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その日の見回りでは、街へ出てすぐに魔鬼が出現したと式神による報が入り、神奈たちは即座に現場へ急行した。
「キャー!」
「逃げろ、魔鬼が出たぞ!」
逃げ惑う人々と悲鳴を追いかけ現場に向かうと、五体の魔鬼が暴れており、腰を抜かしたご婦人と少年に襲い掛かろうとしているところだった。額から伸びる白い角に、尖った犬歯と鋭い伸びる長い爪。いつ見ても不気味な姿には、何度遭遇しても慣れないものである。
「ひっ……!」
「この野郎! どこか行きやがれ!」
周りにいた若者たちが、箒や鉄棒のようなもので何とか彼女たちを助けようと奮闘しているところを確認し、神奈は刀を鞘から抜いてすぐさま駆け出した。
「佐々倉君、他の退魔師に式神を!」
「承知しました!」
今日初めて一緒に組むことになった下級退魔師の佐々倉に指示を飛ばすと、まずは一般市民を守るためご婦人と少年に迫る魔鬼を斬り伏せた神奈。
夏樹が「ここは我々が引き受けますから退避を!」と声を上げれば、若者たちが「ありがとうございます!」と、婦人と少年に手を貸し、その場から何とか逃げ出すことができた。
それを横目で確認する間も、魔鬼たちが神奈に襲い掛かってくる。
だが、複数体の魔鬼相手にも冷静に刀を握りしめ、神奈は次々に相手を確実に斬り伏せていく。まるで舞を踊るような刀捌きは美しく、水が流れるような軌跡をたどりながら体を動かす様子を、退避途中の青年らが見て「すげぇ」と呟いていた。
そんな中、式神の送付と一般市民の退避を援助していた佐々倉も討伐に加わり、三人体制で対応する。数は三体に減ったものの、一度に五体の魔鬼が出現するのは稀。一体を夏樹と佐々倉に任せた神奈は、二体の魔鬼を相手にしながら、敵の動きを観察していた。
(この魔鬼、何だか様子がおかしいですわね……)




