22話:アリシアにルファスの事を聞いていく
それからしばらくして。
「……という感じで地元の町のギルドマスターに希少な薬草の見分け方を教わったので、最近だとその知識を活かして森の中で薬草採取をする事が多いです。今日引き受けた冒険依頼も薬草採取でしたよ」
「ふむふむ。希少な薬草というのがあるんですね。でも薬草はパっと見た限りだと全部同じように見えてしまうから、希少な薬草を見分けるのは難しそうですね」
「いや本当にそうなんです。俺も最初の頃は何度も薬草の種類を間違えましたし。でもギルドマスターのダグラスさんが俺のために何度も懇切丁寧に教えてくれたおかげで、今ではバッチリと見分けが付くようになりました。あと最近だと他の先輩冒険者さんから薬草を使ってポーション薬を製作する“調合”という技術も教わったので、自分でポーション薬を作る練習とかもしている所ですね」
「わわ、自分でポーション薬を作るなんて凄いですね! ポーション薬はお店で買うモノだという概念があったので、自分でポーション薬を作れるなんてセツナ様は本当に凄いです!」
俺は今まで冒険者として過ごしてきた日々の話をアリシアに語った。アリシアはずっと楽しそうに聞いてくれるので凄く話しやすかった。
「ありがとうございます。でもまだポーション薬を作る練習を始めたばかりだから、成功率は全然高くないんですけどね。だからこれからも沢山勉強したり練習したりして、完璧なポーション薬を作れるように頑張っていきます!」
「なるほど、それは素晴らしい目標ですね! 是非とも頑張ってくださいね。私も応援していますよ。それにしてもセツナ様には沢山のお師匠様がいるようですね。そんなにも沢山のお師匠様がいると学べる事も沢山あって毎日充実とした日々が過ごせそうですね」
「はは、確かに冒険者になってから今日に至るまでずっと充実としてる気がします。でも充実とした日々を過ごせているのは出会った人達が皆優しいからですよね。優しい冒険者の先輩達が師匠になってくれて色々な知識や技術を伝授してくれたし、勉強や修行にも気軽に付き合ってくれるし、困った時はいつでも相談に乗ってくれるし、本当に皆優しい人達ばっかりでした。だからもう皆には感謝の気持ちでいっぱいですよ」
「ふふ、そうなんですね。セツナ様の周りには優しい人達が多いんですね。それはとても嬉しい事ですよね」
「はい、俺の周りには優しい人達ばっかりで嬉しく思う毎日ですよ。あ、そうだ。冒険者繋がりで思い出したんですけど、今朝にルファス・スカーレットさんという方とお会いしましたよ」
冒険者についての話をしていたら、ふと朝にルファスと出会った事を思い出したので、アリシアにルファスと出会った事を伝えてみた。
ルファスとアリシアは旧知の仲という話を聞いたし、せっかくだからアリシアに報告しておこうと思ったんだ。
「えっ、ルファス姉さまとお会いしたんですか? あ、そっか。そういえば姉さまは王都の冒険者ギルドのギルドマスターですものね。ルファス姉さまはどうでしたか? お元気そうでしたか?」
「とても元気そうでしたよ。それとルファスさんと少しだけ雑談をしたんですけど、アリシアさんとルファスさんは昔から仲が良かったそうですね?」
「えぇ、そうですよ。エルフェミナ家とスカーレット家も昔からずっと交流のある家系同士ですからね。それに母が亡くなった後、ルファス姉さまは私やエステルの事を気にかけてくださって、幼少の頃は毎日のようにエルフェミナ家に来て沢山遊んでくださったんです」
「そんな幼少の頃から交流があったんですね。だけどルファスさんも貴族だから色々とやる事も多そうなのに、それでも毎日エルフェミナ家にやって来たなんて凄いですね」
「えぇ、本当にそうなんですよ。スカーレット家は武家の名門ですから、ルファス姉さまは毎日剣の鍛錬で忙しかったというのに、それでも合間を縫って私達と沢山遊んでくれたんです。時に厳しく、時に優しい、私達にとって本当の姉のような存在でした」
アリシアは嬉しそうな表情をしながらそう返事を返してきた。その表情からルファスの事がとても大好きな事がとても伝わって来た。
「なるほど。やっぱりルファスさんはとても優しい方なんですね。今日初めてルファスさんと出会ってみて、何となく優しい雰囲気のある方だと思ったんですけど、想像通りの方のようで良かったです。それとアリシアさんの事も呪じゅ……じゃなくて、病気が治った事をとても喜んでいましたよ」
「まぁ。ルファス姉さまが喜んで下さっていたなんて嬉しいです。本当なら今すぐにでもルファス姉さまに身体が治った事を報告したい所ですが……でもルファス姉さまはお仕事が忙しい方ですから中々エルフェミナ家には来れないんですよね。ですから私のリハビリが終わって自由に外を歩けるようになったら、私の方からルファス姉さまに会いに行こうかなって計画を立てている所なんです」
「おぉ、それは良い計画ですね。きっとルファスさんも喜んでくれると思います……って、あ、そうだ。それじゃあ今度エステルさんの家に食事会でお呼ばれする時は、ルファスさんも一緒に参加して貰うってのはどうですか? ルファスさんを食事会にお誘いしてみませんか?」
「え? ルファス姉さまもですか? ですが今回はセツナ様へのお礼を兼ねた食事会ですよ? そんなセツナ様への感謝を伝える食事会にルファス姉さまを呼んでも良いのですか?」
俺がルファスを食事会に招待したらどうかと提案していくと、アリシアはキョトンとした表情をしながらそう尋ね返してきた。
「もちろんです。俺もルファスさんとは是非色々と話がしてみたいですから。それに今回の食事会は俺へのお礼だけじゃなくて、アリシアさんの完治のお祝いも兼ねてますよね? それならアリシアさんのお姉さんであるルファスさんも呼ぶべきですよ。アリシアさんも早くルファスさんに会いたいだろうし、きっとルファスさんも同じ気持ちだと思いますしね。だから是非ともルファスさんも食事会にお呼びしましょうよ」
「セツナ様……ふふ、そう言って下さってありがとうございます。それではお言葉に甘えてルファス姉さまにも食事会の打診をして貰うようにエステルに頼んでおきますね。ルファス姉さまとお会いできるのは久々ですから……ふふ、本当に嬉しいです」
「はい、わかりました。俺もエステルさん主催の食事会を今から楽しみにしておきますね。という事でその食事会を早急に開くためにも、今日も全力でリハビリを頑張っていきましょう!」
「はい、そうですね。それでは今日も一日よろしくお願いします、セツナ様!」
「はい、こちらこそよろしくです!」
そう言って俺達はそれから屋敷の庭へと移動していき、今日も一緒に全力でリハビリを頑張っていった。




