近畿圏への接続
近畿圏への接触
俺と息子は保倉川の小屋に戻った。
小屋には、息子の母親と姉と娘がいた。
もう冬は直ぐだ。
俺と息子は、冬支度を手伝うことにした。
海の反対側の林に入り、小動物の狩りを行った。
小屋の中で夕食を食べた。
「俺は、春になったら、弓男と近畿圏に向かう。」
「移動するグループは、どうするんだ」
息子が聞いてきた。
「お前も伊勢や奈良盆地の様子をみたろう。大きな流れがあり、浅間山の婆様は、大巫女の母を見守る事を決めた。移動するグループは、お前と姉の娘にお願いしたい」
息子は、伊勢や奈良盆地の異次元の動きに、春日山や諏訪、八ケ岳の流れを続ける事を理解していた。
姉の娘に対しても信用している。
今回の移動で様々な経験をした。
息子は親父の代理をして進むことを娘と共に誓った。
俺は、春になり、急いで浅間山の森へ向かった。
「婆様、弓男と行くよ」
「お前の血は、渡来の者どもとは違う。巫女の力になってくれ。弓男は、理から抜けられない。お前なら、、、頼むぞ」
俺は、婆様の言いたいことが理解できなかった。だが、弓男と近畿圏の巫女の元へ行くことは、決定していた。
昨年から乾燥させていた茅を束ねて、持って行くことにした。
まだ雪の残る八ケ岳、諏訪、伊那を抜けて、まずは伊勢に向かった。
愛知から、海が見えると山を抜けて海岸線に出る。何本か川を渡り、宮川に着いた。
やはり伊勢は暖かい。
宮川の先の竹林を通り館に着いた。
弓男と俺は、警備の兵に挨拶すると館の侍女に、大巫女への挨拶を願い出た。
「大巫女様、婆様が近畿圏の母様を助けよと言われた。大巫女様にもご理解いただきたい」
弓男が、そのように伝えると、大巫女は、浅間山の婆様の恩義に礼を言って二人を送り出した。
国見山には、少し雪が残っていたが、二人は急いで近畿圏の館に向かった。
小矛を見せると、侍女に巫女様への面会を申し出た。
「巫女様、浅間山の婆様より、面倒を見ろと言われている。我らをお使いください」
弓男の言葉に、巫女が答えた。
「婆様が、気にかけてくださるのか、ありがたい。」
済まぬのうぉと弓男に伝えると、俺に向かって聞いてきた。
「お主はどう思う?」
「巫女様、俺は難しいことは分からないが、米作で集まった集落の皆の前で、豊穣の祈りを捧げるのはどうだ」
皆の前で、、、
巫女は、忘れていた。祈りは捧げていたが、皆の前で、行っていなかった。以前にはあったのに、渡来の者どもに、啓されていたのかもしれない。
「そうか、皆の前での、、、そうじゃ、弓男や、吉野の冷水を汲んできてくれぬか?」
「分かりました。吉野は知っています。我らは、茅をお持ちしていますのでお使いください。」
巫女は顔を上げて頷いている。
二人は館を出て吉野に向かった。
巫女は、侍女に言って、渡来の者どもと話し合うことを決めた。
そして、2日後に豊穣祭を館の広場で行うことを決めた。
集落では、苗床は作り始めていたが、今年は豊穣祭が行われることで、皆喜んだ。
渡来の者どもは、巫女の動きが皆に喜ばれることが、意外であった。
春の日和が、ポカポカしていた。




