時代の動きに
時代の動きに
暫くは、近畿圏を中心に弓男と俺は活動していた。
近畿の巫女は伊勢の大巫女と共に近畿圏への力を付けていったようだ。
詳しくは、分からない。
こっちの方で問題が起きてしまった。
息子と姉の娘の間に子ができてしまった。
婆様の言葉で、近畿圏の巫女や伊勢の大巫女については、上手く言ってると思う。
海彦は、移動するグループに戻っても良いと思う。
弓男も、婆様に従うらしい。
俺は、息子と弓男を連れて、春日山の麓にある館に入った。
近畿圏のミニチュア版という形で、稲の発育は高そうだった。
春日山の館には王が居て、巫女が、民を抑えてるのは同じだが、宰相が支配層の管理者を束ね、米作や水利の管理を行っていた。
王には、沢山の妻がいるようで、子沢山の王というのが印象であった。
戸隠の巫女は、姿を隠していた。
大岩の前の小屋には、お付きの男がいた。
巫女は時代の流れに対し、山奥で祈りを捧げているとのことだった。
俺は、戸隠から浅間山に向かった。
時代の動きに、戸隠の巫女は反応していた。
近畿圏の動きは、確実に米作を進めてくる。しかし、諏訪や伊那ではまだまだその気配はない。
春日山の米作が我らの暮らしを大きく変革させるかも知れない。
長野盆地から千曲川を渡り、山に入った。
すると大きく揺れた。
浅間山が噴火していた。
凄い火花が山頂から噴き出していたが、風の向きが良かったのか。
浅間山の森は生きていた。
婆様も健在だった。
「婆様、俺は移動するグループに戻った。」
「近畿圏の動きは、確実にこっちにも向かってるが、問題は、春日山じゃな。」
春日山と近畿圏は別の動きらしい。
いまの、春日山の米作に、他の移動するグループが興味があるみたいだ。
婆様は考えて、言った。
「流れには逆らえない。移動するグループの動きは必然じゃろう。いま、暫くは、静観するしかないのぉ」
俺は、山の動きを続けていくことにした。
息子には弓男の弓を教えてもらうことにした。
八ケ岳の親父は、相変わらず動きにを気に留めない。
諏訪の巫女は、動きを気にしていたが、変わらない。
俺は、千曲市辺りを通り、塩尻湖に入り、保倉川の小屋に戻った。
時代の動きは緩やかで、俺らの役割は相変わらずの物品と情報の移動に特化していた。
息子は成長し、姉の娘は移動するグループに戻り、弓男もいた。
俺らの移動するグループは、縄文の理の中で、生きていくグループになっていった。
保倉川の先の日本海は荒れていた。風も強く、時期に冬が来ることが分かった。




