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23話:それから数日後

 それから数日後のお昼過ぎ。


 今日もいつも通りエルフェミナ家の庭先でアリシアのリハビリの手伝いをしていた。


 そしてアリシアは片手杖を使いながら庭の中を楽しそうに歩き回っている。


 最初の頃に比べたらだいぶ歩くのにも慣れてきたようで、今のアリシアは毎日楽しそうにリハビリ活動を行っていた。


「よし、それじゃあ今日のリハビリはこれくらいで終わりにしましょうか。お疲れさまです、アリシアさん」

「はい、わかりました。今日もありがとうございました、セツナ様」


 それから数時間が経過して、今日のリハビリも無事に終わる事が出来た。


 アリシアに労いの言葉を送っていくと、アリシアは柔和な笑みを浮かべながらそう返事を返してきてくれた。


(うん、アリシアさんの表情はとても穏やかな感じだな)


 今のアリシアは昔のようにリハビリを終えた後に、大粒の汗をかきながら息切れをして苦しそうにしていた面影は一切ない。


 さらに今日のリハビリでは、アリシアは片手杖を使いながら庭の中を自由に歩き回る事が出来ていた。


 これならきっとそろそろ……。


「今日は一日アリシアさんの事をじっと見ていたんですけど、もうだいぶ歩けるようになりましたよね。それに昔みたいに息切れしてないし、かなり体調も回復してきたんじゃないですか?」

「そうですね。昔と比べたらだいぶ歩けるようになりました。でもここは屋敷の庭だから私達以外に人や障害物はないですし、倒れたとしても地面はふかふかの土だから怪我する恐れがないという状況だからこそ歩けてるだけな気がします。ですから屋敷の外の場所だとしたら、歩けるかどうかはちょっと心配な気がします……」

「あぁ、確かにそんな心配をするのは当然ですよね。わかりました。それじゃあ近い内にリハビリとして俺と一緒に王都の街中を散歩してみませんか?」

「えっ? セツナ様と一緒に王都の街中をですか?」

「はい。まぁもちろんギルバート様に了承を得れたらの話になりますけど、どうですかね? 良かったらリハビリがてら王都の街中まで一緒に散歩しに行ってみませんか?」

「あ、はい、それは是非とも行ってみたいです! 王都の街中なんてずっと行けてないので、是非とも一緒に行きたいです!」

「わかりました。それじゃあ後でギルバート様に外出する許可を貰えるか打診してみますね。それでオッケーが貰えたら一緒に王都の街中に行ってみましょう!」

「はい、わかりました! セツナ様と一緒に街中に行けるのを楽しみにしてます!」


 俺がそんな提案をしていくとアリシアは目をキラキラと輝かせながらそう返事を返してきた。王都の街中を歩けるのがとても嬉しいようだ。それじゃあ何としてもギルバートから許可を貰わなきゃだな。


「はい、俺もアリシアさんと一緒に王都の街中を歩けるのを楽しみにしています。そのためにもギルバート様から必ず許可を貰ってきますから安心してくださいね」

「ふふ、期待してしますね。そしてここまで私のリハビリを手伝ってくれて本当にありがとうございます。セツナ様のおかげでここまで早く歩けるようになったと言っても過言ではありません。ですからセツナ様にはもう感謝の気持ちでいっぱいです」

「俺の手伝いなんて微々たるものですよ。むしろここまで早いペースで順調に歩けるようになっていってるのは、アリシアさんが毎日全力でリハビリを取り組んでいるからですよ。そしてこのままのペースでいけば、きっと近い内にアリシアさんは自由に何処でも歩き回れるようになると思いますよ」

「え、本当ですか? ふふ、そうだと嬉しいです」


 俺はアリシアにそんな事を伝えていった。


 今のアリシアは片手杖を使いながらだけどしっかりと自分の脚で歩いている。もうあまりふらつく事もないし、俺の手によるサポートもほぼ必要にならないくらいまで来ている。


 これなら多分あと一か月もあれば俺のサポートは完全に不要になって自由に歩けるようになるだろう。


(ここまでリハビリは凄く順調だし、アリシアさんがもうすぐ元気になれそうで本当に良かったよ)


 まぁもちろん今のアリシアの問題には『呪術』の件が残ってるんだけど、でもその問題に関してはルファスやギルバードと言った信頼出来る大人達が調べてくれてるので大丈夫だろう。


 だから俺は『呪術』の件はギルバート達が解決してくれると信じて、俺は俺に与えられた仕事であるリハビリのサポートを全力で集中して頑張って来たんだ。


 そしてその甲斐もあってアリシアはとても元気な姿になってくれたので本当に嬉しい気持ちでいっぱいだ。


 でも……。


(でもそうなると……俺の役目もあと少しで終わりかな……)


 俺の役目はアリシアのリハビリの手伝いだ。だからアリシアが俺のサポート無しでもちゃんと自由に歩けるようになったら、それで俺の役目は終了となる。


 そしたら俺は地元の田舎町に帰る事になるだろうし、アリシアとこうやって一緒に交流出来るのも後少しだけなのかもしれない。


 そう考えると……何だかちょっとだけ寂しい気持ちになるな……。


「……? どうされましたか? セツナ様? 何だか上の空ですよ? 体調でも悪いのですか?」

「……え? あ、い、いえ! 何でもありません! ちょっとだけボーっとしてただけです! 体調は全然悪くないので気にしないでください!」

「そうですか? それなら良かったです。でもまだまだ肌寒い日が続いていますし、風邪を引いたら辛いですから、それではそろそろ屋敷の中に戻りましょう。セツナ様」

「はい、そうですね。それじゃあ……はい、どうぞ」

「あ……はい、それでは……」


―― ぎゅっ……


「……ふふ、いつもありがとうございます、セツナ様。それでは部屋に戻りましょうか」

「はい、わかりました」


 という事で今日もいつも通りアリシアと手をぎゅっと繋ぎながら屋敷の中に戻っていった。

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