交流
あけましておめでとうございます
とてもゆっくりな更新間隔ですがこれからも読んでいただけると幸いです
先の任務が事後処理込みでようやく終わった
それから数日後、彼女はこちらで生活させる事が決定した
内地に連れて行く提案もあったが身寄りがない彼女には無理な話であった
現在は本部の教育棟で遠隔の監視付きだが生活している
先生によると人見知りが強く、文字もあまり読めないが頭の回転は人一倍速いらしい
そして名前だが、「アリス」と呼ばれるようになった
なぜか名付ける時に本人から俺がいいと言われ(指を指されただけだが)最終的にアリスと名付けた
そして今はというと教育棟近くの子供たちが生活をしている寮に向かっている
どうやらアリスが俺らに会いたいと先生に言ったらしい
そして先生の提案でバーベキューでもしたらどうかと提案があり、そのための道具も運んでいる
少しするとルーク1もとい、【ジャック・ウィリアム】が「そろそろ着きます」と話した
「学校に行くのは訓練生の時行ったっきりなので久しぶりですね」
「行った事があるのか?」
「はい。座学の時に教鞭をとったのがその学校の先生で、
お使いを頼まれてその時行きました」
「よく覚えているな」
「あの先生はかなり印象が強かったですからね」
たしかに先生は訓練校の教官と比べたら性格が真逆に近いから印象には残りやすいだろう
「お、見えてきました」
車の前方に本部や周りの施設と見比べると異質な存在感がある建物が見えた
正面入り口付近に先生が立っているのが見える
校舎側面にある控えめな駐車場に車を止め、他の隊員にはBBQセットの組み立ての指示を出した
その間に俺は先生に挨拶をしようと玄関に向かった
「少しぶりです。先生」
「どうもガイア君、今日はちょっとしたワガママを聞いてくれてありがとうね」
「いえ、こちらとしてもアリスとの交流に丁度いい機会だったのでよかったです」
「いやいや、こっちもこの前の爆撃で子供たちが心から落ち着けない状況だったからありがたいよ」
少し先生がテキパキと動いている隊員達を見ると口を開いた
「昔は戦いなんて人間同士がやるものだったのに
今じゃよくわからないエイリアンみたいなヤツと戦うことになるなんてね」
その口調はどこか寂しいような感じだった
「さ、行こうか。子供たちがお腹を空かせてるよ」
急な気の入れ替わりに驚きつつも機材の運搬を手伝い、グリルやその他の物の準備を整えた
準備途中、子供たちが遊んでいる中、アリスはただ遠くを眺めていた
それから数分後……
「さぁ皆、部隊のおじさんたちにお肉焼いてもらうから欲しい人からおいで!」
「おじさんって……」隊員の内一人の軽く絶望している声が聞こえたが気にしないでおこう
子供たちが我先にと言わんばかりにグリルの周りに集まる中
アリスは寮の内で十代前半の年長であろう少女に話しかけられていた
「ねぇ、お姉さんとお肉食べに行かない?」
「ん……」
「よし!じゃあ行こう!」
手を引かれて小走りぎみにグリルに向かって行く姿はまるで姉妹のようだった
その後、1,2時間ほどで子供たちは満腹になったようで、
寮の中に戻って行く組と外で遊ぶ組に分かれていた
アリスはというとなぜか俺の膝の上に座っている
先生からは「懐かれてるね」とか言われたが俺がなにかしただろうか
リラックスしているアリスを退けるわけにはいかず、背もたれに体を預けている
時々、肉の乗った皿を届けにくる隊員以外は子供の声しか聞こえず、最近では珍しくのどかな時間だ
少し遠くで子供たちが遊びまわっているのを眺めているとアリスが体に揺りかかってきた
何事かと視線を落とすと静かに寝息を立てて寝ていた
余計動きにくくなったと頭の中で思った瞬間、ふとある疑問が浮かんだ
あの時、この少女を回収せずあの場所に放置していたらどうなっていただろうか
この少女は感情こそ表には出さないが、行動の中には感情がしっかりと感じられる瞬間がある
もし放置してあの場所から離れていたら絶望していただろうか、逆に何も感じなかっただろうか
今、彼女はここに居てもいい存在なのか
今まで様々な人間を助けて来たが、彼女だけはどうしてもどこか引っかかる
だが今こうして少しでも平和に過ごせていればそれでいいだろうと無理やり納得する事にした
この事についてはいつか決着がつくだろう
そして息を深く吐き、椅子の背もたれに体を預けた
まだまだ続ける予定ですので改めてよろしくお願いします




