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「だから、あの日……霊力測定会で、貴女よりも高い数値を叩き出せたことが嬉しくて。私、調子に乗って、貴女にすごく嫌味な言葉を吐いたわ。……なのに貴女は、そんな私を助けてくれた。助ける義理も理由もないにも関わらず」
さばさばとした口調も、肩を落として落ち込む姿も、普段神奈が見ている有栖とは違う。けれど、不思議と嫌な気はしなかった。
頭の高い位置で結ばれた、有栖のウェーブがかかった髪がふわりと揺れる。
「今更だけど、あの時は……本当にごめんなさい」
そう言って頭を下げた有栖に、神奈は目をぱちぱちと瞬かせた後、ふと口元を緩めた。
思わぬきっかけで、こうやって彼女と話すことになったけれど、自分を曝け出すということが、どういうことなのかについては神奈自身もよく知っている。かつての自分も、婚約者に本当の自分を見せられずに随分と悩んだ経験があったから。
(きっと、彼女にとっても簡単なことではないはず……)
そう考えると、これ以上有栖に対してとやかく言う気にもならなかった。過去のことは水に流すと決め、神奈は「白雪さん」と、彼女の名を呼んだ。顔を上げた有栖の目には、申し訳なさと戸惑いの色。
「あの一件はもう忘れることにしますから、どうかお気になさらず」
それから神奈はすっと手を出して、有栖に向かって小首を傾げた。
「その代わり……私とお友達になってくださいませんか」
神奈の口から出てきた言葉に、有栖の戸惑いが一層増した。
「私と、友達に……?」
「ええ、白雪さんは流行にお詳しいと聞いたものですから。流行りのお店や、ドレスなどを教えていただきたくって」
それから「どうやら白雪さんも私と同じでぼっちのようですし」と続けた神奈に、「ぼっちとは失礼ね!」と思わずツッコミを入れてきた有栖。けれど直後、二人で顔を見合わせると、何だかおかしくて吹き出してしまった。
「じゃあ、改めて。これからよろしく」
「こちらこそ、仲良くしてくださいね、有栖さん」
今度は有栖が差し出した手を、神奈がそっと握りしめる。まさか有栖と友人関係になるとは思いもしなかったが、こうして神奈の数少ない友人に白雪有栖が加わったのだった。




