遅くもなく、順当に着いた。
「巫女様、どうですか?痛い所はないですか?」
俺は、歩いていて、緊張してるなと感じていた。
巫女は、大丈夫と応え、火を囲み、休んでいる巫女は侍女と話していて、緊張も解けてきているようだ。
目の前で出てきた小動物を弓で仕留め、血抜きをして、肉を捌く、串に刺して焼かれる。
巫女は目の前で行われる事に興味津々、という感じであった。
翌日は、湖畔を散策したり、随分と気が楽になったようだ。
次の日、千曲川の大きく蛇行している場所で、川を渡り、山道を進む。
上田盆地で休憩し、佐久平へと向かう。
神殿の建設が完成していた。
巫女は、侍女を引き連れ、集落の中を進む。
ウォーっと歓声が上がり、巫女は静々と神殿の扉に入っていった。
管理の者どもが、挨拶をする。
巫女は、中を見渡し、祈りの部屋へ入っていった。
俺は、ようやく着いたと大きくため息をついた。
苗床の準備が進み、巫女は神殿で出来る祈りを捧げ、侍女達が周りでドンタン、ドンタンと踊っていた。
俺は、婆様の洞穴の近くに小屋を作り、巫女の近くにいれる事を実感した。
田植えが終わり、巫女の時間にもゆとりが出来たようだ。
巫女に、婆様の所へ向かうことに促し、侍女を一人連れ、向かった。
緩やかな上り坂を歩き、岩がゴツゴツしている場所の先に、森が見えてくる。
海彦の誘導で森に入ると、大きな木が林立する道が出てきた。
森が深まると、道が細く険しくなってきた。
フッと平な部分が出て大きな岩が重なるように立っている間の穴に入っていった。
真っ暗な中に焚き火の明かりだけが明るい。目が慣れてくると、婆様が見えた。思わず挨拶すると婆様が
「よく来た。巫女じゃな。佐久平は、長らく人を拒む平地であった。浅間山の影響で様々なことが起こる。気を張り巡らすことじゃ」
グラグラと揺れた。
「婆様、これは、、、」
「心配いらぬ。山の呼吸みたいなものじゃ。だが、反応は良いのぉ」
俺は、巫女を見つめて婆様に聞いた。
「巫女はこれからどうすれば良いかのぉ?」
「そうじゃなぁ。巫女はここまで来るのをどう思うた?」
「海彦さんがいるから、平気でした。」
「うん、そうか。なら暫くはたまにここに来て、食事でも作って貰おうかなぁ」
食事を作る?そんな事出来るのか。
俺は先行きが不安になったが、巫女は、嬉しそうに頷いていた。
洞窟の中の焚き火の木がバキッと折れた音が響いていた。




