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漂流者  作者: 熊さん
第二章:移動するグループ
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川向うの移住

川向うの移住



春が来た。


保倉川から見る日本海は静かに波打っていた。


直江津王国を訪ねると、王が待ちに待った顔で出迎えてくれた。

俺は挨拶の後、何事かと聞いた。


「巫女が決まってな。妹がかなり準備のよい娘で、いつですかと煩いのだ。」


俺は、安心した。

巫女を運ぶのは、まだ先だ。まずは、田んぼや小屋を作り、それから神殿だというと、王は、わかっておると娘の好奇心に喜んでいた。


俺は、管理者と道行を相談し、午前中のうちに出発した。


準備が良く、順調に塩尻湖に着いた。

前回と同じに簡易テントで泊まり、翌朝、千曲川に向かった。


新しい集落の横を通り、上流を目指した。

川を渡る前に皆に一息ついてもらい、手を繋いで渡ってもらった。

川底の見える浅いところを選んでいたので、皆無事に渡れた。


渡ると丘があって、登るとそこが集落を作る場所になった。

管理者が田んぼの場所や小屋の位置を指定して、各自で動いている。

移動するのは、楽しいよな。


平地で定着していた奴らを見て、そう思った。


俺は、先の縄文集落を目指し、長の小屋を訪ねた。


「おおい、来たぞ。よろしく頼む」


俺は、長の顔を見ると聞いた。


「おお、分かっとる。集落のものにも話してある。冬場はその話で持ちきりじゃったわい」


戻って、管理者の者にも伝えた。

縄文集落の者が、田植えを手伝うと言ってる。と伝えると、管理のものも理解していた。

自分たちのルーツも縄文にある事が理解されてるのかも知れない。


川の両側に弥生集落が出来たので、縄文集落の吸収は早かった。

過ごしやすい土地とはいえ、米の力の凄さを感じた。

2年、3年と経つと、周りの集落は吸収されたり、弥生集落との共生を始めていた。

人口が増える予感でいっぱいだった。


米作があっても、川での魚の漁や山での小動物の狩り、果実の採取など、暮らしが豊かになる事が目に見えるようであった。


そして、さらに歳月が経ち、再び移住の話を振られた。


俺は、佐久平しかないなと考え、距離は大分とかかるが、長野盆地よりも広い、我らの通り道だった佐久平を紹介した。


険しい道のりだが、場所は豊かな平地という事を伝え、了承された。


婆様にも、断ったが、なるようにしかならんというだけだったが、


「そうじゃ、巫女を連れてこい。長野盆地なら良いが、佐久平には、生きるコツがある。話してやろう」


婆様が急に言うので、俺は、来年の春になったら移住を行い、夏前に巫女は来ることになると伝えた。


婆様は、分かったとだけいった。


浅間山の噴煙が青い空に吸い込まれていくような日であった。

風は、秋の風で冷たかった。


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