表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リッチ(金持ち)を願ったらリッチ(アンデッド)にされたんだが?  作者: キヒロ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

89/120

89 リッチィさん、数日ぶりの帰還

連投いきます。

 

「やっと帰れた……」


 久しぶりの地上、数日ぶりの帰還だ。

 あわやもう少しで魔王城に永久就職するところだったが、何とか帰って来ることができた。


「お待ちしておりました、リッカ様。御自宅までお送り……しま……す……」


 転移魔法陣の上から降りると、一台の馬車を引いた御者が声を掛けてくる。

 宰相様が手配をしてくれたのだろうか。

 どうやらダンジョンまで送ってくれるようだが……私の側にいるソラを見つけると固まってしまった。


 うん、凄く動揺して震えているね。

 まさかソラもいるとは思ってもいなかったようで、慌てて馬車を走らせ逃げようとしていたのを止めた。ここからダンジョンまではかなり遠いのだ。申し訳ないけれど、付き合ってもらいます。


 無理矢理にでも御者さんを捕まえて説得し、なんとかダンジョンまで送ってもらえるよう交渉した。御者さんからはどうか無事に生きて帰してほしいと言われた。ありがとうございます、凄く助かります。


 恐々と馬車のドアを開けてくれた御者さんにお礼を言って乗り込むと、続いてソラが一緒に入ってくる。

 ソラは一緒に大量の荷物を馬車の中に詰め込もうとしていたが、明らかに入りきらないので馬車の上部へと固定してもらった。

 ……出来れば魔王城に置いていってほしかった。何だか凄く不安だ。一体何を持ってきたのだろう。どうか変な物をダンジョンに持ち込みませんように。これ以上のカオスはごめんだ。


 そんな苦悩をしていると、御者さんから『出発します』と言われ馬車が動き出す。

 ガタガタと揺れる車内は相変わらず暇の時間だ。

 魔王城からダンジョンまでの移動は時間が掛かる。めちゃくちゃ遠いというか、魔王城都自体がめちゃくちゃ広いだけなんだろう。


 ぼーっと車内から外を眺めていると、私の肩にソラの頭が寄り掛かってきた。


「眠いのですか?」

「……ん」


 どうやら眠いようだ。

 体を完全に此方側に傾きかけているので、けっこう重い。本当に悲しいくらい自分の体が貧弱だ。ソラの体重すらも支えられないとか……本当に体を造り直してくれないだろうか。マジでお願いしますよ閻魔大王様。


 そろそろ本当に支えるのが限界になってきたので、ソラに膝を貸して眠ってもらう。膝枕だ。


「着いたら起こしますので、眠ってて大丈夫ですよ」


 返事は無い。

 ソラの頭を膝に乗せるとすぐさまに眠ってしまったのだ。


「寝顔だけなら普通の女の子なんだけどなぁ……」


 サラサラの銀髪を撫でながらソラの寝顔を見詰める。

 色々とヤバい経歴を持つソラだが、寝顔だけは本当にあどけない少女なのだ。

 どうしてこれがあのマッドなサイコパスになるのか……幼少時代をどう過ごしたらこうなるのか不思議でならない。


「幼少時代と言えば、ソラと魔王様って幼なじみだったんだよねぇ」


 魔王城内での二人を思い返す。

 魔王様はガチでソラにビビってた。

 きっと幼少時代に色々と付き合わされたんだろう。ソラが魔王様のことを『玩具』と呼んでいたし。

 それに魔王様と言えば、私が魔王城を出る際にコソコソと後ろからひっそり付いて来ていたのだ。完全にバレバレだったけど、柱の影からチラチラと此方を覗き『……本当に帰るのかや?』とした視線で私を見ていた。


 凄く心に突き刺さる視線であり、若干もう少し残ろうかと思わなくもなかったが……私は帰ることにした。

 自宅であるダンジョンが気掛かりでもあったし、商業ギルドのクマさんとも早く話をしないけといけない。一応は魔王城に私宛で商業ギルドからお手紙は来てたけど、クマさんは外出中で多忙だと代筆で書かれてた。あと伝言で『覚えてろクマ』と……半年程ぶっちしたのでクマさんは怒ってるのかもしれない。


 まぁそれにどちらにせよ、私は直ぐに魔王城に戻らないといけない理由もある。

 経理課のオガちゃんからの依頼でもある、人間の奴隷の調達。


 ……マジでどうしようか。

 報償金に釣られて普通に受けちゃったけど、少し後悔している。てかそもそも提案したのは私なのだから、結局は受けざるえないんだけども。人間族の奴隷の調達ってどうやったらいいのだろうか。私ってまだその辺りの事は全然知らないだよなぁ。


 正直、私は割と何故か奴隷に対して抵抗感はない。

 その辺は地獄で散々亡者を扱ってたから慣れたのかな。

 あいつら基本、善人ではなくド畜生の悪人だったから心は痛まなかったけど……賽の河原だけは心と体が痛かった。何度も子供達に石をぶつけられながらも罵倒されるのだから。


 それにどちらかと言うと罪悪感がある。

 魔族の巣窟、その中心とも言える魔王城……ブラックなまでの過酷な職場に一人だけ人間を放り込むとか……鬼畜過ぎて色々と本当に笑えない。


「……明日にでも探してみますか」


 仕事は早い方がいい。

 そうして私は罪悪感から目を反らし、膝でスヤスヤと眠るソラの寝顔を見詰めながら時間を過ごしたのだった。

読んでくれてありがとうございます。


ブクマと評価をいただければとても嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
現魔王様が就任したの2000年前ってどんだけ成長が遅いんだよ ソラも同じようだし魔族全体か魔王やソラの種族的なものなのか 魔族全体だとするとミラさんとか5000歳とかかな
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ