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漂流者  作者: 熊さん
第二章:移動するグループ
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蜂蜜

蜂蜜



伊勢に向かう道中に昨年から息子を仲間に入れた。

姉の娘は、今回は置いてきたが、仲間になった。


諏訪を抜け、伊那を通過すると山を登る。結構険しい。


愛知に入って、速度をゆっくりにした。


息子が初めての道に声をかけてきた。


「大巫女の館まで、どのくらい?」


「伊勢までは、海が見えたら、山に入りるが、後三日ぐらいだ。」


大巫女が縄文巫女で、浅間山の婆様との繋がりがある事は理解していた。

息子には、付いてくる力を付けさせたい。


山を抜けると、再び海が左側に広がり、その後、何本か川を渡り、櫛田川が出てきて、海岸線に小屋が見えた。


田んぼがある。

よく見ると、山側に屋敷の様な建物が増えていた。

少し様子が変わったと感じた。


宮川に出た。

清流である川に、ホッとした。


奥に入ると竹林が深くなり、細い道が出来ていた。

館の前に警備の兵だろうか。立っていた。


弓男が伝えた。


「浅間山から来た。茅を大巫女様に届けに来た。」


弓男が小矛を見せて伝えた。


「大巫女様がお待ちだ。」


茅を降ろし、侍女に従い、中に入った。

奥の大きな部屋に入る。


「よう来た。婆様には感謝じゃな。おお、そっちは息子か?よう似てる」


大巫女は、息子を見て言った。

弓男が答えた。


「婆様が、顔を見せてこいと言っていた。」


「お陰で、伊勢の集落でも米が作れるようになった。お前たちが近畿圏へ伝えてくれたからだ。ありがとう。

また、面倒だか、母に届けてもらいたいものがあるのじゃ。」


「大巫女様の願いなら、行きます」


弓男の答えに、俺も頷いた。


大巫女は、侍女に言って、二つの壺を弓男に渡した。


「これは、熊野の蜂蜜じゃ。ひとつを近畿圏の館に行って、母に届けてくれ。もう一つは、婆様に御礼として奉納したい。」


壺を渡すと、侍女が小皿に乗せた蜂蜜を前に出した。

三人が舐めてみた。


「甘い。それに香ばしい。」


息子が大きな声を出して驚いてる。弓男も俺も初めての味で、驚いた。


「どうじゃ、熊野が奉納してきたので、お裾分けじゃ。面倒をかけるが、よろしく頼む」


兵達には見せられないし、浅間山の婆様にも渡したいからと、大巫女が、頭を下げた。


三人は、しかと届けるというと出ていくのであった。


日が高く、真上にあった。


竹林から風が吹いて来て、早くいけと言ってるようだった。


宮川の水は透き通って、キラキラと光っていた。


田んぼの稲穂が、見ながら、櫛田川を左折し、国見山へ向かった。


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