修復
プロローグはまだ続きそうです
突然の爆発から数時間後……
LEDランタンに照らされたタープテントの下で口を開く。
「・・・現在、負傷者36名、死者6名が確認出来ている。もうすぐ応援が到着するが、それでも皆疲れ
てくる頃合いだろう。なのでこれから交代制で救助活動を再開する。なお爆発の原因らしき物を確認
した場合、いつでも俺に報告しろ。見つけた場合は触るなよ。」
「了解!」と隊員達が返事をし、瓦礫の山へと向かって行った。
(一体なぜ爆発した?)その疑問だけが心をざわつかせる。今まで何度も爆発の瞬間を
目の当たりにしてきたが、今回の爆発は違和感を感じる。核 爆弾 ガス 粉塵 そのどれにも
当てはまらない。
核の場合だととっくに俺達は死んでいるし、爆弾の場合は数が必要になる。救助中にルーカスに
聞いた話だとガスらしき臭いはしなかったし、粉塵なんてもってのほかだ。俺は記憶を辿る。
一つだけ、思い出したくもない記憶が蘇る。
数年前、「奴ら」が最初に現れた時に発生した爆発。その爆発によりローズは死んだ。
その時はもっと大きい爆発だったが、爆発の様子はあの時と同じだった。
(だが何故奴らがいないんだ?)
今まで数こそ少ないが同じような爆発の後には必ず奴が出現する。なのに今回の爆発後は奴らは
現れなかった。
(イレギュラー……)奴らがしていることは一見すると侵略だ。だが行動を細かく見ると謎な点が多い。
突然現れては消滅したり、何も無い草原を何か呟きながら彷徨ったり、反撃せずに銃弾を受け続けたりした。
そんな事を考えていると後ろから声がかかった。
「ガイ……?」女性の声だ。
「ユリか。久しぶりだな」話しかけてきた女性は[ミナセ・ユリ]訓練校時代の同期だ。
「どうしてここにいるんだ?」呆れたように溜息を吐いて答える
「ここの基地の支援よ、話聞いてなかったの?」
「ああ、そんな話あったな……」
「あんた訓練生の時からそんなだったよね、その割には座学の内容とかめちゃくちゃ覚えてるし」
「訓練全てが楽しかったからな。あと教官が面白かった」
「ホントに……変わらないね……」微笑みのなかに寂しさを感じた。
「なぁ、そういえば」 そっちはどうなんだ?言葉の途中で電話が掛かってきた。「少し待っててくれ」
そう言って少し離れた瓦礫の影で電話に出た。
「ルーカス?何だ?」
《兄貴、今NK部隊の人が部隊長がどっかに行ってるらしいんだけどそっちに行ってない?》
「わかった。探してみる」
「弟君?」会話を盗み聞きしていたのか、ユリがそう聞いてきた。
「ああそうだ。連絡でNKの部隊長がどっか行ったらしいんだが、お前知らないか?」
「そうだね…この辺にいるんじゃない?」どや顔で言ってきた。ん?
「少し探してみるか」ユリが溜息をついて背中を小突いてきた。
「もう、そこも変わってないのね」
遠くから声が掛かった「兄貴~?どこに行った~?」
「ちょっと行ってくる」そう言うと「私も行く」と返してきた。
少々歩き、輸送用の大型ヘリが見えてきた。ヘリの側面にはNKの文字がプリントされている。
ルーカスがこちらに気づき手招きをした。
「何の用だ?」そう聞くと奥にいたNK隊員が口を開けた。
「隊長!どこに行っていたんですか?!」そう言ったことに俺は驚く。
するとユリが前に出てきて隊員と会話を始めた。
「悪い悪い、ちょっと現場の様子見てたんだ」
「隊長はいつもそう言ってフラフラと何処かに行くじゃないですか」
「そう硬いこというなよ~」その光景を見て少し肩の力が抜けた気がする。
「...兄貴、ようやく表情が楽になったね。ずっと眉間にシワが寄っていたんだよ」
「そうか、まぁ少し楽にはなったかもな……」
それから数日後、NK部隊の協力もあり瓦礫は片付き、中規模の野戦病院を設置した。
そして指揮役は解任された(やっと休めるな……)
二段ベットの下の段で仰向けになり目を瞑ると忘れかけた事を思い出した。
新部隊の拠点は無事だったが、志願した隊員達は無事だろうか。人型実体の行動と今回の爆発。
そんな事を考えていると、思考が鈍り、まどろんでいった。
メインの部隊がようやく活動開始します。ゆっくりとお待ちください。




