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27話:スクルドと街中でバッタリと遭遇する

「あ、そうだ。それじゃあせっかくだから、ルファスさんがまだギルドマスターになる前の武者修行時代の話とかも良かったら聞いてみたいです!」

「私の武者修行時代の話ですか? ふふ、そんな昔の話が聞きたいと言ってくれるなんて嬉しいですね。私の昔の話なんてアリシアくらいしか聞いてくれないので、セツナさんも聞きたいと言ってくれるのは嬉しいです。でもそろそろ次の会議が始まるので、それについてはまたいずれの機会にお話ししましょう」

「え? あ、本当だ。もうそんな時間だったんですね。こんなにも長い時間話に付き合わせちゃってすいません!」

「いえいえ、お気になさらずに。私もセツナさんと話をしていて楽しかったですからね。今日は本当にありがとうございました。そしてこれからも良かったらお話をしましょうね。それではまた」

「はい、お疲れさまです、ルファスさん!」


 そう言って別れの挨拶をしてから、ルファスは次の仕事場へと向かって行った。俺はそんなルファスに手を振りながら見送っていった。


「よし、それじゃあ俺もそろそろ帰ろう……って、あれ?」


 という事で俺も森林公園から出ていき、エルフェミナ家に戻ろうとしたその時。俺は見知った人物を目撃した。それは先輩冒険者のスクルドだった。


 俺はすぐにスクルドに近づいて声をかけていった。


「おーい、スクルドさんー」

「んー? って、おう。セツナじゃんか。お疲れさん」

「うん。お疲れ様。こんな王都の端っこの方でスクルドさんと会うなんて凄い偶然だね。もしかして今まで王都の外に出かけてたの?」

「そうだよ。久々に冒険依頼を受けたから外に出かけてちょっくらモンスター討伐をしてたんだ。そんで討伐依頼が終わったから今から冒険者ギルドに戻る所だ。セツナは今は暇なのか? それならこの後軽く飯でも食いに行かねぇか? 良かったら奢ってやるぜ?」

「え、本当に良いの? それは嬉しいな! スクルドさんが奢ってくれるなんて、そんなの絶対に行くよ!」

「はは、そりゃあ良かった。そんじゃあとりあえず一緒にギルドに行こうぜ。そんで今日の依頼報酬を貰ったらセツナに飯奢ってやるよ」

「うん、わかった!」


 という事で俺はそれからスクルドと一緒に王都の冒険者ギルドに向かっていく事になった。


「それにしてもセツナこそあんな王都の端っこの方で何してたんだ? もしかしてセツナも王都の外に出かけてたのか?」

「いや、俺はすぐ近くにあった森林公園にさっきまで居たんだ。そこでルファスさんに稽古を付けて貰ってたんだよ」

「……へ? ルファス? ルファスってお前……王都のギルドマスターのルファス・スカーレットの事か?」

「うん。そうだよ? そのルファスさんだよ」

「お、おいおい、まじかよ? あのルファスに稽古を付けて貰うとかお前……ぷはは、お前はやっぱり凄いヤツだな!」

「え? え?」


 俺はさっきまでルファスに稽古を付けて貰っていた事を伝えていくと、何故かスクルドは大きく笑ってきた。そんなおかしな事を言ったかな?


「どうしたのスクルドさん? そんな笑って? 俺、何か変な事を言った?」

「あはは。いや、変だから笑った訳じゃねぇんだ。ただあのルファスに稽古を付けて貰えたったなんて単純にすげぇって思ったからさ」

「? ルファスさんに稽古を付けて貰うのが凄い事って? どういう事?」

「あぁ、ルファスはガキの頃から冒険者をしていて、今までに恐ろしいほど大量の功績を収めまくってるスゲェヤツなんだよ。そんな大量の功績を持ってるからこそ、アイツは世界で一番規模のデケェ王都のギルドマスターを任されてるって訳さ。俺の見立てではアイツの冒険者としての実力は世界中で五本指には確実に入る最強格の冒険者だよ」

「えっ!? 世界中で五本指に入る冒険者!? ル、ルファスさんってそんな最強格の冒険者だったの!?」

「おう。そうだよ。まぁ当然最強格の男冒険者は俺で決まってるけど、最強格の女冒険者なら間違いなくルファスだな。そんな最強格の男と女に稽古を付けて貰えるなんて、セツナはマジでスゲェヤツだなって思って、それでつい笑っちまったんだ」

「な、なるほど。そういう事でスクルドさんは笑ったんだね」


 ルファスが強い人だというのは何となく理解はしていたけど、まさかそれほどまでに強い人だったなんてビックリとしてしまった。


「だけど自由奔放かつ好き勝手に冒険してる俺とは違って、ルファスは王都のギルドマスターだから滅茶苦茶に忙しいはずだろ。それなのにセツナに稽古を付けてくれるなんてスゲェな。セツナは一体どんな魔法を使ってアイツにそんなお願いを聞いて貰ったんだよ??」

「いやいや。そんな大層な魔法なんて使ってないよ。まぁルファスさんにはちょっとした恩があってさ、それでお礼という形で稽古に付き合って貰えたんだよ」

「ふぅん。そうだったのか。それじゃあルファスに稽古を付けて貰えたのは今日だけって事か?」

「ううん。俺も今日だけの特別な稽古かなって思ったんだけど、でもルファスさんはこれからも俺の修行とか稽古に付き合ってくれるって言ってくれたんだ。だからこれからも時間が合ったら稽古に付き合って貰う予定だよ」

「へぇ、あの規律を重んじるキッチリとした仕事人間のルファスがそんな事を言うなんて珍しいな。はは、やっぱりセツナは凄いよ。それでアイツの稽古はどんな感じだったんだ? やっぱり超スパルタな稽古だったか?」


 スクルドは笑いながらルファスとの稽古について聞いてきた。何故だかスパルタな稽古だったと思われているようだ。


「ううん。そんな事はないよ。ルファスさんは凄く優しく稽古に付き合ってくれたよ。これからも俺のために幾らでも稽古に付き合ってあげるって言ってくれたし、本当に凄く優しい人だよね」

「ふぅん、そっかそっか。それなら良かったな。まぁ確かにルファスからの稽古を受けられるってのは凄く貴重な経験だな。アイツは強い冒険者だし。だからせっかくだしこれからもアイツから冒険者としての技術を沢山学ばせて貰えよ。ってかアイツとだけじゃなくてたまには俺とも一緒に修行しようぜ? また今度近い内に一緒にダンジョンとか行かないか?」

「えっ、良いの? スクルドさんと一緒にダンジョン行きたいよ! それじゃあ今度改めてスクルドさんにお願いしにいくね!」

「おう。わかった。それじゃあ今度また一緒に修行しにダンジョンに行こうな。俺からもビシバシと鍛えてやるからよ」

「うん、わかった!」


 という事で俺はスクルドと一緒に修行をして貰う約束を交わしていった。またスクルドと一緒にダンジョンに行ける日が楽しみだな。


 それにしても俺の周りにいる冒険者達はこんなにも沢山稽古や修行に付き合ってくれるなんて……はは、本当に皆優しい人達ばっかりで嬉しいな。

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