19話:王都の冒険者ギルドのギルドマスター
スクルドと別れてすぐ。俺は冒険者ギルドの建物の中に入った。
―― カランコロン♪
「お邪魔しますー。依頼の完了報告に来ました。鞄の中にさっき受けた採取依頼の薬草が入っているので確認をお願いします」
「はい、お疲れさまでした。それでは確認しますので鞄をお預かりしますね。それと冒険者ライセンスも提示をお願いします」
「わかりました。これです」
俺は冒険者ギルドの受付に行って、依頼の完了報告をするために、採取してきた薬草と冒険者のライセンスカードを提出していった。
「ライセンスカードの提示ありがとうございます。それではすぐに確認させて頂きますね……って、あら? お名前はセツナ・キサラギ様というのですか?」
「はい、そうですけど? 俺の名前に何か問題でもありましたか?」
「いえ、問題があるとかそういう話ではありませんよ。実は先ほどこの王都の冒険者ギルドのマスターがセツナ様にお話ししたい事があると仰っておられましたのです」
「え? 王都のギルドマスターが俺に話したい事があるんですか? でも俺はこの王都のギルドマスターとは面識がないんですけど……一体どのような用件なんですかね?」
「あ、申し訳ありません。ギルドマスターの用件までは伺っておりませんので、私にはわかりません……ですから今からギルドマスター室に向かって頂く事は可能でしょうか? その間に採取依頼の確認は私の方でしっかりと進めておきますので」
「はい、わかりました。そういう事でしたら今からギルドマスターの部屋に向かいますね。ギルドマスターの部屋は何処にあるんですか?」
「ありがとうございます。ギルドマスターの部屋は二階の奥にございます。こちらの方で今すぐに通信石でギルドマスターに連絡しておきますので、セツナ様はそのまま真っすぐと二階に進みください」
「はい、わかりました。ありがとうございます」
という事で何故かわからないけど俺は王都のギルドマスターに呼ばれたので、俺はギルドマスターが待つ二階へと昇っていった。
そして受付の職員さんが言っていた二階の奥の部屋前に到着した。部屋のプレートにはギルドマスター室と書かれている。
―― コンコンッ
『……はい?』
「あ、すいません。つい先ほど受付の職員さんに言われてやってきました。セツナというモノなんですけど……」
『あぁ、先ほど下の職員から連絡を受けました。どうぞ中に入って下さい』
「はい、わかりました。それじゃあ失礼します……」
―― ガチャッ
俺は早速ギルドマスター室に入っていった。すると中には一人の女性が立っていた。年齢は二十代半ばくらいに見える。長い赤髪のウェーブヘアと切れ長な瞳が特徴的なとてつもなく美人な女性だった。
「急な連絡にも関わらずギルドマスター室に足を運んで下さってありがとうございます。私が王都の冒険者ギルドのギルドマスターをしているルファス・スカーレットです。どうぞお見知りおきを」
「あ、は、はい。ご丁寧にありがとうございます。俺はセツナ・キサラギと申します。よろしくお願いします」
目の前の女性であるルファスは丁寧にお辞儀をしながら俺に自己紹介をしてきてくれた。そしてルファスはとても凛とした空気をまとっているように感じた。
俺が住んでる田舎町のギルマスである豪快なおっちゃん代表のダグラスとは全然空気感が違った。何と言うかこの空気感はおそらく……。
「えっと、その、ルファスさん。初対面でこんな事を聞くのは世間知らずというか恥知らずみたいな気がして非常に申し訳ないんですけど……もしかしてルファスさんって……貴族だったりしますか?」
「はい。その通りです。スカーレット家は代々高名な騎士や戦士を輩出している伯爵家です。私以外の兄弟たちも皆王都の騎士団や警備隊などに所属しており、王都の治安維持のために活動しております」
「な、なるほど。やっぱりそうだったんですね」
という事で予想通りルファスは貴族の女性という事だった。何だか空気感がアリシアとかギルバートに似ていると思ったんだけど予想通りだった。
しかもスカーレット家は騎士や戦士を輩出し続ける家系との事だ。という事はこのルファスも相当に強い女性なんだろうな。




