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24話:怪我をしてる子供を助ける

 それから数日後の午後。


 今日のアリシアのリハビリの手伝いが終わった俺は、一人で王都の街中をノンビリと散策していた。


 理由としてはアリシアと一緒に街中を散歩する日がやって来た時に、アリシアをしっかりとエスコートするためだ。


 そのために俺は一人で街中をノンビリと散策していきながら、頭の中に王都の地図を作り上げていっていた。


 そして街中の散策をしてからしばらくして。


 街中を歩き回ってちょっと疲れたので、俺は王都にある森林公園にやって来てベンチに座りながら休憩をしていた。


「うーん、今日は良い天気だなー……」


 俺は空を見上げながらそう呟いた。最近は暖かい気温になってきたし、アリシアと一緒にこの森林公園に行くのも良さそうかな。


「よし、それじゃあアリシアさんと一緒に街中を散歩する時は、この森林公園に行くルートも考えておこうかな……って、あれ?」


 その時。俺は森林公園の奥の方で女の子が倒れ込んで泣いているのを偶然発見した。女の子の周りには誰もいなかった。


 俺はすぐにベンチから立ち上がってその女の子方に向かった。


「うぅ……ぐすっ……ふぇっ……」

「大丈夫? どうしたのかな?」

「ぐすっ……って、え……?」


 俺は女の子に近づいて優しく声をかけていってみた。すると女の子は泣きながらも顔をゆっくりと上げて俺の方を見てきてくれた。


「どうしたのかな? 怪我でもしちゃったのかな?」

「う、うん……ぐすっ……急いでお家に帰ろうとしたら……石に躓いて転んじゃって……それで……うぅ……」

「そっか。それは辛いね。それじゃあちょっとその怪我をお兄ちゃんに見してくれないかな?」

「う、うん……ぐす……それじゃあ……こ、ここだよ……」

「ありがとう。あー、膝を擦りむいちゃったんだね。うーん、これはすっごく痛そうだね。でもこれならお兄ちゃんがすぐに治してあげるよ。だからあと少しだけ我慢できるかな?」

「え? う、うん……我慢できるよ……」

「うん、良い子だね。よし、それじゃあ……回復魔法(ヒール)

「えっ……?」


―― ポワァッ……


 俺がそう唱えていくと女の子の膝の怪我はみるみる内に塞がっていった。そして女の子の傷跡は全て消え去った。


「え……わわっ! 傷が無くなった! も、もう膝が全然痛くないよ!」

「そっかそっか。膝意外に痛い所は他にないかな? 他は大丈夫そうかな?」

「うん、大丈夫! 何処も痛くないよ!」

「それなら良かった。それじゃあこれからは怪我しないように走る時は注意を怠らないようにね」

「うん、ありがとう、お兄ちゃん! それじゃあバイバイ!」

「うん、バイバイ」


 そういって女の子は俺に感謝を伝えてから家に帰っていった。俺はその女の子に向かて手を振りながらこう呟いていった。


「うん、やっぱり子供は明るく元気な姿が一番だよね」

「はい、そうですね。セツナさんの言う通りです」

「……えっ?」


 女の子に手を振りながらそんな事を呟いていると、唐突に後ろから俺の名前を呼ぶ声が聞こえてきた。


 俺は慌てて後ろを振り返ってみると、そこには王都のギルドマスターであるルファスが立っていた。


「あ、ル、ルファスさん! お疲れ様です!」

「はい、お疲れ様です。セツナさん。今日は一人でお散歩ですか?」

「そうですね。今日のアリシアさんのリハビリの手伝いが終わったので、せっかくだからちょっと王都の中をブラブラと散策していた所です。というか仕事で忙しいルファスさんと公園で会うなんて意外ですね。今はお仕事は休憩の時間帯なんですか?」

「はい。本来ならばこの時間帯には騎士団との打ち合わせ会議があったのですが、急遽日程が変更となったのです。それで次の予定まで少しだけ暇になったので、休憩がてら森林公園に立ち寄ってみたのです。そしたら遠くの方でセツナさんがいるのを発見したので、挨拶をしようと思ってこちらまで向かったという訳です」

「なるほど、そういう事だったんですね。わざわざ俺に挨拶に来てくれてありがとうございます」


 どうやらルファスは急に休みの時間になったので森林公園を訪れたらしい。そしたら公園の中に俺が居るのを見つけたから挨拶をしにここまで来てくれたとの事だ。


 ルファスの礼節を重んじているのがしっかりと伝わって来るよなー。流石は貴族様だな。


「ふふ、それにしてもギルバート殿からセツナさんの話は沢山聞いていましたが……セツナさんは本当にとてもお優しい方なのですね」

「えっ? って、あ、あぁ、もしかして今の光景をルファスさんは見てたんですかね?」

「はい、セツナさんがあの女の子を助けてる所をしっかりと見ていましたよ。女の子を安心させるために優しく撫でてあげたり、すぐに回復魔法を使って助けてあげたりするなんて……ふふ、セツナさんは本当に優しくて立派な方だと思いました」


 ルファスは優しく微笑みながら俺にそんな事を言ってきた。どうやら俺がついさっきまで女の子の怪我を治していた光景を全て見ていたようだ。


「えっ? そ、そうですかね? だけど泣いてる子供がいたら誰だって普通は助けると思いますよ? だから俺は当然の事をしたってだけですよ?」

「ふふ、それを世間一般には優しいって言うんですよ。そしてセツナさんのような優しい方が世界中に溢れたら……ふふ、きっと素敵な世界が広がるかもしれませんね」

「い、いやいや、流石にそれは言い過ぎですよ、あはは。でもそう言ってくれて嬉しいです。えっと、だからその……ありがとうございます、ルファスさん」


 俺はベタ褒めしてくるルファスに対して、ちょっとだけ顔を赤くしながらもそう感謝の言葉を伝えていった。

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