移住の為の準備
移住の為の準備
移住に巫女を入れることは、王の決断が必要であった。
巫女は縄文巫女の知恵は継承していたが、生活者ではなかった。
しかし直江津王国の領地としての要が必要であった。
移住者の管理者のリーダーが長となり、集落をまとめ、巫女がその意向を民に伝える。
農民も巫女の存在は理解していた。
王族の血族であることが決め手となった。
田植えが終わり、神殿としての舘の建設が始まり、巫女が、移動していった。
移住の圧力は、まだ高かった。
俺は、さらなる案を伝えた。
「長野盆地の今回の集落の先に大きな蛇行があり、川を渡ると湧水がある。」
王は、信用してくれ、次の春に移住が決まった。
俺は、長野盆地の新しい集落に行き、巫女の就任を手伝った。
巫女は新しい領地としての集落には、侍女を何人か連れて行って、足りない部分を補った。
俺は、集落の形が出来たことを確認して、上流の大きく蛇行している部分に向かった。
蛇行する部分は、元々渡っていた場所で、よく分かっていた。
川を渡り、丘を登ると大きな平地が広がっていて、その先に縄文集落があった。
俺は、その中に入り、集落の長にあった。
「俺だ、来年の春に、米作の集落がここに出来る。」
長は驚いたが、そういう事もあるんだろうと返してきた。
「ほう、そうかい。米作は、食えるのか?」
「そうだよな。楽しみにしてな。秋になると収穫できる」
そんなに早く食べれるのか。
と、驚く長に、俺は続けた。
「出来れば、田植えとか、手伝ってくれると助かるんだが」
「そうすれば秋に米が食べれるんだな。分かった。いいよ」
長は、集落のものや山のものにも声をかけておいてくれることになった。
俺は、峠を抜けて諏訪に向かった。
諏訪巫女にこちらの状況を知らせた。
「巫女、俺は直江津王国の民の移住を手伝った。長野盆地に米作の集落が出来る」
巫女は、驚かない。
「我らの土地にも米作が入ってきた。時代の流れじゃよ」
諏訪の巫女も婆様と同じ事をいった。
「米作は、偉そうな奴らが来て行うが、我の所にも挨拶には来る。やはり縄文集落の人手が必要なんじゃ。我は争わず、手伝えるなら好きにしてくると言っておる」
山間の集落と平地は、上手く繋がっているようだ。
俺は、八ケ岳を経由して、浅間山の婆様にも報告し、来年のために冬越しの準備を進めた。
まだ夏だったが、今年は保倉川の小屋で過ごした。




